レジ前の青春
「恋は待ってちゃダメなんだよ!何か自分からアクションを起こさなくちゃ!」
中学生の女の子が2人。
レジを打つボクの目の前で熱く語っている。
かなりの高確率で、そのアクションが失敗につながる、
店長です。
みなさん、こんばんわ。
こうも失敗が続くと何か大きな間違いを犯しているんじゃないかと思いたくなる。
いったいボクの行動の何がいけなかったのだろう?
ボクがノーマルだと思っていたものが、実はアブノーマルだったりするのかもしれない。
恋愛の正解。
恋愛の正攻法。
そんなものはあるのだろうか?
「失敗を恐れてちゃ何にもできないんだよ!」
ボクの心の内を知っているかのように飛び出す青春ワード。
こうも目の前で熱く語られるとボクとしても何か発言しなくちゃいけないんじゃないかって気になってくる。
ここは基本に立ち返るべきなんじゃないだろうか?
悪漢に絡まれる彼女。偶然にも通りがかったボクは彼女を助けた。
「お嬢さん、お怪我はないですか?」
「ありがとうございました。助かりました」
「よかった。それではボクはこれで」
「待ってください。何かお礼を」
「礼をされるほどのことじゃありませんよ」
「それじゃせめてお名前をお聞かせ願えませんか?」
「なあに。名乗るほどのものではありませんよ」
恋が始まるシュチエーション。
奇跡に近い出来事だ。
そう。
恋の始まりは奇跡。
そして、それは小さなアクションから生まれるのだ。