【書籍レビュー】荒木飛呂彦の漫画術【無料版】

■きっかけ

東京に引っ越して一人暮らしを始めてから2年くらい(?)、生活とか仕事とか毎日が辛くて仕方なかった時がありました‥‥当時の癒しの1つがジョジョで、文庫を何度も読み直した思い出があります。(多分、一番読み直した漫画かも)

その作者である荒木飛呂彦先生、一番尊敬している漫画家さんで原画展とかよく行っていたのですが、漫画のハウツー本を出した(!?)という事で気になっていた本です。


■どんな人が読むべき?

漫画を描く為のハウツー本なので、漫画家志望の方が読むと参考になる内容が多いです。イラストレーターさんはあまり参考にならないかも。

でもこれ何より荒木先生作品を好きな方が読むべき本な気がしました(w)ノウハウを荒木先生の過去作品を用いて解説して下さるので、ここ描いていた時にこんな風に考えていたのかとか、こんな裏設定・手法が使われているのかとか分かってたまらんのですよねぇ~‥(また読み返したくなりました)


■役立ちポイントは?

内容の前半は割と一般的なノウハウが書かれています。(5W1Hとか)ただ持込みや連載を始める前の経験談や失敗、漫画に仕掛けた策などが作品解説と共に書かれていて、その点が参考になります。

荒木先生って独創的で天才肌のイメージありましたが、当時の経験談や失敗の話を読むと印象が逆転しました。むしろ普通の人で、ただ小さな事にもこだわって、考え抜いて、漫画がより面白くなる努力をされ続けて、今の形になったんですねぇ

中盤からは「美の黄金比」や「プラスとマイナスの法則」など、独自のノウハウが書かれており勉強になります。自分の漫画に取り入れるのは簡単じゃなさそうな印象でしたので、ショート漫画などで意識的にやってみて練習すると良いかもしれません。

それ以外にもストーリー作り、キャラクターメイキング、デッサンのポイントなどについて書かれています。漫画に必要な要素が多岐にわたる為、各々について書かれているのかもしれませんが、何か1つについて重点的に学びたい場合は、それに特化した専門書の方が効果的かもしれません。(そこは別に知りたくないという部分が増えるという意味で)ただ浅く広くという感じでもないですし、荒木先生流の視点で書かれているので、そんな人でも無駄にはならないと思います。

あと最後に実践例が2つ載っているのですが、その1つに「富豪村」という短編が用いられています。これは実際に作品を読まないと分かりづらいので、コミックスを買った方が良いと思います。(回し者ではない)


■5段階評価:★★★★★

星5にしたら信者ですねと突っ込まれそうですが、この本700ページ以上なのに800円位と超お手頃の値段で買えます。内容も素晴らしく、ホント良いのかな?という感じですが、その理由はあとがきに書かれているので、ぜひ購入して読んでみて下さい。

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