◆ 教皇/法王 The Pope / Le Pope 無料のマルセイユタロット
「橋をかける人」というのが教皇の本質です。
皇帝で物質的な地盤(大地の領域)を固めると、次は精神的なこと(天の領域)に意識が向かいはじめます。
教皇は大地から天へ、未知の世界へと手を伸ばしています。わたしたちは、飛翔するための翼に憧れている状態です。
天界は肉体の目には見えません。だからはじめは自分に翼があることを否定します。背中に羽根は生えてないから。
自分に羽根があることを見つけるためには、「もしかしたら自分は飛べるのではないか?」という疑問符から始めるしかありません。この時に大切なことが「信仰」だとわたしは考えています。
過去のデータや経験則、目に見える世界を一旦脇に置いておく。けれどそうすることは、騙されやすくなる側面があり、だからこそスピリチュアルや宗教の世界は(どの分野もですが)玉石混合です。
嘘や欺瞞・詐欺・搾取などが渦巻く世界であり、悪用もされます。そんなものは信じるな、データが全て、科学的根拠を示せという人の気持ちもわかります。
神という創造主に、それほどエゴは抵抗しています。けれど、それら悪用のせいで神に背を向けることは、天の世界で父より与えられた喜びや平安といった宝ものを放棄することです。
科学やデータも指標として大切ですが、それが神が与える真の喜びや情熱に置き換わることはありません。
不可視の領域に目覚めようとするのが教皇のアルカナです。信仰心を持つことはわたし達のこころの元型に組み込まれていることを、このアルカナを見るたびに思い出します。
これまでとはまったく別のものの見方や可能性、理想、希望、愛のかたちがあることに目覚めようとしています。
彼が神とつながろうとしていることは、柱のシンボルにも表れています。教皇は水色の2本の柱の間に位置しています。鳥居のように2本の柱が立つところは、神域になります。
また、下には教えを聞いている存在が二人、もしくは複数人いるように見えます。
教皇が左手に持つ3重の十字架により、天から降ろすメッセージを下にいる人へと伝達します。そして、下にいる人たちの祈りを、天へと捧げます。
教皇は歴史の中で大きな権力を獲得してきたため、権威や保守、制度、伝統といったキーワードにも関連します。
さて、橋の上が荷物置き場になっていたらどうでしょうか?もしくは橋を通路だと考えたとき、通路が詰まっていたら?
下からの祈りは届けられないか、時間がかかるか、間違って届く可能性があります。天からのメッセージも同様です。
橋や通路を妨げるものがあるとすれば、それは教皇自身が神の権威を横領した時、その全能感と権力により獲得できる力を自らの欲望を満たすことに使用する時です。教皇は公平な立場であるべきで、高い倫理観が求められます。
行き過ぎると硬直的で変化を拒む組織になったり、権威の裏で好き放題私利私欲を貪るエセ牧師となるでしょう。
【キーワード】
正立
・先生
・結婚
・コミュニケーション
・しっかりした制度
・公的な場所
・教わる
・道徳的である
・道を示す
・アドバイスをもらう
・祝福する
逆位置
・偽善者
・保守的
・背徳的
・機能してない制度
・権威にしがみつく
・形式にこだわりすぎる
・目上の人を大事にしない
・意味のない上下関係
・柔軟性がない
・伝えない
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