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グループとコミュニティの違い:「子育て支援」について生成AIを使って考えてみた

人が集まる「場」については、「グループ」や「コミュニティ」という言葉があてられることがあります。私も大学教員としてゼミ生を抱えているのですが、このゼミという学生の集まりをどういう方向で進めていきたいのだろうか、学生と取り組んでいる「保護者のしゃべり場」企画をどう進めていきたいのだろうかと、ふと考えてみました。
しゃべり場という「場」を設定する上で、集まっていただける方々とどのような空間を作っていきたいかと考えた時に、「グループ」と「コミュニティ」は意識して使い分けないといけないのでは?改めて思ったのです。

試しに、今流行りの文明の利器(copilot)に「グループとコミュニティの違いを論じて」と尋ねた結果を私なりにまとめてみました。

コミュニティ: 「共通項を持った集団」を指す
 ■自分の意志とは関係なく集まった (集められた)集団:(例)家族や地域などの血縁や地縁の人々
 ■自分の意志で集まった集団:(例)会社やオンラインサロンなどの社縁や知縁の人々

チーム: コミュニティの中で同じ目標(何かしらのゴールテープ)に向かっている小集団。人軸で見ると「チーム」、コト軸で見ると「プロジェクト」とも呼ばれる。目標は明確に終わりのあるもので、「1万フォロワー獲得」や「〇月○日にイベントを開催する」などが該当する。

グループ: コミュニティの中で同じ目標を持っていないが集まっている小集団。
具体的に「会社」や「学校」をカテゴリーで分けると、以下のようになります:
コミュニティ: 会社、学校
チーム: 課、部活
グループ: 同期、クラス

copilotで「グループとコミュニティの違いを論じて」と入力した出力結果をまとめたもの

図らずも「コミュニティ」「チーム」「グループ」という、「チーム」についての考え方まで教えてくれました。
共通項を持った人の集まり、同じ目標に向かっている人の集まり、とりあえず集まっている状態?うーん、気持ちは分かるんだけど、もう少し具体的に考えを深めたい…。
それでは、質問をもう少し具体的にとして「子育て支援、保護者支援を考えていく上で、グループを意識していくのとコミュニティを意識していくことのメリットデメリットを考えられる限り挙げて」という指示をcopilotとchatGPT-4oに両方に投げかけてみました。

まずはcopilotから。copilotは生成した文章のソース(情報源)までリンクをつけてくれるので、私にとってはありがたい存在です。

子育て支援や保護者支援において、グループとコミュニティを意識することにはそれぞれメリットとデメリットがあります。以下に詳しく説明します。

グループ:
メリット:
明確な目的: グループは特定の目標や活動に向かって集まるため、目的が明確です。例えば、育児のスキルアップを目指す親同士が集まるグループは、具体的なスキルや知識を共有できます。
効率的な情報共有: グループ内での情報共有は迅速で効率的です。同じ目的を持つ人々が集まっているため、問題解決やアイデアの交換がスムーズに行えます。
共感と連帯感: 同じ状況にいる人々とのつながりは、共感や連帯感を生み出します。育児のストレスや喜びを共有できる場として、グループは有用です。
デメリット:
閉鎖的な側面: グループは一部の人々だけが参加できる場合があり、閉鎖的になることがあります。他の人々との交流が制限される可能性があります。
グループダイナミクス: グループ内での人間関係や意見の対立が発生することがあります。時にはコミュニケーションの調整が難しいこともあります。

コミュニティ:
メリット:
包括的なサポート: コミュニティは広範で多様な人々が集まる場であり、さまざまなサポートが得られます。親同士だけでなく、地域の専門家や施設も含まれます。
長期的なつながり: コミュニティは長期的なつながりを築る場所です。子どもが成長する過程で、他の親や子どもとの交流が続きます。
多様性と学びの機会: コミュニティは異なるバックグラウンドや経験を持つ人々が集まるため、多様性があり、新たな知識や視点を得られます。
デメリット:
情報の過剰: コミュニティは情報が豊富である一方、過剰になることもあります。信頼性のある情報を選別する必要があります。
時間とエネルギーの投資: コミュニティへの参加は時間とエネルギーを必要とします。適切なバランスを保つことが重要です。

