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【旅行記】221122 福島・三陸旅行1日目①

前回:準備編


出発

前日の夜遅くまで横浜付近で用事があったので、山下町のあたりに泊まってしまうことにした。全国旅行支援のおかげで実質無料だ。就寝したのは0時半くらいだった。長時間の運転が控えているのでもっと早く寝たかったのだが、外したくない用事だったので仕方がない。
3時半に起きた。
3時間はみっちり(?)寝たかったのだが、ベッドが硬かったせいか、2時くらいまでほとんど眠れなかった。普段は家の床で何も敷かずに眠れてしまうのだが、ベッドで寝るときは柔らかい物でないとどうも寝つきが悪いらしい。

前日に横浜市山下駐車場に車を停めておいた。地下3階の機械式駐車場に停めれば、1日(24時間)1000円で停めることができる。めちゃくちゃ安いというわけではないが、大都市横浜にありながらこのお値段はとても良心的でありがたい。
4時に駐車場を出発。

出発時のナビの画面。GPSの測位がずれている

ナビを見てみると、ここから約8時間かかるらしい。Googleマップが示した所要時間が7時間とかそんなものだったので、割と差がある。そして、道中ちょくちょく休憩を挟むことも考えれば、到着までの時間はもっとかかるだろう。本日2番目に寄る予定の東京電力廃炉資料館であるが、15時半に見学の予約を入れてあるので、それまでには同地に到着していなければならない。そう考えると、時間の余裕はあまりなさそうさった。

なんでも国道6号は渋滞が起こりやすいらしい。利根川にかかる橋が国道6号以外、周辺にあまりないことと、茨城県内の主要都市の近くを通過することが主な原因だ。渋滞でイライラする性格ではないが、時間に余裕がないのは嫌いなので、できるだけ渋滞には引っかかりたくないな、と思いながら進路を北にとる。


国道6号へ進入

横浜からのルートは単純で、国道15号を北進し、15号の終点である日本橋(日本橋は、国道1号など7つの国道の起点・終点となっている)でそのまま国道6号に接続、あとは福島県に入るまで6号に沿って進んでいくだけだ。もちろん1本の国道といえども文字通りの一本道ではなく、途中交差点で曲がったりすることもある(ところで、私はこの旅行を企画する前、1つの国道は一本道だというイメージがあった。が、自宅付近の国道をいくつか思い浮かべてみても、右左折する場所はあるので、固定観念というやつだろう)。道間違いは嫌なので、事前に右左折する場所は覚えておいた。仮にナビの案内経路が国道6号から逸れても、これなら6号を確実に走破することができる。

普段、日中に国道15号を運転するときは大抵混雑している。渋滞とまではいかないまでも、交通量が多く信号に引っかかりやすい。そのため、運転するのはあまり好きではない。
今回は朝4時台に通過するので閑散としているかと思いきや、そんなことはなかった。確かに日中に比べれば交通量は少ないが、さすが東京と横浜を結ぶ大動脈、トラックが多く走っている(国道15号の別名は「第一京浜」だ。なるほど)。左右の車に注意を払わなければいけないので、運転する感覚としては、日中と案外変わらなかった。これは意外。

多摩川を越えて東京都に入る。品川あたりまで来ると、車の数もだいぶ減っていた。道中いくつかある交差点で右折すると、羽田空港や大井埠頭、天王洲アイルといった方向に行くことができるので、トラックはそっちに行くのだろう。
トラックがいなくなると、つい飛ばしがちな運転になってしまう。前後左右に車があまりいなかったから良かったものの、この時、多分車線をはみ出しながらの乱暴な運転になっていたはずだ。私が運転する時には、一度運転するたびに一個は反省点があるのがあるあるだが、これは大いに反省しなければならない。

国道15号は品川、新橋、銀座と経由して、日本橋で国道6号と接続している。品川まで来てしまえば、国道6号はもうすぐだ。
ところで、銀座にはかの有名な銀座四丁目交差点がある。セイコーの時計塔があることで有名な交差点だ。私の大好きな映画「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」(2021)にも登場する(同映画は通算9回は観たほど大好きだ)。一度車で通ってその建物を見たことはあるが、折角なら今回も見てみたいと思っていた。国道15号を真っ直ぐ行けば、銀座四丁目交差点を通過するから、もうすぐライトアップされた時計塔が目の前に現れるはずだ。

……そう思っていたのだが、なんと新橋駅前の交差点で行くべき車線とは違う車線に入ってしまった。Googleマップのストリートビューを見てみると確かに青看板が掲げられているが、直進することに頭を取られすぎて車線にまで意識が回っていなかった。ナビも車線案内をしてくれなかったし。気付いたときには地下道に強制移動させられていたので、適当な交差点で地下道から抜け出す。銀座四丁目の交差点は見逃してしまった。またいつでも行けるし、まあいいか。

本来は、左側3車線にいなければならないが、右から2車線目を走ってしまっていた

それにしても、都心の道路には交差点を回避するための地下道があったりして、運転するたびに道を間違えている気がする。(地下道に入る時など)ナビの案内で「斜め右方向です」とか言われても、斜め右に行くためにはどの車線に入っていればいいかなど、結局は目の前の道路を見て、しかも即座に判断しないといけないことも多く、なかなか慣れない。都心を走る小型車がタクシーばっかりなのも頷ける。

本来のルートに復帰したのは、日本橋のすぐ手前でだった。交差点を右折して、いざ国道6号に南から進入!


