#83 堀川小学校を参観しての学び②<くらしの時間>
先日、富山市立堀川小学校を参観させていただきました。そこでの学びを共有したいと思います。
くらしの活動
堀川小学校は「自己をひらく」をキーワードに研究を進められていました。子どもが主体的にくらしをつくるために、自己の生き方を深め、くらしを充実させていくことが目標となります。
その目標に向かって設定されている活動の1つが「くらしの時間」です。「対象を豊かに感ずる心の背景を聞き合う子ども」を育むべく、設定されています。
教師の指導の観点としては、
・1日、1日の「くらし」は、ある偶然に出合う対象を契機として、その出合いを精一杯意味あるものとして自己の内に組み込んでいくことを考え、指導を進める。
・子どもが、意志的にくらしを展開しようとするときの土壌ともなる対象を豊かに感ずる心を耕す時間であり、そうした自分や仲間の感ずる心の背景を互いに聞き合い、共感を深めていく場と考え、指導を進める。
子どもたちの日々の生活を聞き合い、共感したり、自分の生活に返していく時間だと解釈しました。今回、1年生と5年生の授業を参観しました。
1年生 ビンゴで景品を当てた女の子
1年生の女の子は、ビンゴで景品を当てたお話をしました。熱く語る女の子。聞いている子も熱が伝わり、どんどん質問をしていく。
景品は何だったの?
箱の中には何があったの?
他にも入ってなかったの?
どこで景品があったの?
などなど、どんどん質問をする。
先生は見守りながら板書をしたり、「それで、それで?」「何が嬉しかったの?」と、その子の感情を表出させるように声掛けをしていた。
1年生の発達段階だからか、子どもたちは盛り上がり、箱の中身がユーチューバーセットであったことを皮切りに、一気に話がYouTubeの話になっていった。
事後研では、女の子の話が、聞いていた子の生活に返っていたのかという話になった。ビンゴ大会の話では、共感する子どももいたが、YouTubeの話が出た途端にずれてしまっていたのではないかという話になった。
奈良女子大学附属小も「聞き合い」に取り組んでいるが、奈良女はどんどんお尋ねするイメージだが、堀川は、一人の子が熱く語る方がメインになっている気がした。
5年生 普段の授業について話をする男の子
5年生は発達段階もあり、1年生よりも静かに見えた。ある男の子が、最近の授業について話をした。5年生の場合は、他にも話したい子が数人話をしていた。1年生は一人であったが、学年も関係しているのかもしれない。
もう一つ大きく違ったのは、子どもの語りに熱さがなかったこと。1年生の女の子は、ビンゴ大会での感動を熱く語っていた。5年生の男の子は、どちらかというと、日常にある出来事の話をしていた、スライドで発表する授業のスムーズさについて話をしていた。
共感があまり少なく、聞き合いになっていたかは疑問だった。
初見で深いところまではまだまだだが、また見る機会があったら、是非参観していきたい。