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不整脈のこと(2/2)


 不整脈(頻脈)の病状が落ち着き、退院後の処遇について医師と面談したところ
「このまま薬を服薬するのも一つの方法だけど、カテーテルアブレーションという手術をすると、完治できる可能性があるのでお勧めですね」
という説明があり、手術を受けることを選択しました。

 手術が可能な日程は最短でも4月3日になるとのこと。もっと早く処置して欲しい気はしたが、わがままも言えず、それまでの生活上の注意などを受けて退室しました。
「まぁ、手術とは言っても検査の延長みたいなものですから、失敗する可能性は0ではありませんが、あまり心配しないでください」
と語る医師の表情は、少しつまらなそうに見えた。邪推かもしれないですが、(本当は開胸が必要な大きな手術がしたいのだろうな)と、解釈しました。「医龍」という漫画を読んでいた影響だろうと思います。

 大変ありがたいことに、不整脈やカテーテルアブレーションについて、かなり信憑性の高い情報もネット上に溢れていましたので、筆者はある程度の予備知識を得て、安心して手術当日を迎えることができました。
「筆者さんの場合、心電図の波から判断するに、心房細動は確実です。多分、心房粗動もあり、もしかしたら、もう一つ「頻拍」の原因があるかもしれないですが、どれも今回の手術で処置可能ですから安心してください。検査しながら処置しますので、2時間半~3時間くらいの時間をみてください」
という説明を受け、手術台に乗せられた筆者。局部麻酔と聞いていたので、手術中に意識があることを期待していたのですが「医療用麻薬(痛み止め)を入れます」との声の後、意識を失ってしまい、手術の雰囲気を楽しむことができませんでした。
 意識を取り戻した時には全て終わっており、
「次の患者さん何時?」「14時です」
という感じで、スタッフが次の手術に向けてバタついているのが印象的でした。

 退院前の医師との面談で、
「いやぁ、筆者さんの心臓ねぇ、悪いところが3箇所あるかもとは考えていましたが、3箇所とも処置が必要でした。しかも、そのうち1箇所について、まずね、このように心臓の内側から焼いたのですが、心臓の筋肉が厚くて焼ききれず、症状が改善されなかったのです。
そこで私は、ここの血管を利用して外側からも焼いて、症状を抑えることに成功したのです。その分時間を要してしまいましたが、手術は成功です。後は経過をみましょう」

  そう語る医師の表情は、どこか嬉しそうで、誇らしげであった。

ネットで入手していた情報から
(手術は成功しましたけど、完治はしてないですよね。再発のリスクもありますし)
と思いつつ、先生方がとても嬉しそうなので、黙ってうなずきました。

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福島太郎
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