目に青葉
目にさやか 滴るみどり 古都の杜
旧友を訪ね金沢へ。
兼六園を散策し、金沢城の建築技術に驚き、そしてかねてより楽しみにしていた「ごり」料理を頂いた。
ごり、とはカジカのという川魚で金沢の郷土料理だ。見た目は少々グロテスクだが、清流に住むため臭みも無く、お作りも美味しく頂けた。河口より五里(約20キロ)上流に住むことからこの名が付いたとか。炙ったごりを燗に入れて飲む骨酒もここでしか味わえない逸品だった。
閑話休題、金沢は加賀百万石というだけあって、商業的にも豊かな土地であることを感じる街だ。
街の作りも余裕を持って道が広く整備され、植樹も多く、美しい。古い家屋も取り壊さず上手くリノベーションして店舗や民家として使われている。「文化」の香りを強く感じる街だと思った。
文化の香りがする街とは一朝一夕では到底なり得ない
、長い時間を要するのだと改めて思った。
そこに潤沢な資源が与えられ、産業の発展と、芸術への長期に渡る投資が全て上手く機能して初めて、そこに住む人々の感性に無意識に働きかけるのだろう。
今の時代は連絡手段にしても何にしても、とにかくすぐに結果を求める風潮があるようだが、「長い時間を掛けないと醸成できないもの」が明らかに存在し、またそれが我々の人生に快適さでなく、幸福感をもたらしてくれるものだと改めて感じた旅であった。