国道6号を走る

この時点で5時くらい。割といいペースでここまで来ている。後は、ナビの案内にしたがって目的地を目指すのみだ。ただ、ナビに頼らなくても、曲がる交差点の名前まで頭に入っているから、もう道迷いの心配はないも同然だ。

日本橋を北向きに通過した後は、室町三丁目交差点を右折。その後しばらく道なりで、浅草橋や蔵前といった地点を通過する。東武の浅草駅の東側を通過した後、言問橋西交差点を右折。そして言問橋を渡り切った後は、言問橋東交差点を左折。左折した後は、実に170km以上、道なりに進めばよい。結構覚えやすい。
言問橋東交差点での信号待ちの間に、正面に大きく東京スカイツリーが現れた。背後には三日月みたいな月も出ている。やはりスカイツリーは近くで見るととても巨大だ。

歩行者用信号の柱のすぐ右に細い月
171km先右折って言われてもな……


6時前に千葉県に入った。そろそろ運転し始めてから2時間経つので、近くのコンビニで休憩。まだ起床してからお饅頭1個しか口に入れていないので、朝ごはんを買って車内で食べることにする。
コンビニ飯であれば、一番安くお腹いっぱいになれるのが6本入りのスティックパンだ。6本もあれば十分な量だが、これが100円(とちょっと)で買えるのだからありがたい。チョコチップの入ったものを買って行く。
後は、運転中の眠気覚ましにコーヒーは欠かせない。私は微糖の缶コーヒーが大好きだ。ペットボトルのコーヒーとはおいしさが違う、と個人的に思っている。もっとも、しょっちゅうコーヒーを飲んでいるせいで、本当に眠気覚ましになるのかはよく分からなくなってきた。まあ眠気覚ましになるのかはともかく、運転といえば缶コーヒー、みたいなところはある。

20分ほど休憩してから出発。千葉県内では、柏や我孫子といった大きな駅の近くでそこそこ渋滞していた記憶がある。まだ朝の6時台だというのに、通勤に車を使う人が多いのだろうか。ご苦労様です、とぼやく。

ところで、私が運転しているのは両親の車だが、これは今年買い替えたばかりの新車だ。私も運転したことは片手で数えられるくらいしかない。そんなこともあって、色々計器類をいじってみたい欲に駆られていた。
信号待ちの時に、試しにフォグランプをつけたり消したりしてみた。が、前に車が止まっている時にそんなことをしたから、まるで前の車を煽っているみたいになってしまった。前で信号待ちをしていたのは白い軽自動車だったが、信号が青になると同時に凄まじいスタートダッシュで飛んでいってしまった。後で気づいて、なんだか申し訳ない気分になった。もう二度としません。

道は混んでいても、千葉県内の国道6号は大して長くないから、7時前には茨城県のすぐ手前まで来ていた。時間的に、ちょうど日の出の頃合いだ。空も明るくなっている。


利根川を超えて茨城県へ

国道6号は、大利根橋で利根川を超えて茨城県に入る。この近くに、他に利根川を超える橋がないため、この辺りは大概混雑しているらしい。私が通過したのは7時前だったが、かなり渋滞していた。
なかなか前に進めないので、周りの景色を眺めていたら、あることに気がついた。なんと、利根川に濃い霧がかかっている。
利根川の水面は全く見えない。対岸の建物も、わずかに輪郭が見えるのみだ。これはいよいよ、さっき不用意にいじってしまったフォグランプの出番かもしれない。

大利根橋より。対岸がぼんやり見える

そう思っていたら、道路にも霧が立ちこめてきた。まだ先行車は見えるからいいものの、少し遠くの見通しはかなり悪くなってしまった。特に、道路外の物の視認性がとても悪い。冗談抜きでフォグランプをつけた方が良さそうだったので、スイッチを回して点灯する。
ところで、対向車に目を向けてみると、フォグランプをつけている車もいるが、つけていない車もいる。中には半ライトすらつけていない車もいる(スモールライトのことを半ライトと呼んでいたのだが、これ、一般的な呼称なのだろうか?)。もちろん、フォグランプを装備していない車も多いだろうから、必ずしもフォグランプが灯っている必要はないだろうが、半ライトすらついていないと、こちらが対向車に気づくのがかなり遅れてしまう。きっと対向車側からすれば、自分の視界がそれなりに確保されているから、ライトを一切つけていないのだろう。しかしライトは、自分が前を見やすくするためにつけるものでもあるが、他の人が車の存在に気づきやすくするためにつけるものでもある(これは自転車も同じ)。そういう気配りというかなんというか、ができるのって大事だな、と思った。

