本気でやれば道は開ける
こんばんは。
気がつけば5月も中旬に突入しました。
5月に入ってから大阪も急激に暑くなりました。
いつもどんなときもジャケットを羽織ってる僕も、ここまで暑いと流石にもうジャケットは脱いでクールビズスタイルに変えざるを得ません。
クールビズスタイルは個人的にあまり好きではありませんが、先日新しいスラックスも買ったことなので、新たなコーデを色々試してみようと思います。
さて、本題に移りましょう。
今回のテーマはですね、
「本気で取り組めば道は開ける」
このテーマで書かせていただきます。
本気で学問に取り組んだことで、人生をガラリと変えた一人の科学者の話から「何事も本気でやれば道は開かれるし、人生も変えられる」ということを知っていただきたく、今回はこのテーマで書きたいと思います。
皆さんに知っていただきたいといいつつも、半ばこれは自分自身に言い聞かせているものですので、今回も長文になりますがお付き合いいただければ幸いです。
さて、今回取り上げる科学者の方を紹介しましょう!
その方は大村智さんです!
大村智…?
どこかで聞いたことあるような気がすると思った方は、おそらくけっこうな数いることでしょう。
なぜなら、大村智先生は2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大変著名な科学者だからです。
イベルメクチンという、フィラリアなど寄生虫が媒介となって引き起こす感染症に対する特効薬を開発し、長年フィラリアなどの感染症に苦しめられてきた数多くのアフリカや中南米の人々を救ったという功績が評価され、2015年にノーベル賞を受賞したという世界的にも著名な科学者になります。
イベルメクチンが開発されるまで、アフリカや中南米の人々はフィラリアなど寄生虫が原因となる感染症によって、膨大な数の人々が失明するなどの被害に苦しめられていました。
だが、大村先生が特効薬であるイベルメクチンを開発したことにより、WHOは60万人もの人々が失明から救われ、4,000万人が感染から免れたと宣言しています。
60万人もの人々を失明の危機から救い出したと聞くと、改めてとてつもない功績だなと思いますね。
これほどの功績を上げられた科学者なのだから、さぞかし昔から科学者のエリートコースを歩んできたのだと皆さん思われるかと思いますが、実はこの大村智さんは元々定時制高校の教員をされていたという極めて異色な経歴を持っている方なのです!
そもそも大学もガッツリ理系の学部ではなく、山梨大学の学芸学部という今でいう教育学部を卒業されてます。
そして大学卒業後は東京で5年間定時制高校の教員をしていたという、ノーベル賞を取るほどの偉大な科学者がまさか最初はこのような経歴を持っていたとは誰も思わないでしょう。
ただ、とあることがきっかけで大村智さんは科学者の道を歩むことになりました。
そのきっかけとは、定時制高校の教員として夜間に通う学生たちに物理や化学を教えていた際に、油が付いた手で鉛筆を持ち、熱心に勉強に取り組む学生たちの姿を目にして、それに心を打たれたことなのです。
定時制高校ということで、学生たちは昼間は工場で汗水たらしながら働き、夜は学生として勉強する生活を送っている人が多く、大多数の人たちが想像する高校生の姿とは大きく乖離しています。
言ってしまえば、中学を卒業する段階で何かしらの事情があり、世間の大多数の人が進むような全日制の高校に行けなかった人が定時制高校に通い、高卒資格を得るために必死で勉強する訳です。
現実として、日本では中卒の場合、就職できる仕事が極めて限られてしまいます。
そのため、定時制高校で学ぶ方々は何としてでも高卒資格を取るのだという非常に強い気持ちを持って勉強するのですが、当時教員として教えていた大村先生は学生のこの姿を目の当たりにして、自分ももう一度勉強に打ち込んでみようと決意し、東京理科大学大学院に進みました。
定時制高校の学生と同じように、大村先生は昼間は大学院生として勉強し、夜は定時制高校の教員として働くという二足の草鞋を履きながら研究を続けていたそうです。
熱心に勉強する教え子の姿を見て、もう一度勉強しようと志すというとは、
ここまででも、十分心が熱くなるストーリーですね。
改めて、対象が何であれ、この定時制高校の生徒たちのように、何事も真剣に打ち込む姿は見ている人を感動させるのだと思わされますね。
こうして大学院生と教員の二足の草鞋を履きながら研究を続けた大村先生は、大学院を修了してから本格的に科学者としての道を歩むことになります。
