「HDMI」と「DPケーブル」の違いと選び方
ディスプレイやプロジェクターなどの映像機器を利用する際、現在ではHDMIケーブルとDisplayPortケーブル(DP)の2種類の接続方式が一般的に使われています。
この記事では、それぞれの特徴を解説しながら、一般的な用途で比較していきます。
1.それぞれのスペック
HDMI
HDMIはHigh-Definition Multimedia Interfaceの略称で、主にデジタル機器間でオーディオ/ビデオデータを転送するケーブル規格です。HDMIケーブルの最新バージョンであるHDMI 2.1は48Gbpsの伝送帯域を実現しています。
規格種類は以下のようになっています。
DP(Display Port)
一方、DPはDisplayPortの略で、PCからディスプレイへの映像出力を主な用途としています。DPケーブルの最新規格であるDP 2.0は77.37Gbpsの伝送帯域があり、HDMIを上回る高速な転送性能を持っています。 高解像度の4K/8K映像や広色域、高リフレッシュレート表示などを円滑に扱うには、高い伝送帯域が必要不可欠です。この観点から、現時点ではDPケーブルがHDMIケーブルよりも有利といえます。
以下、規格種類を紹介します。
2.伝送可能な解像度
HDMIケーブルの場合、HDMI 2.1では8K(7680×4320)@60Hzや4K(3840×2160)@120Hzの高解像度映像の伝送が可能です。 DPケーブルはDP 2.0で8K(7680×4320)@60Hzの8K解像度に対応しており、HDMIとほぼ同等の解像度をサポートしています。
8K解像度への対応は両規格で遜色ありませんが、DPケーブルの伝送帯域の高さから、より高フレームレートでの8K伝送が可能になる可能性があります。
3.対応するオーディオフォーマット
HDMIケーブルは映像だけでなく、オーディオデータの伝送にも対応しています。Dolby Atmos、DTS:Xなどの3D空間オーディオや無圧縮のオーディオフォーマットに対応可能なのがHDMIの強みです。
DPケーブルもオーディオ伝送に対応していますが、HDMIほどの高音質フォーマットをサポートしていないため、高品質なサウンド環境を求める場合はHDMIケーブルがオーディオデータ伝送用途で有利といえます。
4.HDCPのバージョン
HDMIとDPはともにコンテンツ保護のための著作権保護技術HDCPをサポートしています。HDMIはHDCP 2.3まで、DPはHDCP 2.2までをサポートしており、HDMIのほうが新しいバージョンの著作権保護技術に対応しています。したがって、より最新のHDCPが必要な映像コンテンツの視聴で有利です。
5.価格の違い
ケーブル単体の価格はHDMIのほうが一般的に安価な傾向にあります。HDMIケーブルは量産体制が整っており、多くの互換製品があるため低価格で入手できます。一方、DPケーブルはまだ需要が限られており、比較的高価格になりがちです。 予算が限られている場合は、HDMIの方が低価格でコストパフォーマンスが良いでしょう。ただし、伝送性能の違いを考慮することが必要です。
6.おすすめ商品
最新HDMI 2.1
HDMI 2.0
DP 1.4
DP 1.2
まとめ
HDMIとDPはそれぞれ一長一短があります。DPケーブルは伝送帯域が広く高解像度映像に適していますが、HDMIケーブルは高音質オーディオや最新のHDCPに対応しており、一般的なホームシアター環境では優れています。
ご自身の用途やコストを勘案して、ニーズに合わせて使い分ける必要がありますが、どちらを選んでも問題はないといえます。
ただし、選ぶ際は規格をきちんと見て購入することが大切なポイントです。
[出典]
HDMIの仕様
(https://www.hdmi.org/spec/hdmi2_1)
DisplayPort 2.0の解像度対応
(https://www.displayport.org/videos/displayport-2-0/)
HDCPのバージョン
(https://en.wikipedia.org/wiki/High-bandwidth_Digital_Content_Protection)
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