保護者が安心して子育てできる社会を作るために、グループとコミュニティの両方を活用することが大切です。

copilotで「子育て支援、保護者支援を考えていく上で、グループを意識していくのとコミュニティを意識していくことのメリットデメリットを考えられる限り挙げて」と入力した出力結果

続いてchatGPT-4o。無料版でもかなり文章生成の速度が速くなりました。が、たまーにテキトーな文章を作ったりする(ハルシネーション)可能性があるので、まだまだ気は抜けません。

グループを意識した支援のメリットとデメリット

メリット
密接なサポート: グループ内のメンバーは頻繁に直接的な相互作用を行うため、個別のニーズに応じたきめ細かなサポートが可能です。具体的な悩みや問題に対して迅速に対応できます。
強い連帯感: 小規模なグループではメンバー同士の親密な関係が築かれやすく、強い連帯感が生まれます。これにより、メンバーは安心感を得やすく、困難な状況でも互いに支え合うことができます。
フィードバックと成長: グループ内でのフィードバックや評価を通じて、保護者は自分自身のスキルや知識を向上させることができます。これにより、効果的な子育て方法を学ぶ機会が増えます。
専門的支援の提供: 特定の問題に特化したグループ(例:シングルマザーのグループ、育児の専門家によるワークショップなど)を設けることで、専門的な知識やスキルを提供できます。

デメリット
参加の制約: グループは通常、定期的な参加が求められるため、忙しい保護者やスケジュールが合わない人にとっては参加が難しいことがあります。
限られたリソース: 小規模なグループでは、リソースや情報の共有が限られることがあります。特に、専門的な知識やサポートが必要な場合には、対応が難しくなることがあります。
グループダイナミクス: グループ内の人間関係が複雑になることがあります。例えば、対立や不和が生じると、グループ全体の機能が低下する可能性があります。

コミュニティを意識した支援のメリットとデメリット

メリット
広範なサポートネットワーク: コミュニティは多様な人々が参加するため、広範なサポートネットワークが形成されます。これにより、様々なニーズや問題に対する支援が期待できます。
多様なリソースと情報: コミュニティ内には多様なリソースや情報が存在し、保護者は自分の状況に応じた適切な支援を見つけやすくなります。例えば、地域のイベント、ワークショップ、オンラインフォーラムなどです。
柔軟な参加形態: コミュニティの支援は、対面だけでなくオンラインでも提供されることが多いため、保護者は自分の都合に合わせて参加できます。これにより、支援へのアクセスが容易になります。
持続可能な支援: コミュニティは長期間にわたって持続可能な支援を提供する傾向があります。地域社会全体が子育てや保護者支援に関わることで、継続的なサポートが期待できます。

デメリット
個別対応の難しさ: コミュニティの規模が大きいため、個別のニーズに対してきめ細かな対応が難しくなることがあります。特定の問題に対する直接的なサポートが不足する場合があります。
匿名性と疎遠感: 大規模なコミュニティでは、メンバー同士が直接的に知らないことが多く、匿名性が高くなります。これにより、親密な関係を築くのが難しく、疎遠感を感じることがあります。
調整と組織化の困難さ: コミュニティ内で多くの人々が関与するため、意見の調整や組織化が難しくなることがあります。異なる価値観や意見が衝突することもあり、合意形成が困難になることがあります。
リソースの分散: コミュニティ内のリソースが分散するため、特定の問題に対する集中した支援が不足する可能性があります。特定の課題に対して十分なリソースが投入されないことがあります。

