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ワタシ断片集
カフカ断片集を読んだ。初めてカフカ作品に触れて、こんなの私でも書けそうだなと迂闊にも口を滑らせてしまいそうだったものもあれば、世界をどういう切り方をして見ているのだろうと巧妙な視点もあってページを捲るごとに心がふわふわどきどきする感覚だった。私なんて滅相もない、カフカの隣になんて並べませんとは思いつつも、彼はノートの隅や紙切れに断片を残していた。それがかき集められて書籍化されている。私のメモ書きが断片とするならば、断片集できるかもしれない。表現とか世界の切り抜き方とかが個人的にいいなと思った断片を勝手に集約させたものを書かせていただきます。
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.寝れなくても「まあいっか」で深夜を謳歌できる生活ならば、明日がやってくる強迫観念に襲われながら目を瞑らなければならない夜は来ないのに
.結果よりも納得できるかを常に優先し続けてきた人生を認めてくれる人が目の前に現れて欲しいです
.曖昧だったものと必死になりながら向き合って、そうしてようやくなぞれるぐらいになった輪郭を撫でてみるといろんな感触がして、私はなんにでもなれる気がしてくるのだ。そしてきっとこの広い宇宙の中にはそんな私を必要としている誰かがいるのだと思える幸せ
もし必要とされていないのだとしても、なんて孤高なのだろうと感じられる幸せ
たとえ家族や友人や最愛の人から必要とされていないとしても、死にたいと言えば死ぬなと言って手を差し伸べてくれる知りもしない他人がいる世界だと知っている
.やめる理由を探すために一度本気になってみるのも一興かもしれない
.少しくらい楽にさせてよが永遠に続けばいいと思った。いつだって+αの生活を夢見ている
.涙を我慢して誤魔化すように笑っている人の強さほど眩しいものを見たことがない
.泣くにはあまりにも世界が明るすぎる
.人間って完璧じゃないから愛おしいのに
.くしゃみってかわいい。体の突飛な反応に抗えない感じが、人間の無力さを普遍化している感じが
.私はやはり人から伝播するあたたかさしさ信じられないみたいです。ストーブもこたつもカイロも駄目みたい
.人と一緒にいることの楽しさと幸せを覚えてしまった私は、孤独が怖いです。誰かの体温を側で感じたいし、この笑顔は誰かに見てもらうためにあるものだとさえ感じてしまう
.偶然が起こらない限り人間は生きることと死ぬことを選べる立場にいる傲慢さに気づけた私は海の中で生きていてもいいですか
.自分を救えるのは自分か、友達か、家族か、言葉か、それともほかに
.心がからっぽになるニュースがベルトコンベアのように流れる朝、快晴
.その瞬間、世界から色が消えた。というよりも、私の目から色が失われた。それと同時に呼吸が浅くなる。心臓を掴まれたように痛みを感じ、動かなくなったとさえ思った。私の目には何が見えていたのか。何も見えていなかった。ずっと、この世界に焦点が合わない。唯一できたことと言えば、この目で世界を睨むことだけだ
.友達多い系の友達に「普段何してるの?」と聞かれるととても困ります。個人的には充実した時間を過ごしてるけどきっとそうは思ってもらえない
.美しいと口から出る人の美しさ
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