歯科医院勤務 新人いじめ2
dr.悪杉のイジワルはどんなものであったかというと。実に地味でしょーもないものであった。
治療はもちろんだが、口腔内の清掃だけでも最後はdr.が必ず確認をする。この時間が本当に苦痛だった。
dr.悪杉は、必ず嫌味を吐いていく奴だったからだ。
治療中に嫌味。確認のあとの去り際にも嫌味。嫌味言わないとやってられないのかな?って言うぐらい嫌味を吐いてく。
地味ではあるが、これがまたメンタルを抉っていくのだ。(もうあまり覚えてないのが救い)
だが、子どもの口腔内清掃をした時の嫌味は今でも思い出す。
その子は、とっても良い子で、歯医者さんが大好き!と言っていた。怖がる事もなく清掃中も「気持ちいー!」とニコニコしてくれた。
その子を悪杉が確認し「これ…まだ汚れが残ってんじゃん。何してたの?」そう言うと、何故か自分で再度清掃をやりはじめ、こう言った。
「本当ヘッタクソだねー!このお姉さん。
嫌だよねー?こんなヘッタクソなお姉さんに歯磨かれるの。どう思う?
もっと上手な人にやってもらいたいよねー!そう思うよねー?」
そう…その嫌味を言うために、普段はしない清掃をわざわざしたのだった。(子どもは少し困ってた様に見えた。)
一度、治療中に強く器具を受け渡してしまった時は、別室に呼び出され…
「あれ何?どういうつもり?お前俺になんか不満でもあるわけ?
あれは、いくら俺でもイラっときちゃったよね。怒りで手震えたわ。
あんなこと普通する?俺医者だよ?お前何様なの?」
どんどん抉られていくメンタル。その場ではあまりの剣幕に泣き出してしまった。(その場はイジ子が仲裁して何とか終わった。)
またある時は診療直後、近くにある手洗い場で悪杉が手を洗っていた時だった。振り切った水が、なんと(寝ていた状態の)患者さんの顔に跳ねてしまった。
それに気づいた悪杉は平然とした顔で、座ってカルテを確認してただけの私にこう言いはなってきたのだ。
「今のお前(がやったん)だろ?」
心の中の私は、もう常に白目になってたと思う。