【創作SS】教立大学ラーメン部
6人の部員を前に、部長は神妙な顔で話し始めた。
「三田にジロウ有り、神保に半チャン有りだ。俺たちも食べてレビューだけじゃなく、新たな伝説、次代の伝統になるような創作ラーメンに挑戦しないか」
「池袋にはツケ麺があるじゃないですか」
「ツケ麺は別枠だろう。鳥ガラと言えば喜多方、豚骨と言えば博多という感じで、ラーメンとして独自性を生み出したい」
「そうすると出汁ですか。煮干しなどの魚系、牛骨も既にあるから難しいでしょ」
「なので、骨を使わない「野菜出汁」でスープを作ってみた」
部員たちは配られたスープを啜った。
「イケますね。これなら周辺の店に提案できるんでは」
賛同の声が次々上がる。
「うん、みんな伝導師として協力してくれないか」
皆の目が蘭々と輝いた、一人を除き。
「この味じゃ、店主を「骨抜き」にするのは無理でしょう」
部長はうな垂れた。
「また、負け戦だったか。ギュウの音も出ない。とりあえず、トンでもない夢だったと忘れてくれ」
(本文ここまで)
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】
裏お題【ラーメン部骨伝導】に参加です。
とりあえず上げて、仕事に向かいます。
なお、蘭々は誤字ではなくオマージュです。
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