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「地面師たち」は誇張しすぎた嘘の中に少しの真実を混ぜたドラマだった

話題になってたNetflixのドラマ「地面師たち」を見ました。妻と一緒に晩ごはんを食べながら「見てみよ~」というノリで見始めて、気が付いたらそのまま深夜までぶっ通しで全部見てしまいました。

土地の権利者になりすまして企業を騙してウン億円をだまし取る「地面師」を描いたドラマ。偽の弁護士のプロとか権利者のなりすまし役を用意するプロとか偽造書類を作るプロとかが色々出てくる詐欺師のオーシャンズ11みたいな設定。多分意図的にやってるんでしょうがキャラ造形が過剰に漫画っぽいというか、フィジカルで、プリミティブで、フェティッシュでした。おかげで終始笑って見れました。

積水ハウスの地面師事件をはじめ、実際にあった事件をもとにしているらしい。キャラの誇張がすごいので、どいつもこいつも大げさなくらい嫌なやつだったり、真面目くさっていたり、かわいそうなやつだったりしすぎるんですが、うっすらリアリティが通底するのは元ネタがあるというところなのかなと思った。少しの真実を混ぜるのが上手い嘘のつき方だと言いますが、まさにこのドラマそのものが地面師詐欺のような構造になっているように感じました。

ネタバレになってしまうのであんまり書きませんが、最初になりすまし役をやらされるダメそうなおじいさんが、本当に地主であるかの証明として通ってる近所のスーパーを言わされるシーン。あそこのハラハラ感と言ってる内容のシュールさ、滑稽さのギャップにやられました。シーンとして一番よかったのあそこかもしれない。まさにプリミティブでフェティッシュでした。

リーダーのハリソン山中をはじめ、みんな行動やリアクションが極端で「そうはならんやろ」の権化みたいなムーブをするんですが、特に山本耕史さん演じる青柳がよかったです。出世に命をかけてて、「それパワハラですよ~」とか言ってくる今どきの部下たちをより強固なパワハラでねじふせる古き悪しき人類。島耕作の「セレブレーションファック」そのままのシーンが出てきたときは笑いました。「地面師たち」の中からスピンオフ漫画になるならこの人だろうなと思った。

作品全体としても、同じ監督の「モテキ」よりもっとケレン味全開というか、ハリウッドザコシショウの突き抜けた誇張モノマネで無理矢理笑わされてるような勢いを感じました。シリアスなシーンでもずっと笑えるのはいい作品だと思う。やめらんなくてつい見ちゃうかっぱえびせんのようなドラマだった。面白かったです。

以下、おまけのショート動画とマシュマロ返信です。「地面師たち」、石野卓球のテーマ曲がめっちゃ耳に残るドラマでもあった。


おまけ動画:「地面師たち」のテーマ曲をドラムで叩くわんちゃん

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