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鎌倉高校前駅を着物で歩く

こんばんは。昨日の江ノ島散策レポートの続きです。
今日は第2部。
第1部を読んでない方は、ぜひ追いかけて読んで下さると嬉しいです。

私は名残惜しい気持ちを抱えながら江ノ島を後にして、江ノ島から江ノ電の江ノ島駅へ歩くことにした。

ところが、江の島から江ノ電の江ノ島駅は思った以上に遠い。30分も歩いてないが、30分近くは歩いたように思う。
上り坂になると着物で歩くと平地を歩く時よりも歩幅が短くなり、時間も掛かる。

今日はどれだけ歩くのだろうかと感じながら、たくさんのお店を眺めながら江ノ電へ。

私自身、江ノ電には20年ぶりに乗った。
20年前は確か、腰越海岸を歩いた記憶があるのだが、他には何処へも寄らずで、その時以来。
鎌倉も乗換だけに使ったので、ゆっくり過ごしたことがないのだ。

今回は途中下車をする可能性があるので、江ノ島電鉄のフリー切符を購入。

この切符を買ったことが後で功を奏することになるのだが、その話は置いといて、しばらくすると鎌倉高校前駅に到着。
駅を降りたら直ぐに海なのだ。

駅のシチュエーションがあまりにも素敵すぎて、この高校に入ればどんだけ青春を謳歌出来るのだろうかと考えると、今からでも鎌倉高校に入ってみたい。そんな気持ちになったが、お肌のノリが悪くなったおっさんが言うセリフではないのを承知しながら、踏切に向かう。

そして、駅を降りてすぐの踏切を見つけた。
鎌倉高校前駅と言えば、この踏切である。

アニメSLAM DUNKの象徴的なワンシーン。
このシーンを眺めるためだけに、鎌倉高校前駅に降りたのだ。

海と踏切、そして走る江ノ電。
車の往来も激しいが、この場所は本当にすごいコラボレーションだ。
ここはずっと行きかった場所。
それをようやく実際に眺めることができた喜びがたくさん溢れてきて、本当に胸がいっぱいになった時間となった。

そして折角なので、渋滞している車を尻目に砂浜に出ることにした。

砂浜を眺めると、人は10人もいなかった、秋の海辺。
大きな空の下、遠くに江ノ島が見える。

砂浜にいる人達は、思い思いに海を眺めながら何かを考えたり、一緒に居る人と笑いあったり、子供が走り回ったり。そしてサーファーが乗れる波を探していた。

何気ない日常に砂浜と海が入ると、それだけで景色が色付き、人も自分自身の心を抑えずに自分を表現しようする。
海にはそんな力があるのかなと考えたり、昔の自分の恋愛を思い出したり、色んな事を考えたりしていた。

そんな鎌倉の海辺で、私はどうしてもやってみたいことがあった。
それは、歌を歌うこと。カラオケである。

周りに人がいない事を確認し、江ノ島を眺めながら、イヤホンにそっと音楽を流してみた。

夏をあきらめて、湘南My Love、そして勝手にシンドバッド。

なぜこの選曲なのか。それぞれの曲を選んだ理由があるのだが、その理由はここでは心にしまっておくことにする。

自分としてはそこそこ大きな声で歌ったつもりだが、波の音にかき消されていくので、僕の歌声は誰にも届かない。

でも。僕の胸には響いている。
それだけでいいのだ。
カラオケなのだから。

三つの曲を気持ちよく歌い上げたあと、この海に名残惜しい気持ちをしまい込んで、砂浜を歩きこの場所を後にした。

今度この海を見るのは、いつになるのだろう?
歩いて戻った鎌倉高校前駅から海を眺めながら、そんな事を考えていると、海を江ノ電が塞いだ。 

そして私は、次にやってきた電車に乗り鎌倉を目指すことにした。

つづく。
第三話はこちらです。

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