人が集まる「場」については、「グループ」や「コミュニティ」という言葉があてられることがあります。私も大学教員としてゼミ生を抱えているのですが、このゼミという学生の集まりをどういう方向で進めていきたいのだろうか、学生と取り組んでいる「保護者のしゃべり場」企画をどう進めていきたいのだろうかと、ふと考えてみました。
しゃべり場という「場」を設定する上で、集まっていただける方々とどのような空間を作っていきたいかと考えた時に、「グループ」と「コミュニティ」は意識して使い分けないといけないのでは?改めて思ったのです。
試しに、今流行りの文明の利器(copilot)に「グループとコミュニティの違いを論じて」と尋ねた結果を私なりにまとめてみました。
図らずも「コミュニティ」「チーム」「グループ」という、「チーム」についての考え方まで教えてくれました。
共通項を持った人の集まり、同じ目標に向かっている人の集まり、とりあえず集まっている状態?うーん、気持ちは分かるんだけど、もう少し具体的に考えを深めたい…。
それでは、質問をもう少し具体的にとして「子育て支援、保護者支援を考えていく上で、グループを意識していくのとコミュニティを意識していくことのメリットデメリットを考えられる限り挙げて」という指示をcopilotとchatGPT-4oに両方に投げかけてみました。
まずはcopilotから。copilotは生成した文章のソース(情報源)までリンクをつけてくれるので、私にとってはありがたい存在です。
続いてchatGPT-4o。無料版でもかなり文章生成の速度が速くなりました。が、たまーにテキトーな文章を作ったりする(ハルシネーション)可能性があるので、まだまだ気は抜けません。
両方、結構それなりに一丁前な文章を返してきますね。いやぁ、最近の生成AIの進歩って凄いですね。…と生成AIを褒める話ではないので、本題に戻りましょう。
以上の情報を私なりにざっとまとめて、私のゼミで行っている保護者のしゃべり場活動を念頭に置きながら考えてみます。
グループは、
・特定の目標、目的を持っている。そのため、目的達成に向けて動きやすい。
・集団の規模は大きくなく、人間関係は比較的閉じている。そのため、新規参入がしづらく、メンバー間の対立や不和が起こると大変。
コミュニティは、
・多様な人が集まる。そのため、新しい知識や情報が得られる可能性もある。
・集団の規模は大きいこともある。そのため個に応じたサポートや親密な関係形成について満足感を得るには時間がかかるかもしれない。
このように考えると、毎回決まったメンバーではない保護者の参加があり、その都度新しい出会いや情報があるので、しゃべり場はコミュニティ的な性格を持っていることになります。
一方、視点を変えると、0歳~2歳くらいの子ども子育てに頑張っている保護者の集まりであり、「しゃべってスッキリしたい(という共通の目的を持った)保護者」グループという見方もできます。
しかしながら、しゃべり場は「言いっぱなし・聞きっぱなし」を基本的なルールとしていますので、しゃべり場の中では悩みの解決を到達目標としていません。また企画への参加によって継続的な新しい交流や情報交換が生まれているかについても現時点でははっきりとした効果は見えていません(リピーターの方は少ないながらもいらっしゃいますが)。
これらの点から考えると、まだグループともコミュニティとも判断がつかない状態なのかもしれません。
なかなか結論が出にくい話になってきましたが、そもそも「しゃべり場」をコミュニティかグループかのどちらかに位置付けることは難しいようです。
とは言え、私やゼミ生の集団は「支援をするグループ」として、共通の目標(ねらい)を設定し、その目標達成に向けて動くことが必要なことは見えてきました。
では私たちの目標とは何か。
「保護者が、これからの育児にまた頑張ろうと思ってもらえること」
そのために「しゃべり場でしゃべることによってスッキリすること」と
現時点では設定しておきたいと思います。
今回の検討をふまえると、自治体や子育て支援センターなどの子育て支援に関する多くの活動はコミュニティ的な意味合いが強く、NPOの方や個(もしくは少人数)に焦点をあてる活動はグループ的な意味合いが強いのかなと感じました。
もちろん、片方が正解でもう片方は間違いというわけではありません。きっとどちらのアプローチも重要で、相互補完的になっていることが大切だろうということです。
どうやら私たちがやろうとしていることは、比較的オープンで新しい情報に触れる可能性のあるコミュニティ的な「場」を前提としつつ、参加していただいた保護者にはグループ(ワーク)としての深い効果を狙っていく、という欲張りな「場」であるようです…。
上手く学生たちに伝わるかな…(^o^;
「場」の設定については私の中では少しずつ頭の整理ができてきました。これから「しゃべり場」が参加者にとってどのような効果をもつのかについての検証や分析がボチボチできるようになるのかな…。
子育て支援の実践をされている方々は多いかもしれませんが、実際に検証や研究をされている方はどれだけいらっしゃるのでしょうか。。ご存知の方がおられたら情報をお教えいただきたいです。
あまりまとまっていない思考のプロセスをそのまま垂れ流してしまっているようですが、これからの活動や報告を焦らずお待ちいただければ幸いです。