山梨大学の助手からスタートした科学者のキャリアですが、そこからは多数の論文を発表して博士号も取得し、36歳の頃にアメリカのウェズリアン大学に留学することになります。
このウェズリアン大学の留学が、大村先生の科学者してのキャリアを大きく飛躍させることになりました。
ウェズリアン大学では、全米の化学会の権威であったマックス・ティシュラー教授に師事し、彼と共にいくつもの素晴らしい研究業績を残しました。
そして日本に帰国後、1974年に大村先生は静岡県の地中から寄生虫に対して強力な効力を持つ化合物を発見しました。
この化合物を製薬会社と共に研究、改良していくなかで寄生虫に対する特効薬イベルメクチンが生まれました。
ただ、このイベルメクチンが生まれた背景に、大村先生の本気で研究に取り組む姿勢が留学先の指導教員であるティシュラー教授に評価され、ティシュラー教授から共同研究に応じてくれる会社を紹介してもらったという話があります。
ティシュラー教授は大村先生が本気で熱心に研究に取り組む姿勢を高く評価して、多くの企業に大村先生のことを売り込んでいたそうです。
その結果、メルク社という製薬会社が共同研究に応じ、大村先生に年間2500万円もの研究費を提供しました。
ちなみに、この2500万円というのは当時では大学の教授一人に支給される研究費の10倍にあたるほどだそうです。
これほど多くの研究費を獲得できたのも、大村先生の本気で熱心に研究に取り組む姿勢があったからに他ならないと言えるでしょう。
そう、大村先生がかつて心を打たれた、油が付いた手で鉛筆を握る定時制高校の教え子たちのように。
アメリカで大村先生を指導したティシュラー教授も、きっとあの時の大村先生と同じように、本気で熱心に研究に取り組む大村先生の姿に心を動かされたことでしょう。
イベルメクチンが生まれたのは、定時制高校の生徒たちが大村先生を、大村先生がティシュラー教授をと、彼らの本気で物事に取り組む姿勢が、周りの人の心を、行動を動かしたことが重なったことにあると言えるのではないでしょうか。
ちなみに、このイベルメクチンに関して最近ではこんな話もあります。
イベルメクチンが新型コロナウイルスに対して有効である可能性が期待されているそうです。
イベルメクチンはアフリカや中南米の人々を救いましたが、これから世界中の人々を新型コロナウイルスの猛威から救う可能性をも秘めているとは、改めて大村先生が人類に残した功績は計り知れないものだと感じますね。
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さて、今回は大村智先生の話を長々としましたが、ここで言いたいのはただ一つ。
本気で取り組めば道は開ける。
一人の高校の教員だった大村先生は、働きながらも真剣に勉強に取り組む生徒の姿に心を打たれ、25歳で大学院に進学して化学を学び直し、彼らのように必死で勉強に取り組みました。
大村先生は意外にも、大学時代は部活に明け暮れており、真剣に勉強に取り組んでこなかったそうです。
そんな大村先生は本気で勉強に取り組む生徒たちの姿に心を動かされたことがきっかけで、自分ももう一度学び直したいと思い、そこから本気で研究に取り組むようになった訳ですから、人間どこで人生が変わるか全く分かりませんね。
ただ、仮に大村先生が彼らの姿に感激して大学院に進んだとしても、本気で研究に取り組まなければ、莫大な研究費を得ることはなかったでしょうし、ましてやノーベル賞を取るほどの偉大な科学者になることはなかったでしょう。
本気で研究に打ち込んだからこそ、科学者としての道が開け、その道を途中で歩みを止めることなく一途に歩んできたからこそ、ノーベル賞を取るまでの域にたどり着いたのだと僕は思います。
何ごとも本気で取り組めばどこかで道は開けてくるのだと思いますし、少なくとも大村先生の生涯を辿ってみると、僕はそう思わずにはいられません。
僕も大村先生のように目の前にあることに本気で取り組むことで自分の未来を切り開いていかねばと、書きながら強く感じた次第です。
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さて、いかがでしたか?
勉強と研究に本気で取り組んだことで、どこにでもいる一人の教員がノーベル賞を取るまでの科学者になった実話を紹介させていただきました。
この大村先生の話を見て、自分も何か本気で頑張ってみようと思う方がいれば幸いです。
今回も長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
また来週も更新します。
それではまた👋