スウェーデン留学記#13 ザリガニパーティー
皆さんザリガニを食べたことはあるだろうか?
スウェーデンの夏にはザリガニパーティーというイベントがある。スウェーデン人は昔からザリガニを食べるのが大好きで、夏にザリガニ漁の解禁を祝う慣習が定着したらしい。
以前の記事で、私が住んでいたシェアハウスで3人の子が9月に誕生日を迎えた話を書いたがその3人目がアレクシーだった。
アレクシーは「スウェーデン人もすなるザリガニパーティーというものを我もしてみむとてするなり」といった様子で、ある日突然「私の誕生日パーティー、ザリガニパーティー形式でしたい!!!」という告知をした。
そういう訳で我々は「アレクシーのザリガニパーティー」を開催することになった。この時期スウェーデンのスーパーでは大量のザリガニパックが売られている。冷凍の塩茹でザリガニが大量に入っているので、買ったら解凍するだけで良い。これと、ザリガニパーティー用の飾り付けを購入した。
その他にアレクシーがイタリアのおばあちゃん直伝のピザを、アメリがフライドポテトを用意した。サラダはマリーのお手製である。ピザにはトマト、ブリーチーズが乗っていて、ポテトはローズマリー風味。サラダはきゅうり、トマト、ドライトマト、チーズ、ショートパスタを和えたものである。
料理担当以外の子達で部屋の飾り付けをした。
交友関係の広いアレクシーは何人かの友達を招待していた。ちょうどこの時期、マリーのボーイフレンドも訪問しにきていたので、彼も合わせて総勢14人のパーティーとなった。みんな恐る恐るザリガニを口に入れる。うーん、大味のカニってとこかな、と私は思う。少し泥の味もするような…。塩味だから不味くはないけど…と私は結局数匹食べて、あとはサラダ専門に切り替えた。「思ったよりは美味しいね」と皆口々に感想を述べた。
ところがアレクシーはザリガニの味をかなり気に入った様子。アルコールも入り、上機嫌で延々とザリガニを食べ続けている。
オランダの美少女2人はザリガニを食べるのに飽きて、ザリガニの飾りを頭につけて遊び始めていた。
宴もたけなわという頃、みんなでアレクシーにメッセージブックとプレゼントを贈呈した。そしてアレクシーの皿の上に積み上げられている、大量のザリガニの殻の山を見て仰天した。アレクシーは「え?なんでみんなそんなに食べてないの?ほとんど私が食べちゃった?これすごく美味しかったよね??」と逆に驚いている様子だった。
でも、自分の誕生日のメインディッシュの味が好みの味で良かったね、とフォローが入る。というわけで、「アレクシーのザリガニパーティー」は大盛況に終わったのだった(写真右下の大量のザリガニの殻にご注目)。
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