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【創作】紅葉から #シロクマ文芸部
紅葉から手紙を受け取った。はらはらと僕の肩に舞い降りた一枚の楓の葉。僕はつかまえて彼女に見せた。
「お手紙もらったよ」
「何て書いてあったの」
「『いつまでも仲良くね』って」
二人で笑いあった秋から十年が過ぎた。京都では今年も綺麗な紅葉を観ることができるのだろうけど、僕の隣には誰もいない。
楓の気持ちに応えられなかったけれど、二人が「幸せになるため」に、選んだ道は間違いじゃないと思いたい。
秋は寂しく冬は厳しい。
あれから、僕は秋と冬だけを繰り返している。
彼女に子どもが生まれたと風が教えてくれた。笑顔溢れる幸せな家庭を築いているんだろうな。
今年の秋も、僕に手紙は届かない。寂しさと厳しさだけの季節を過ごすことになりそうだ。
後悔はない。
彼女がくれた幸せは、今も僕の胸にある。
過去に感謝して今を受け入れて未来を夢見て。
春が来る日を信じて生きていく。
(おしまい)
女々しくて、中身が薄くてすいません。
「シロクマ文芸部」に参加するだけの稿になってしまいました、反省します。
ちなみに「女々しい男性」を描いた物語が、こちらの「恋する旅人」です。
#何を書いても最後は宣伝
相手を思いやるあまり、恋に踏み出すことができない不器用な二人を描いた「題名のない物語」、「賢者の贈り物」を超えようと挑戦した意欲作です。その他、恋や旅をテーマにした小作品をお届けします。
2020年12月に「プロット無」で「毎日連載」という無茶な文章修行として書いた作品になります。ところが「今なら、もう少し上手く書ける」ような気持ちにならないのが不思議です。
創作で不思議なのは「その時だから書ける」ということがあると感じています。刹那な表現とでも申しますか。noteの記事もそうですが自分で読み返して「俺、こんなこと考えていたの」と驚くことも度々です。
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![福島太郎@kindle作家](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/53188325/profile_853923cfaf79e6d3b36183c956660290.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)