BIによるDXが失敗するワケ~統計学が最強の学問である~
BIツールでビジネスが加速するはウソ?!
まずBIツールとは何かをchatGPT君に解説してもらおう。
BIツールとは、ビジネスに関するデータを簡単に集めて、
分析するためのツールです。
例えば、お店で売れた商品の種類や売上金額などのデータを集め、
それをグラフや表などで
見やすくまとめてくれるツールがBIツールです。
これによって、お店の売上の状況や、
どの商品が人気があるかなどの情報を一目で把握することができ、
経営戦略を立てる上で役立ちます。
また、BIツールは、専門的な知識がなくても
使えるようになっているので、
ビジネス初心者でも簡単に使うことができます。
「BIツールがあれば経営戦略を立てるのに役立つ」これはウソではない。
でもそれは読み手に、そのダッシュボード(表やグラフ)を
誤解せずに読み取れる能力が備わっている場合に限る。
BIツールはとかくビジュアルがよい。
Tableauも、MicrosoftのpowerBIも、GoogleのLooker Studioも
とかく見た目がよく華やかでワクワクする。
これで意思決定が速くでき、新たなビジネスインサイトを手に入れられるような気になるが、グラフの意味を読み違えれば意味がないし
そもそも作り手が中学生レベルの統計学を理解していないと
意味のあるダッシュボード(表やグラフ)を作ることはできない。
では、読者の諸君に、ここで中学生レベルの問題を出そう。
とある音楽アーティストが全国ツアーを行った時の
各地域ごとの動員数を表したグラフだ
これを元に東京でのライブが圧倒的に人気だったとそのアーティストは発表したのだが、
その主張は違うのではないか?と、あるファンが指摘した
それは何故だろうか?
全国ツアーの動員数
(最大動員数:500人、最小動員数:300人)
500 | ■
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| ■ ■
400 | ■ ■
| ■ ■
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| ■ ■
| ■ ■
300 | ■ ■ ■ ■ ■
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東京 大阪 名古屋 北海道 九州 沖縄
ここで考える間もなく、すぐに答えに行き着く人もいるだろう。
しかし、現実的にビジネスのシーンで
このことに素早く答えに行き着く人は、ほとんどいないというのが
吾輩の感じるところである。
ほとんどの人は、中学生どころか小学生の算数が怪しい人が多い
ちなみに吾輩も怪しい。小学生と算数で勝負したら負ける自信しかない。
何故こんな話をしているかというと
そもそも、吾輩が中学生レベルの統計学を分かっておらず
意味のないダッシュボードを半年間大量に作り
まるで事業に貢献できない日々を過ごしていたからだ。
大人のための学びなおし統計学本
もうすっかり大人になっているビジネスマンの皆様の記憶にある
中学生の時に習った統計学は何だろうか。
吾輩の記憶にあるのは「サイコロを使った確率」の計算の仕方の話である。
サイコロの確率の話は理解ができるが
サイコロの確率の話がいったいビジネスの何に役立つのだろう?
吾輩はここがイメージできない。
そこで、某有名外資系ITコンサルに話を聞きに行ったところ
すすめられた本がコチラだった
オライリージャパン・Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎
高い!!その上ちょろっと読んだが意味不明!!!てゆーかこれ機械学習の本じゃん!
オーム社・Rによるやさしい統計学
次に勧められたのがRという言語を使った統計入門書だった
R…知らない…また新たな言語を習得するのがめんどくさく
手すら付けずに終わった。
統計学の時間 統計WEB
その次にすすめられたのが下記のサイト
これはいいサイトであった。わかりやすい。
猫がサンプルとして出てくるのでかわいいにゃ!
でも、だんだんと途中から用語の理解が怪しくなり立派に挫折。
ベレ出版・算数だけで統計学!
