『ゴッホ・アライブ展』美術館が苦手な自分でも楽しめるアート空間だった話。
『ゴッホ・アライブ展』という展覧会が寺田倉庫(最寄り駅:天王洲アイル)で開催されています。私はクラシック音楽は大好きなのですが、美術館独特の無音と冷房で肌がぴりぴりする空間が苦手。特に混んでる展覧会はじっくり見れないし歩くのも疲れます。
そんな感じなので、一般的な展覧会だったらスルーしていたのですが、こちらの展示会は最初から最後まで「写真動画撮影OK」でユニークなことと、アンバサダー冨永愛さんが出演する美しい広報映像にひかれて、旦那と小学生の息子を連れて行ってきました。
結論、クラシック音楽にあふれ、美術館苦手な私でも楽しめました!映像エリアで使用されていた楽曲も書いてます。
どんな展覧会?
まず、本物のゴッホ作品は1点もありません。この展覧会のほとんどは『映像エリア』で構成されていて、大きなスクリーンに作品が大量に代わる代わる投影されていく構成です。作品が描かれた時代や場所、作風などカテゴリが切り替わると同時に、大音量でクラシック音楽も切り替わっていくので、迫力ある没入空間を体感できる展覧会でした。映像エリアの横に『星月夜』『ひまわり』ミニブースもありました。
子どもは気になる絵が出てきたタイミングで一生懸命写真を撮っていて、動画と写真撮影OKの展覧会は親子で行くにはすごく良いですね。基本的に終始暗闇なので、目を離しても大丈夫な年齢のお子さんがオススメかな。
===以下からは唐突な楽曲まとめです。記憶とスマホに残っている楽曲だけ===
ゴダール:ヴァイオリン協奏曲 第二番 第一楽章
田舎の風景画や『カラスの飛ぶ麦畑』が投影されているときに、BGMとして流れていました。一見すると穏やかな風景画のBGMがこれだったので「?」と思いつつ、調べるとゴッホの「悲しみと言い知れぬ孤独」を表現した最後の作品の1つだったそうで納得。
ヘンデル:ハープシコード組曲第2番HWV437第4曲『サラバンド』二短調
自画像が代わる代わる投影されているときに流れていた楽曲です。混乱と悩み苦しみを抱えていたゴッホの心情をサラバンドで表現したのでしょうか。自画像が消えた後にゴッホが過ごしたフランスの地図が投影されていたので、最後(もしくは冒頭)の映像だったのかもしれません。
バッハ:無伴奏チェロ組曲 第一番 プレリュード
サティ:『ジムノペティ』 第一番
ゴッホがパリに移住した頃の作品『ひばりのいる麦畑』などのBGM。
ドリープ:バレエ組曲『シルヴィア』より『ピチカート』
ピチカートの音に合わせてテンポよく絵が切り替わっていたので、すごく印象的なBGMでした。
さくら、さくら
はらはらと花吹雪がきれいな『花咲くアーモンドの木』や浮世絵風の作品などのBGM。日本は鎖国明けの頃、パリで始まったジャポニズムというものですね。
バッハ:『平均律クラヴィーア第一巻 第一番 プレリュード』
厳密にはチェロのメロディが加わっていたので、グノー編曲『アヴェ・マリア』。華やかな色彩の向日葵のBGM。モニターにでかでかと拡大されて向日葵が映されるので、筆の跡もはっきり見えて迫力ありました。
サティ:グノシエンヌ 第1番
急に雲行きが怪しくなってきました。有名な『夜のカフェ・テラス』『アルルのフィンセントの寝室』のBGMです。黄色かったり空間がゆがんだり…
ドリーブ:歌劇『ラクメ』より『花の二重奏』
サン=サーンス:『動物の謝肉祭』より第7曲『水族館』
『星月夜』『ローヌ川の星月夜』などのBGM。作品の水面がゆらゆらする演出と『水族館』が重なって幻想的できれいな空間になっていました。このあたりで映像は一周していた記憶です。
ゴッホ・アライブ展の広報映像で出てきた、ヴィヴァルディ『四季』より『夏の嵐』は別ブースにいて聞き逃したのか、BGMに気付きませんでした。あの曲、聞き逃すかな?(笑) なので、他にも聞き逃しているのがあります。
この『ゴッホ・アライブ展』、実物の作品がなくても音楽と演出のおかげで満足度が高かったことと、チケット代金はおとな3,000円と安くないのに、家族連れや若い方も多く来場しており大変盛況なことに驚きました。ゴッホ×クラシック音楽となると来場者を選びそうなものですが、技術で見せ方を変える・写真OKという工夫で敷居を低くし、美術館来場者の間口を広げたんだろうと思います。おすすめです。
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展覧会概要
会期:2024年1月6日(土)~2024年3月31日(日)
開館時間:10:00~18:00
会場:寺田倉庫G1ビル(品川区東品川2丁目6−4)
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最後に、クラオタは一緒に来た相手に「この曲聞いたことない?〇〇っていう曲でさ…云々」とか宣うことなかれ。ここは五感で楽しむ展覧会!