ウォーレン・バフェットの投資判断(2024年5月)バークシャー・ハサウェイ株主総会のサマリー
以下は、バークシャー・ハサウェイの株主総会の内容を具体的な数字を含めて、各項目ごとに詳細にまとめたものです。
バークシャー・ハサウェイの株主総会
副会長チャーリー・マンガーの死後初の総会
ウォーレン・バフェットが中心的な役割を果たし、総会は約5時間にわたる質問応答セッションが行われた。
世界中から約4万人の株主が参加。
アップル株の売却
バフェットは、アップルの株式を13億ドル分売却したことを発表。これが大きなニュースとなった。
売却理由は、キャピタルゲイン課税が上がる前に利益を確保するためと説明。
バフェットの長寿の秘訣
1日に2600~2700カロリーを摂取し、好きなものを食べることを大切にしている。野菜はほとんど食べず、ファストフードを好む。
毎朝マクドナルドでベーコンと卵とチーズのビスケット(3ドル17セント)を食べ、マーケットが下落している時は2ドル95セントのセットを注文する。
最近はマクドナルドに頻繁に通っていたが、来店頻度が減少。
後継者の情報
後継者として、グレッグ・アベルとアジット・ジェインの2人の副会長が挙げられている。
グレッグ・アベルはバークシャーの全体のCEOに、アジット・ジェインは保険事業のトップとして活躍している。
グレッグ・アベルがエネルギーと鉄道の部門のトップを務め、投資の配分責任も引き継ぐ予定。
バークシャー・ハサウェイについて
バークシャーは多岐にわたる事業を展開しており、従業員数は39万人。
2022年の税引後利益は約300億ドル(約4.7兆円)、2023年には374億ドル(約5.8兆円)と24%の増益を記録。
保有する株式のトップ10の総額は約54兆円、そのうち半分がAppleの株式。
バリュー投資の哲学
自分が理解できないビジネスには投資しない。
長期的に価値があると信じる企業に投資し、短期的な市場の変動に影響されない。
1956年に1万ドルの投資を開始し、1969年までに26万7691ドルに成長(13年間で26倍のリターン)。
バークシャーの情報の見方について
ネットアセットバリュー(NAV)
バークシャーが保有する企業の時価の集合体としての価値を評価。
バフェットの銘柄入れ替えや投資判断を信頼し、プレミアムをつけて株を購入。
バフェットの長期的な投資展望とAIの市場観
市場観と展望:
AI技術の影響: AI技術が今後の投資環境に与える影響について注目している。
経済の長期的な成長: 経済の長期的な成長に対する楽観的な見方を持ち続けている。
リスク管理: 投資リスクの管理と分散を重視する姿勢。
具体的な発言:
バフェットのコメント: 「AI技術の進展がもたらす可能性とリスクを慎重に見極める必要がある」
長期的な投資戦略: 長期的な視点での投資を推奨し、短期的な市場変動に左右されない投資戦略を支持している。
Microsoftのクラウド事業の成長
MicrosoftのクラウドプラットフォームAzureは前年同期比で31%成長。
生成AIの需要が急増し、供給能力が追いついていない状況。
NVIDIAについて
NVIDIAの成長
NVIDIAのGPUが生成AIの需要を支えている。
競合のAMDが性能で追いついているものの、NVIDIAのソフトウェアエコシステムに強みがある。
チップ性能と需要
NVIDIAの新しいチップB100が高性能であり、予約が殺到している。
データセンター向けに大量のチップが必要とされ、供給が需要に追いついていない。
メタバースからAI投資へ
META(Facebook)がメタバースからAIに注力を移し、AIへの投資が増加。
NVIDIAのチップがAI投資の基盤となり、今後も成長が期待される。
日本株の追加投資について
日本の商社株への投資
日本の商社株(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)に投資している理由は、バークシャーのビジネスモデルに似ているため。
日本の商社は割安であり、経営者の報酬が適正である点も評価。
今後も追加投資を検討しているが、具体的な銘柄やタイミングは未定。
情報収集・意思決定について
企業の財務諸表の徹底的な分析
バフェットは企業の財務諸表や年次報告書を徹底的に分析し、特にフットノートに注目。
市販機や1年単位での短期的な動きに左右されず、長期的な視点で企業価値を見極めることが重要。