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40)黒アゲハ蝶とタロウの涙 ~2020年7月のお話

ママが買ってきた「みかんの木」の鉢植えに、毎朝水をやって世話をしていたタロウ。
夏になってふと見ると、まるまると太った芋虫がみかんの木に止まって、葉っぱをムシャムシャと食べていました。

ネットで調べたところアゲハチョウの幼虫のようなので、”さなぎ”になったところで段ボールとネットで自作した虫かごに入れ、成虫になるのを楽しみに待っていました。いやー実に子供の夏って感じです。

暫くすると立派な黒アゲハ蝶になってました!元気に段ボールの中を飛んでいるのを嬉しそうに見ているタロウ。
「狭い段ボールの中はかわいそうだから外に放してあげよう」といっても「イヤだ!」の一点張りです。
それでもパパとママに説得され、あと数日したら外に放すことで渋々納得したタロウ。

ところが、その次の日あたりからみるみる弱って、とうとう死んで動かなくなってしまいました。悲しい空気が流れる我が家。
せめてと思い、近くの公園に埋めに行くタロウ。小さな穴を掘って黒アゲハ蝶をそこに埋め、手を合わせるタロウとパパ。

しくしくと涙するタロウ。いつかタロウがおじいさんになって死んだときに天国で会えるからね、と慰めるのがせいぜいです。
お墓のそばにしゃがみ続けるタロウの様子に、ほろりとしたパパでした。

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