交通量はなかなか多いが、それなりのペースで北上を続ける。しかし、しばらく経っても一向に霧が晴れる気配がない。むしろどんどん濃くなっているような気さえする。もう西洋風の怪物かなんかが出てきても驚かない。
途中、土浦のあたりで堀割りのバイパスに入る。片側2車線だが、右側の車線がやけに空いている。右車線を走り抜けたくなるが、こういう場合、大概空いている車線の方を行くとそのまま右左折させられたり、行きたい方向に行けないことが多い。適当なタイミングで左車線に入れてもらう。
予感は的中し、気づいたら右車線は右折専用車線になっていた。

霧が出ている時に運転したのは1、2回しかない。不慣れなことはあまりするものでもないし、1回目の休憩から2時間くらい経っていたので、8時ごろ、かすみがうら市のコンビニで2回目の休憩をとった。

休憩中に撮った国道6号。奥に橋がかかっている


少し体を動かして、再び出発。気づいたら、霧は晴れてきていた。しかし霧が晴れるのと引き換えに、車の流れが露骨に悪くなってきた。どうやら石岡市に近づいているらしい。この旅行ではほぼ900kmを一人で走行したが、石岡市の手前が一番渋滞していた。
休憩を挟んでいるとはいえ、4時間も運転すると流石に疲れが見えてくるのと、片側1車線の単調な道が続いたのもあり、石岡市はまだか、石岡市はまだか、と呪詛のように呟く。石岡市という単語を一生分言った気がする。


長い「茨城区間」

石岡市の市街地を抜けると、交通量は多いが車の流れは概ね快調になった。家の周りを走っているのと、感触としてはあまり変わらない。しかしここで、猛烈な眠気が私を襲ってきた。運転中あくびが出るくらいならしょっちゅうだが(良くないことだけれど)、自分でも分かるくらい、カーブでのハンドル操作が遅れるようになってきた。コンマ数秒くらいだろうから、多分車線をはみ出したりすることはなかったものの、早急にどこかで休まないと、これ以上の運転は危険だ、と思った。水戸市に入ったあたりでコンビニを見つけたので、ここで3回目の休憩。10分の仮眠を取ることにした。10分目を瞑っているだけでも、その後の頭の冴え方が違うだろう。
コンビニの駐車場であまりよろしくない行動ではあると自覚しているが、他に駐車できるスペースが思いつかなかったのと、コンビニの駐車場が大きくて空いていたのでとった行動だ。

スマホのタイマーで目を覚ます。眠れはしなかったが、少し目が覚めた感じはする。運転可能と判断し、先を急ぐ。水戸市といっても、茨城県の半分行ったかどうか、というところだ。よく青春18きっぷを使った旅で「静岡区間は地獄」みたいな言われ方をするが、こちらも負けず劣らずだろう。

ここから先は、ひたちなか市、東海村、日立市といった聞き覚えのある自治体を通過していく。とはいえ、沿道に見どころのようなものがあるわけではないので、比較的単調なドライブだった。
日立市は南北に長い。そのため、見える景色が場所によってガラッと変わるのが印象的だ。中心部は典型的な地方都市の景色だが、北に向かうにつれて丘のような地形になる。
さらに北上すると、北茨城市に入る。この辺りから、海が見えるようになる。運転中なのでちらっと横目で見るくらいしかできないけれど、ここまで来たか、と感じさせるには十分な景色だった。車のナンバーも、水戸ナンバーといわきナンバーが混じって走るようになってきた。
福島県は、もう目と鼻の先だ。


いざ福島

トンネルを抜けると、そこは福島県だった。上越国境とは違い、先が丸見えの短いトンネルなので、福島県に入った瞬間はなんともあっさりだった。ナビによっては「福島県に入りました」とアナウンスして、特産品の画像なんかを表示してくれるところだが(私は、千葉県の画像が落花生なのが、なんか好きだ)、家の車のナビはそんな気の利いたことはしてくれなかった。

ほどなくして、四沢交差点を右折する。実に171kmぶりの右折だ。運転は大好きだが、一人での運転は単調といえば単調なので、たかだか右折がもう一大イベントだ。右折待ちの時間すら心地良い、かもしれない。
右折した先は高規格なバイパスだった。東日本大震災の津波でゼロから作り直したりしたのだろうか。それにしても、かなり飛ばす車が多い。一般道なので法定速度は60kmのはずだが、80kmくらい出して走ってもなお追い抜かれる。ただそれだけ走りやすい道路なのも事実だ。

しばらく快調に走って、飯田交差点で右折。ここで国道6号とはいったんお別れだ。急に狭い道路に入る。側方感覚とかに気を遣わないといけないのも久しぶりだ。
アップダウンとカーブが続く県道を走って、海沿いに出る。思わず声を漏らしてしまう。なんてったって、道路が明らかに新しい。そして視線を遮るものが非常に少ない。
なぜかはお察しの通りだ。
ほどなくして、本日第一の目的地、塩屋崎灯台に到着した。


続き:1日目②(未投稿)




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