題名はまだない。
白いTシャツにアイスブルーのスキニーデニムを履く
白いスニーカーにベージュのキャップ
黒のポーターのショルダーを助手席に放って
愛車の黒いSUVに乗ってジャックジョンソンを聞きながら
コンビニに向かう。
「海へのドライブは何を飲もうか。。。」
独り言を言いながら並んでいるペットボトルを見つめる。
私の一番のプライベート空間である車の中で
何を聴き、何を口にするかはとても重要なこと。
いつものストレートティーを選んでレジに並ぶ。
コンビニを出たところで後ろから声をかけられた。
「○○○さん?」
「?」
振り返ると、中学時代の同級生がいた。
背が高くなって、大人になっていたから一瞬わからなかった。
「○○君!久しぶりだね。大きくなってたからわからなかったよ。」
「○○さんは変わらないね。すぐわかったよ。」
2年生の時だったか、同じクラスでよく遊んでいた気がする。
4人くらいで自転車で山に登って川遊びをした覚えがある。
東京に行っていた気がしたんだけど、帰ってきてるのか?
「こっちに帰ってきてるの?東京じゃなかった?」
「最近仕事の拠点をこっちに移して、帰ってきたんだ。」
「そうなんだね。ほんと久しぶりだな!」
「今日は土曜日だけど仕事なん?」
「うん、○○さんは?」
「あー、ちょっと海までドライブに。。」
「一人で?」
「そうなの。」
すこしはにかみながら答えた私を、彼は不思議そうに見る。
少し間があいて彼が言った。
「一緒にいこうかな。」
「え?仕事でしょ?」
「休む。」
正直、久しぶりに会う同級生と3時間ほどかかる道中、
何を話せばいいのかわからないし、
何年振りかに会って、いきなり図々しいな。とすら思った。
「いやー、でも車できてるでしょ?置いてかなきゃだし大変じゃんね。」
よくわからない理由をつけて、なんとか断ろうと試みる。
「置いてく。すぐそこの駅の駐車場に置いてくよ。」
「あー、ほんとー。。。でも帰り何時かわかんないよ?
すごく気ままに行くドライブだし。。」
「全然いいよ。あ、高速代とかガソリンと、あとご飯は俺出すし。一緒に連れてってよ。」
「お、おん。。」
勢いに負けて変な返事で承諾してしまった。
お金のことあらかじめ言うなんて、案外きっちりしてんな。
とかどうでもいいこと考えてた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?