これは吾輩の基礎学力の問題ではないのか?と思い至り
算数レベルでできる統計学の本を買った
Excelでできる統計の説明が書いてあって理解できたような気がする。
BIで使う散布図や相関関係がここでやっと理解できたように思う。
さて、小学生レベルまで身についたのだから
BIツールをうまく使いこなせるだろう!と思ったけどそうもいかない
良いダッシュボード(表やグラフ)が作れたとしても
それを日常的に使う読み手の人が理解できないものならば意味がない
どこが使いづらいのかをヒアリングすると
だいたいビジュアルについての指摘であって
統計についての指摘ではなかった。
作りても読み手も統計学があやふやだとせっかく集計した数字は
経営戦略に生かすことができないのである。
例えば売り上げデータを度数分布表にし、項目は以下だったとする
度数、相対度数、累計度数、相対累計度数
さて、これがどんな意味をもつのか明確に解説できる人はどれくらいるか。
至極単純な表だけれど、その意味と必要性も言語化できず
ただなんとなく「いい感じの表」として捉えている人の多いことよ!
ではここでchatGPTくんに統計学を学ぶ意味を聞いてみよう。
統計学は、たくさんのデータからパターンを見つけたり、
結果を予測するための方法を学ぶ学問です。
売り上げを分析することで、どの商品がどのくらいの量売れたかや、
どの店舗がどのくらい売り上げたかなどを把握することができます。
また、売り上げが伸びている要因や、
売り上げが低下している原因なども分析することができます。
これによって、今後の売り上げを伸ばすための方策を考えたり、
失敗しないようにするための改善策を導き出すことができます。
統計学を学ぶことで、より正確な分析が可能となり、
より良いビジネスの判断ができるようになります。
そう、統計学を学ぶとより正確な分析が可能となり
より良いビジネスの判断ができるようになるのである。
数字に強そうなカタカナの人に惑わされてはいけない
ITコンサルさんと話していてよく思うのだが
まず営業マンはそこまで技術に明るくない
それは仕方がないと思う。営業マンは営業するのが仕事で技術者ではない。
世にあふれるカタカナの職業の人もだいたい統計を分かっていない。
Webマーケターだのコンテンツマーケターだの
マーケと名の付く肩書を持つ人は沢山いるけど
話を聞いてるとほぼ「勘」でやってる。それは統計ではない。
営業部長してます!って人も数字に強いのかと思いきや
言ってることは、根拠のない「勘」だったりする。
データソリューション部です!って言ってる人も
数字に明るいわけでもなく特別な技術を使ってるわけでもなく
結局Excelの手作業で膨大な時間をかけて集計しては
それっぽい根拠で説明してくるだけである。
それはコンサルを頼んだ意味があるんだろうか。。
吾輩の「勘」と何が違うのだろうか。
人間の勘は意味があるのか、ないのか
吾輩としては人間の「勘」は意味があると思う。
統計学をやるには大量の情報を集めてきて分析する必要があるが
数字に置き換えられない定性的な情報は
人間の感で解釈を加えていくしかない。
しかし「勘」だけで物事を分析するとそこにはバイアスがかかり
実態とはかけ離れた分析結果になってしまう。
BIツールの導入より先にすることはExcelと統計学講座
株式会社スバルさんの講演を聞いたときに妙に納得したことがある。
スバルさんはデータ分析の部署を社長直下に置き
BIツールのTableauを導入し前者導入を目指したが
現場から出た声は「そんなことよりExcel講座を開いてくれ」だったそうな。
それはそうだと思う。Excelを使いこなせない人はBIツールは使えない。
かの有名な、ワークマンもステップ踏んで、まずはExcelから始めるデータリテラシー教育を行っている。
Excelの中には統計に関する機能も入ってるので
学びはじめるにはぴったりの教材だ。
このAIが発達した時代においても
統計学の学習は必須だと思う。
数字の罠を見抜くには統計学の基礎(中学生レベル)がないと簡単に現状を見誤って間違った意思決定をしてしまう。
吾輩は、改めて思う
統計学が最強の学問である、と
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