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バ美肉VTuberの難しさ
バ美肉(バーチャル美少女受肉)は、ある程度の市民権を得たと思いますが、実際のところバ美肉として活動するのは難しいのではないでしょうか?
今回はそのことについて、私の現時点の意見を書いてみようと思います。
美少女アイコンからバ美肉スタイルへ
バ美肉をやっている人は、その多くが動機として「バーチャルの世界で可愛い美少女になりたい!」ってことだと思います。
昔から美少女になりたいという価値観はあるにはありました。私もその1人です。しかし、以前はできる活動としてはSNSのアイコンを美少女にするぐらいでした。実際、昔からX(旧Twitter)には、美少女アイコンの男性が普通にたくさんいました。
しかし最近では、質の高い3Dキャラクターモデルやボイスチェンジャーが登場したことで、VTuberのような形を取ることができるようになり、美少女になりたい願望のある人だと、とりあえずバ美肉スタイルで動画を作ってみる人が増えました。
バ美肉という新たなスタイルが登場したことで、今までは存在しなかった「バ美肉の難しさ」が言われるようになったのだと思います。
バ美肉活動の難しさ
バ美肉で活動を始めると、「美少女になりきっている自分の価値」が気になり出します。このような意識は、単に美少女アイコンで発言しているだけの時代には浮上しなかったものだと思います。
しかし、VTuberのようなスタイルで動画を作ることで、嫌でも意識せざるを得なくなります。つまり、美少女として可愛いと言われて、美少女としてチヤホヤされたいという願望が出てくるわけです。
実際、私も「垂水よいな」としてYouTubeにいくつか動画をアップしていますが思ったような結果にはなっていません。もっと可愛いと言われたい!という願望はあります。
もちろんバ美肉のスタイルでも人気を博している人もいますし(兎鞠まりさんなど)、私自身がうまく立ち回れていないところも大きいです。
ですが、私の体感では、バ美肉はリアル性別が女性の人がVTuberになろうとすることよりはるかに難しいと感じています。
バ美肉の難しさの原因
以下に私が考えるバ美肉の難しさの原因を書いてみます。
1. リアル性別
美少女アバターやボイスチェンジャーによって「男性が女性になる」ことは技術的には可能です。しかし、視聴者の中には中身が本当に女性であるかどうかに関心を持つ人が少なくないです。
私の体感でも、新しくVTuberを見ようとしたときに、敢えてバ美肉の人を選ぶことはほとんどありません。もちろん、交流があるバ美肉さんの動画をみることはありますが、ゼロの状態からYouTubeを回遊してバ美肉の動画や配信を見ることは少ないです。
この辺は、まだ実体としてリアル性別を意識する人が多いことと、リアル性別を完全に隠せる技術(ボイチェンなど)が浸透していないためだと思ってます。
2. ボイスチェンジャーの技術的限界
近年のボイチェンの盛り上がりは、RVCモデルによる簡単かつ高品質なボイチェンが広まったところにあるでしょう。私もRVCモデルを使っています。しかし、RVCモデルといえども、まだ「ボイチェンしている」とすぐに分かるレベルです。
兎鞠まりさんのようにフィルタ系のボイチェンだとかなり自然ですが、そのレベルに到達するのは訓練も必要であり、何より手軽さにも欠けます。
つまり、現状のRVCモデルやフィルタは、リアル性別がわからなくなるレベルの技術ではないということです。
ボイチェンがリアル性別を完全に隠せない状況では、どうしても中身が男性であることを視聴者に意識させてしまいます。この違和感は、キャラクターへの感情移入を妨げる要因となってしまいます。
3. 役に立つ情報を提供しにくい
VTuber活動の特徴として、YouTuberやブロガーのように「役に立つ情報を提供することで視聴者を増やす」という戦略が取りにくい点があります。
一般的に、SNSやYouTubeなどの戦略では、「有益な情報を与えるからこそ視聴者が増える」という考え方があります。SNSアカウントやYouTubeチャンネルを想像してもらえばわかると思いますが、伸びているものは大体有益な情報を提供しているところがほとんどです。逆に言えば、「有益な情報を与えてないのなら視聴者は増えない」ということです。
バ美肉にしてもVTuberにしても、キャラクター性が重要であり、視聴者がそのキャラクターを好きになるかどうかが活動の成否に直結します。
しかし、有益な情報を欲しいと思っている人と、キャラクターを求めている人では、その人数や規模が全然違います。有益な情報を欲しいと思っている人の方が圧倒的に多く、そのような人は情報を次々に見て回るため、キャラクターを求めている人よりも人数や規模が大きいのです。
よく「今からVTuberを始めても伸びない」という意見がありますが、そもそもVTuberというのは、誤解を恐れずに言えば、有益な情報を提供するものではないため、市場規模と範囲において情報チャンネルに比べて弱いのです。
終わりに
というわけで、バ美肉VTuberの難しさについて、個人的に思うところを書いてみました。
かなりネガティブ寄りの意見なので、今バ美肉に真剣に取り組んでいる人には不愉快かもしれませんが、自分が普段考えていることとして記録するという意味でも記事にすることにしました。
「いや貴方のような弱小チャンネルに言われたくないですよ?」と言われたら返す言葉もありません、その通りです。どうもすみません…
とはいえ、バ美肉スタイルでも改善点できる点はあると思うので、近いうちに改善点についても書いてみようかなと思います。