【創作】同じパズルは二ついらない #下書き再生工場
スマホを視ていた彼が、ふいに呟いた。
「パズルと恋愛って似ているよね。お互いのピースが合うかどうか１個１個試すような感じが」
何か違う気がするけれど上手く説明できないので
「そうだね」
と相槌を打つ。恋愛がパズルだとしたら、私と彼はパチンとはハマらないピースかもしれない。というか、そもそもピッタリとハマるような相手っているのかしら。
みんな、相手に合わせようと無理しているんじゃないの。
「俺たちは、相性ピッタリだよね」
彼がスマホを置いて私の肩に手を回してきた。
何か違う気がするけれど面倒なので軽く頷く。相性もそんな良くないし、愛情もあんまり感じないけど、彼が欲情していることはわかる。
私はそんな気が起きないけど、正直に伝えて怒らせることはしたくない。
「男」という名のパズル、難しくて面倒だけど無いよりはマシな気がする。今のを手離して新しいパズルを手に入れたところで幸せになれる気がしない。
「男」という名の同じパズルは二ついらない。
今、目の前で鼻息を荒くして腰を激しく動かしている、この一つのパズルをゆっくりと完成させていく人生ってのも悪くないのかもしれない。
家族というパズルのピースを埋めていく、自分の未来をちょっと考えた。
(おしまい)
本田すのうさんの企画に参加です。
#下書き再生工場
お題は「猿荻レオンさん」の「同じパズルは二ついらない」でした。ご馳走様でした😋
名曲「ダンスは上手く踊れない」みたいな、アンニュイな雰囲気を意識してみました。
#何を書いても最後は宣伝
すれ違う男女がどういう結末を迎えるのか？
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