漫画が上手くなるほど、つまらなくなっていく
・私がもらった大きな賞で、同時に受賞していた作家さんの読み切りが非常におもしろかった。
普通にファンになり追っていたら、あれよあれよと連載が決まり、はぇ~~でもおもしろいもんな~~と思っていた。
この人に着目したのは漫画以外の要素もあり、あまり細かく書けないが「いろんなことを経験してきたんだろうな」と察する情報があり、それで興味をもったのもあるのだが
その事を先日、ご本人のSNSで語っており、それを読んで、あまりにかっこよくて、比べて自分はなんてつまらなく、才能もなく、努力も劣り…と、考えてもしょうがない事で落ち込んでいる。
漫画は才能もあるが、努力による技術の底上げで十分技術として戦える。そこが漫画の好きなところのひとつだ。と思う。それでも時々どうしても人の「才能」と比べて落ち込むのは、物を作る人生を選んだ時点で仕方のない事なのかもしれない。
漫画が上手い人が、うらやましい。運がいいひともうらやましい。自分はどうなんだ、顧みた方がいいんじゃないか、ということを身に染みてわかっていても、何度もこの負のルームに陥ってしまう。
・連載企画の合間に書いた読み切り漫画の結果が出た。
本当はまた新たに連載企画をたてたかったけど、連載経験がないので一度ウチの賞に出して欲しい、と提案され、オッケーやで!と描いた。
正直なところ「まぁ何かしらの賞はとれるやろ」と思って、自分の中の課題としていつも言われがちな「エピソード詰め込みすぎ」とか「モノローグが多い」とかを意識して改善し、こういう所で大きくコマをとり、フキダシの位置やアップと引きのバランスも考え、かつページ数が長くなりすぎなのでなるべく短くまとめる意識をして読みやすく…と構成して、漫画としては最初の頃に比べて読みやすいものになってきてると思う。
賞の結果も「及第点だろう」という結果が出て、今後に繋がったのでとりあえずの及第点。なんだと思う。なんだと思うけど…
本当は、もっとおっきい賞が欲しかった。正直とれると思ってた。
そして自分の漫画が技術のことばっか考え出してから明らかに「熱量」が下がってる事に気付いた。
描き始めたころは、言いたい事も描きたいことも沢山あって、出張編集部に行ってボロクソに言われてもそこだけは譲れねー!!と反発したりしながらぎゅうぎゅうに詰め込んだ読み辛い漫画を一生懸命描いた。それに比べて今はどうだろう。小手先ばっかりの、つまんねー漫画なんじゃないか。
だからおっきい賞がとれなかったんじゃないか…と落ち込んできた。傲慢な思想だぜ我ながら…
漫画が上手くなってきてるはずだけど、つまらなくなっていってる気がする。多分、わかりやすく「迷走」しているんだ~!!ウワーッ!!!!ヤダーッ!!
なんか「どんどん描こう!」「時間かけすぎても仕方ない!」という通説を「そっか~」と思い、どんどん描いてきたけどもしかして自分には向いてないのか!?とか考えだすとドキドキしてきた。
これって「新しい力を得ようとして一時的に弱くなる」の現象!?そうであってほしい!!!!!!!!!!!頼む!!!!!!!!!!!!
賞をとったとき「ここからスタートなんだ」と思ったけど、今は連載とってからがスタートに感じる。早くスタートに立ちたい気持ちが私を狂わせている気もするが、狂いながらも、やっぱりスタートにたちたい。
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