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ドラマ「0、5の男」について、対談してみました。その②

玉:「子供はわかってあげない」(2021年公開の映画 沖田が監督、玉澤が助監督)のラストシーンの時、美波ともじくん(上白石萌歌さんと、細田佳央太くんが出演)が、屋上で向かい合った時、芦澤さん(撮影監督)が、すごい角度に入ったんです。めちゃくちゃ目線に入って。俺、現場で覚えてて。

真夏の屋上で撮影。死ぬほど暑かった

ちょっとカメラの奥だから、俳優はお互い見えずらい気がしたんだけど、その時、沖田さんが、それがいいって言ってて、その画がめちゃよくて。美波の気持ちっていうか、カメラ目線ぽく見えてる時に、めちゃグッときて、一緒にみてきた俺たちも、今、美波と一緒に見てるみたいな。

山:あのプロフィール(横顔)のイメージが強すぎて(ちなみに、山村も撮影チーフ)

真っ黒に日焼けした上白石萌歌さんが、綺麗な涙を流すのです。うう。

玉:おれ、その後に撮った、正面のカットバックの方が、よりなんかぐっときて、

山:すごい近い距離でしたよね

沖:そこから繋がってんの?、今回の恵麻ちゃん

玉:俺、なんか、3、4話で、恵麻ちゃんのシーンが増えた時に、彼女と心中するじゃないけど、彼女を見つめて、なるべく撮ろうとした時に、どっかで何かをみつめるみたいな、そういう画を撮りたくて。
(場所的に)雅治を、直接、見れてはないんだけど、雅治をみているみたいな。カメラの奥にいる俺たちが雅治みたいな。恵麻に「大丈夫だよ」って、言われるみたいな感じに見えたらいいなと思って。

トークに熱がこもる玉澤監督の拳

沖:なんだろね、ちゃんとそういうのがあるから、言葉だけでグッときちゃうわけ。言葉だけでもちゃんと見れるというか。メールのやりとりだけでも、間が気持ちよかったり、言葉だけで感動できるんだなと思っちゃったんだけど、4話みてて

にやける男、沖田

玉:森田さんの「ハル」(注:1996年公開の映画 森田芳光監督作品)の話とかしてたじゃないですか、それで、一回見返して

沖:言葉の出し方は、参考にして、気を遣ったよね

言葉の出し方がすごい映画でした

沖:5話が短いって言ってくれる人もいるし、ちょうどいいっていう人もいるし、もっとみたいという人もいるみたいだね。

玉:僕、5話の、木場さんと松田さんの車のシーン、すごい好き。めちゃくちゃいいですよね

山:ああ、いいですよね

沖:ああ、酒買いにいくところ

玉:帰りのところですよね。

沖:あ!、それで一個、思ったわけ。酒蔵の売店のところ、カップルが通り過ぎる話なんだけど。

玉:ああ、あれ!

沖:あの、通り過ぎるカップルが、一体、誰か、という話なんだけど。。。あの答えを。

玉:あれ、わかる人、誰もいないでしょ!

沖:わかった人に先着1名で、0、5のステッカーを(笑)

ゲットだぜ

沖:ああ、もう30分話したね

玉:でも、沖田さんもあれじゃないですか、どうですか?、全話見返して

終わろうとしたら、話がまた始まった瞬間の俺

沖:長いドラマをみてるときの、変化はよくわからなかった。普段、違うドラマを観てる時の感覚では、もう観れないから。このドラマの変化の体感はよくわからなかった。

玉:書いている時はわかるんですか

沖:雅治と恵麻ちゃんが、距離を縮めていくのを、長い時間を使ってやってるから、それは気を遣ってるんだけど、ドラマとして5話を観ているときに、変化を感じてくれているのかは、ちょっとわからなかった。

玉:沖田さん、人に撮らせるわけじゃないですか? どうだったんですか?

沖:でもほら、玉ちゃん、知らないわけじゃなかったし、ある程度の好みも知ってるし、でも観てて、3、4話が面白かったわけ。ほんとに。だから、自分が力を出さないで、結果を得たなという。

玉:(笑)

沖:よくしてもらったなという(笑)でもね、今日、昼に、友達と飯食ってて、感想聞いたの。ドラマ、面白かったんだけど、監督が違うって話になった時に、俺の方が、不必要なカットが多いって

玉:5話ふざけすぎでしょ。どこですかそれ?自分の中では

沖:もちろん、御子柴だよね。(笑)

玉:(笑)青木製菓はね(注:臼田あさ美さん演じる、沙織の職場)

沖:青木製菓って、結構、俺、ちゃんとした考えのもとに、あの演出になってるんだけど。。。

玉:青木製菓のファーストシーン、俺から始まってるじゃないですか。あれ、リハの時、一回、臼田さん抜きで、まずやってみて、なんとなくおもしろくて、あ、このテンション感だなと俺は思って。で、臼田さん入ったときに、・・

沖:ここまでじゃないと思って(笑)

玉:結構、俺も時間に追われてて、段取り(芝居のテスト的なこと)を、いいとこで切り上げちゃって、俳優部は、モヤモヤしたまま残って、で、結局、裏で、もう一回、段取りやり直して、沖田さんも付き合ってくれて

沖:ああ、そうそう、俺、ちょっとテンション落とそうとしたんだよね。そしたら、俳優部たちが、やるならやろう、みたいになって、みんなやる気になって。中途半端でもつまらないじゃないですか、とか言って、そうだよねえ、とか俺も言って。

玉:やっぱりあのシーンって、結局、沖田さんのずっとやってきた人というか、付き合いがあるから、関係性ができてるから、やっぱり監督と俳優が、コミニュケーションとると、より早いな、と思った。探りあう時間というか、まあ、大事なんですけど、初手の段階で、ああなるのが面白かったです。

沖:出てもらいたい人はいる?

玉:松田さん、もう一回、やりたい

と、ここまで話して、コンビニを出て、みんなで近所にカレーを食べに行きました。食べている間も、ドラマの話をして、録音もしていましたが、モンスターが切れたのか、それもただ飽きたのか、話に取り止めがなさすぎて、書くのをやめました。
もしかしたら、全部、自分たちだけが楽しい話だったかもしれません。
でも、私たちは、すぐに撮影のことを忘れてしまうから、こうして書いておくのもよいかもしれません。あとで、誰かのためになったりしたらいいなと思います。

いや、記事にするって、大変なんですね。
ライターの方、ご苦労様です。
また、どこかで会いましょう。

今回の対談相手↓

玉澤恭平
北海道生まれ。斎藤久志監督、成田尚哉プロデューサーに師事し、助監督をはじめる。近年の作品に『PA R KS パークス』(17)、 『望郷』(17)、『 ジ オ ラ マ ボ ー イ ・ パ ノ ラ マ ガ ー ル 』(20)、『 犬 部 ! 』(21)、『 子 供 は わ かってあげ ない』(21)『夜を走る』(22)「さかなのこ」(22) 前田哲組「水は海に向かって流れる」(22)など。
監督作には、 ドラマ「声ガール!」 ドラマ「幸色のワンルーム」(18/ABC) ドラマ「僕はまだ君を愛さないことができる」 ドラマ「テレビ東京 木ドラ25 ゆるキャン△」 「テレビ東京 木ドラ25 ゆるキャン△2」 ドラマ「モクドラF イタイケに恋して」(2021/読売テレビ) NHK夜ドラ「柚木さんちの四兄弟。」(2024/NHK) など。

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