まとめ

グループとコミュニティはそれぞれ異なるメリットとデメリットを持つため、子育て支援や保護者支援の場面では、これらを補完的に活用することが重要です。具体的な支援ニーズや状況に応じて、グループとコミュニティの特性を生かした支援策を設計することが求められます。

chatGPT-4oで「子育て支援、保護者支援を考えていく上で、グループを意識していくのとコミュニティを意識していくことのメリットデメリットを考えられる限り挙げて」と入力した出力結果

両方、結構それなりに一丁前な文章を返してきますね。いやぁ、最近の生成AIの進歩って凄いですね。…と生成AIを褒める話ではないので、本題に戻りましょう。

以上の情報を私なりにざっとまとめて、私のゼミで行っている保護者のしゃべり場活動を念頭に置きながら考えてみます。
グループは、
・特定の目標、目的を持っている。そのため、目的達成に向けて動きやすい。
・集団の規模は大きくなく、人間関係は比較的閉じている。そのため、新規参入がしづらく、メンバー間の対立や不和が起こると大変。

コミュニティは、
・多様な人が集まる。そのため、新しい知識や情報が得られる可能性もある。
・集団の規模は大きいこともある。そのため個に応じたサポートや親密な関係形成について満足感を得るには時間がかかるかもしれない。

このように考えると、毎回決まったメンバーではない保護者の参加があり、その都度新しい出会いや情報があるので、しゃべり場はコミュニティ的な性格を持っていることになります。
一方、視点を変えると、0歳~2歳くらいの子ども子育てに頑張っている保護者の集まりであり、「しゃべってスッキリしたい(という共通の目的を持った)保護者」グループという見方もできます。
しかしながら、しゃべり場は「言いっぱなし・聞きっぱなし」を基本的なルールとしていますので、しゃべり場の中では悩みの解決を到達目標としていません。また企画への参加によって継続的な新しい交流や情報交換が生まれているかについても現時点でははっきりとした効果は見えていません(リピーターの方は少ないながらもいらっしゃいますが)。
これらの点から考えると、まだグループともコミュニティとも判断がつかない状態なのかもしれません。

なかなか結論が出にくい話になってきましたが、そもそも「しゃべり場」をコミュニティかグループかのどちらかに位置付けることは難しいようです。
とは言え、私やゼミ生の集団は「支援をするグループ」として、共通の目標(ねらい)を設定し、その目標達成に向けて動くことが必要なことは見えてきました。
では私たちの目標とは何か。

「保護者が、これからの育児にまた頑張ろうと思ってもらえること」
そのために「しゃべり場でしゃべることによってスッキリすること」と
現時点では設定しておきたいと思います。

今回の検討をふまえると、自治体や子育て支援センターなどの子育て支援に関する多くの活動はコミュニティ的な意味合いが強く、NPOの方や個(もしくは少人数)に焦点をあてる活動はグループ的な意味合いが強いのかなと感じました。
もちろん、片方が正解でもう片方は間違いというわけではありません。きっとどちらのアプローチも重要で、相互補完的になっていることが大切だろうということです。
どうやら私たちがやろうとしていることは、比較的オープンで新しい情報に触れる可能性のあるコミュニティ的な「場」を前提としつつ、参加していただいた保護者にはグループ(ワーク)としての深い効果を狙っていく、という欲張りな「場」であるようです…。
上手く学生たちに伝わるかな…(^o^;

「場」の設定については私の中では少しずつ頭の整理ができてきました。これから「しゃべり場」が参加者にとってどのような効果をもつのかについての検証や分析がボチボチできるようになるのかな…。
子育て支援の実践をされている方々は多いかもしれませんが、実際に検証や研究をされている方はどれだけいらっしゃるのでしょうか。。ご存知の方がおられたら情報をお教えいただきたいです。
あまりまとまっていない思考のプロセスをそのまま垂れ流してしまっているようですが、これからの活動や報告を焦らずお待ちいただければ幸いです。

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