はじめまして!旅するタルト役人しらとりーぬです。
はじめまして。旅するタルト役人しらとりーぬです。
初対面の方に「どうも。農園でこんなタルト作ってます」と自己紹介すると「ん?え、すっごい美味しそう。どこで食べられるんですか!!!」と、タルトしか話題にならないので、そもそも何やってる人なのか、経緯を含めてインタビュー形式でまとめてみました(記事:しらとりーぬ 写真:小川サウナ、manami)
そもそも「旅するタルト役人」って何者?
〇そもそも「旅するタルト役人」って何なんですか?
農業系の公務員である私(しらとりーぬ)が、農園でタルトを作ってみんなでワイワイ食べようという企画です。2022年3月からスタートしてます。いちご・なしといったフルーツだけじゃなくお米・小麦とかアスパラ・トマトなどなどその農家さんの農産物に合わせて構成を考えて、これでもかってぐらい具材盛り盛りのタルトを農園で作っています。
みんなできゃっきゃしながら農園の脇でビルケ(注:ビールケース)に座って食べられたら最高に楽しいよねっ!てノリで活動してます。活動は基本栃木県内です。
本業よりも10倍喜ばれて!?タルトを焼くことに。
〇どうしてタルトを焼き始めたんですか?
もともとお菓子作りが趣味だったんですが、栃木県に赴任してからとある農家さんからいただいたラ・フランスをタルトにして持っていったら本業の10倍ぐらい、いや100倍ぐらい喜ばれまして・・・「私ってこっちかも」って(笑)。
思えば栃木県ってほとんど1年中何かしらフルーツが採れるんですよね。これは今始めるしかないっ!ってタルト作りがスタートしました。
で、いざ作り始めると生地の厚さとか、崩れない盛り付け方法とか、アンビバージュ(注:土台とクリームの間に塗るジャムみたいなもの)の組み合わせとか、結構工夫の余地というかゲームでいうやり込み要素みたいなものが大きくて、すごく楽しくなっちゃって。その結果、タルト作りの腕だけがメキメキ上達しちゃってます。
タルトってどうしてもフルーツ盛り盛りにすると崩れやすくて運ぶの大変だし、フルーツ受け取ってから家に戻って盛り付けて・・・とタイムラグも出ちゃうので、「いっそ農園で作ってしまえ!」と思いついて、実際やってみたらすげー楽しかったので、そーいうプロジェクトだってことにしてしまおうということで今に至っております。
◯インスタ見たんですけど本当に美味しそうですね。
お菓子って、何度も同じもの作るのが上達の近道で。材料の量の調整もそうですが、器具の使い方とか混ぜ方とかレシピ外のものでも重要要素なので、毎回作って食べて改善して食べて・・・を繰り返してます。食べるのも好きなので楽しくやってます。練習しすぎてちょっと太ったけど(苦笑)。
あと、農園で盛り付けるってことで、事前に基本的な材料は半加工して運ぶので、通常お菓子作りで想定されていない要素があったりして結構試行錯誤してます。特にクリームの硬さ!!!
最近は、ホールのタルトじゃなくて、1人分ずつのタルトレットが私のイベント向きなことを発見して、それも円形から楕円形にしたりとか、日々進化してます。あれっ、本業よりもラーニングカーブの角度が高いかもしれない。。。
タルトもだけど、役人をもっともっと頑張りたい。
◯てか、もともと国家公務員なんですよね?
そうです。もともと農林水産省で働いていて、いま出向で栃木県庁の農政部に所属しています。担当は農産物のブランディングや輸出促進や農業金融や団体検査・指導などなどなどです。「いちご王国・栃木」のプロモーションもやってて、いちごを通じて栃木県の魅力を発信することも仕事なので、タルト作りがその一助になればという気持ちもあります。
もともと大学の専攻は経済学で、大学院でも経済学を専攻していたので、自分は今流行りのデータ・サイエンスとかナッジとかEBPMを専門に仕事していくんだろうなとおぼろげながら思っていたんですが、タルトの方がみんな応援してくれるんですよ(!?)。あのメインフレームのPCで一生懸命膨大な計算式を回した日々はなんだったのか・・・。
◯ということは将来はパティシェを目指してるんですか?
いえいえ、違いますよ!自分としては農業の業界が好きですし、関わる人たちのアツい感じも愛おしいし、この分野で公共政策がやれること・やるべきことはまだまだあると思っていますので引き続き農業政策に携わっていきたいです。まだ本業では何も成し遂げてませんし・・・。
ただ、役人であっても、生産現場に足を運んで農家さんといろいろ話をして現場感覚に少しでも触れることはすごく大事と思っていて。栃木県に来たこともあって、農家さんに会う機会はすごく増えたんですが、これまでは(勉強してほしいという御好意もおそらくあって)お客さんとしてお話を聞かせてもらってた農家さんも、タルト作りのイベントを一緒に企画・運営しようとなるとちょっと目線が変わったような気がしています。すごく喜んでくれますし、何より「軽やかに」現場に行ける感覚がすごく心地よく思っています。こういう経験も踏まえて、タルトだけじゃなくて、いい政策を作っていきたいですね。
役人はアンビバージュだっ!
◯今後の計画は何かありますか?
大変ありがたいことに協力してくださる農家さんはちらほらいらして、5月までは月1・2回ほどイベントができそうです。タルトイベントがてら、いい感じで旅もできそうです。その後も随時イベント先を募集しております。梅雨も夏もタルトイベントで乗り切るぞっ!
タルト作ってて、参考にしてるレシピの本で「土台とフルーツを接着するのがアンビバージュ」みたいな説明がありまして、結構じんと来ています。
タルトの土台ってかなりバターとアーモンドプードル使うので油分が多くて、フルーツは基本水分みたいなもんですから本当は合わないはずなんですよ。それをクリームでつなげて、アンビバージュでフルーツを際立たせる!!!(笑)。ベリー系だったらフランボワーズとかレモンピールとかを使って、土台に爽やかさを加えつつ、フルーツの味わいもより鮮やかにするのが大事なんですね。てかタルトの本質ってここにあるんだなって妙に納得しまして。
思えば役人も、特に現代の農業については、農業と一緒になったら面白そうなものをつなげて、農業を際立たせるっ!のが役割なんじゃないかなと思ったりして。ということで、自分も農業界のアンビバージュになるべく、本業も頑張っていきたいと思います。ちなみに、毎回アンビバージュのセレクションには食材の組み合わせの本を買って事前に研究したりして、真面目にコツコツ取り組んでおります。
いろいろしゃべりましたけど、「旅するタルト役人」という企画を通じて、面白い形で生産現場の情報発信ができればと思いますし、このイベントをきっかけに農業とそのほかの産業の新たな掛け合わせができたら素敵だなと思っています。何か一緒にやりたいと言う方がいれば気軽にメッセージいただければ幸いです。
問合せ先:
旅するタルト役人しらとりーぬ:
info@tarte892.jp
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