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散髪屋さんのおばちゃん
1211文字
そうちゃん・はるちゃんが泊りに来た最後の日。
そうちゃんが、「ばあちゃん、前髪が伸びてなんかイヤなんよなぁ」って言うので散髪に行くことにしました😊
散髪屋さんへ着くまでの車の中でそうちゃんが、「そうちゃん、あの散髪屋さんのおばちゃんが好きなんよ」って話してくれました。
冬休みに散髪に行った時におばちゃんから、『この子はほんまに鷹揚そうな子やなぁ、賢いなぁ』って言われたのが嬉しかったのだと思います。
散髪屋さんの前を通り過ぎて少し行ったところに駐車場があって、そこに車を止めて歩くのですが、車でお店の前を通り過ぎる時、お店の中を見たそうちゃんは、「あれ?おばちゃんおらん😢」ってちょっと寂しそうに言いました。
車を降りて歩きながら、なんだか残念そうなそうちゃん。お店に着くとお客さんが1人いらっしゃって、髭剃りをしてもらっていました。
そうちゃんの姿を見て「いらっしゃいませ」と声をかけてくださった店主の奥さんが、お店の奥のドアを開けて何か言ったかと思うと、直ぐにそうちゃんの好きなおばちゃんが、「ぼく、また来てくれたん」ってにこにこしながら出て来てくれました。
おばちゃんの顔を見て、そうちゃんはきっと嬉しかったと思います😊
それから散髪台に乗ったそうちゃんは、おばちゃんといろいろお話しながら、全体に少し短めに切ってもらい、前髪も短くしてもらいました。
お話するそうちゃんが、とてもはきはき受け答えしていたので、私も嬉しくなりました。以前のそうちゃんなら、ちょっと恥ずかしくて声が小さかったと思います。
自分のことを褒めてくれる(認めてくれる)人とお話するのはリラックスできるのでしょう。
こうやって人との関係を結ぶことを経験し自信をつけながら、だんだんと社会性も身に付けていくんだなぁ✨って思いました。
散髪が終わりお支払いをする時に私は、きょうそうちゃんが「おばちゃんおるかなぁ」「そうちゃん、おばちゃんが好きんよ」って言いながら来たことを話しました。
すると、おばちゃんはちょっと目頭を赤くしながら、「ぼく、ありがとう、また来てよ、おばちゃんいつでもおるけんな」って言ってくれて、そうちゃんと握手して手を撫でてくれました。
ちょっと恥ずかしそうなそうちゃんでしたが、でも嬉しかったと思います。
車に戻って、「そうちゃん、よかったなぁ✨」って言うと「うん、おばちゃんがいつでもおるけんまた来てよってゆうてくれた~😆」って喜んでいました。
そうちゃん、世の中は親切で優しい人がいっぱいだね。そうちゃんも友だちにたくさん親切できるといいね✨
こんなことを思いながらも、そうちゃんもいつか壁に突き当たる日が来るでしょう。でももう暫くは、世の中は親切で優しい人がいっぱいやなぁ…✨って思いながら成長していってほしいです。
髪が短くなってスッキリしたそうちゃんの横顔を見ながら、そんなことを思いました😊
最後までお読みいただきありがとうございます。