M-1ワイルドカード枠のネタをほぼ全部見たら色々エモかった
今年は珍しくM-1を3回戦からいっぱい見てたので準々決勝敗退組(ワイルドカード枠)の動画もほぼ全部見ました。
自分もおじさんになり、年々好きなお笑いしか見ない「お笑い食わず嫌い」が加速しておりますが、色々見て思ったのは好かんお笑いはやっぱり別にそんな好かん一方、知らなかったけど好きなお笑いもいっぱい生まれているんだなあということでした。知ってる好きなもんを見続けるだけでは知らんけど好きなもんに出会うことはできない。人生とお笑いって一緒なんですね。
せっかくなので知ってて好きなお笑いや知らんかったけど好きなお笑いをいくつか書き残しておきたいと思います。
なるべく3回戦で触れたもの以外を選びます
ラパルフェ
今回の準々決勝優勝コンビ。「とりあえずラパルフェから見た」がM-1予選の季語になりつつある。2019年M-1決勝でニューヨークがスベった伝説のネタを完コピしたあと、M-1という大会の構造をいじるダブル反則でお笑いファンの心と爆笑を強奪していった。ロックとは音楽性ではなくアティチュードであり、ラパルフェのお笑いもそれと同質である。M-1が権威的になるほどラパルフェのアナーキズムも勢いを増すのだ。なんだこの文体。
あと、今回の余波で実は水曜どうでしょうのミスターのモノマネが異常にクオリティ高いというのもバズってた。めちゃ笑いました。
きつね日和
「ダメだろー!おーい!」と言いながらメガネを吹っ飛ばす人。なんというんでしょう。僕は今回、ある意味一番心に刺さったのがきつね日和でした。
生きているといろんなことがあり、決して楽しいことばかりじゃございません。お笑いを見ても笑えない気分のときだってある。そんなとき、常に変わらず「ダメだろー!おーい!」と言いながらメガネを吹っ飛ばしているおいなり達也さんを見ていたらなんだかふっと肩の力が抜けて、微笑みと一筋の涙がこぼれる自分がありました。「メガネが吹っ飛んだらポケットから2個目を取り出してかけたらいいだけじゃないか。それが人生だよ」、なんだかそう言ってくれているような気がして……。
デルマパンゲ
きつね日和を見て変なモードになりましたが、そのあと冷静になったのでワイルドカード枠はデルマパンゲに投票しました。ずっと独自の視点があって唯一無二の芸風を確立させているコンビ。ネタの中でいつも何らかの気付きを与えてくれるコンビで、今回は「ロゴなんか急に始まる」ということを教えてくれた。変わらないでくれてありがとうの気持ちと、ザセカンドのほうが輝きそうという期待も込めて。
チェリー大作戦
ここ数年、「ネタめっちゃすごくない?」と思って推してるコンビ。どれ見ても4分の中に意外性と展開があって感心するほど面白い。ツッコミがノったり止めたり困惑しながら巻き込まれたりの緩急が多彩なのが独自色になってるなと思う。若手的な尖りもある。イチオシ。
インテイク
今年認知したコンビ。こじらせた人が明るくて真っ直ぐな人間に物申すタイプのネタ。インターネットの人が好きそう。なので僕は大好きです。いろんなお笑いがあってそんなもん全部好みでしかないんだけど、僕は根底にコンプレックスがあるタイプのお笑いに強いシンパシーがあるんだなと思った。
セルライトスパ
ラストイヤー組。ダイタクとかもそうなんですが、このへんの世代がここ数年で「実はずっといいネタやってるな……」と感じ始めて応援してました。2022年の冬、僕むちゃくちゃ入院してて好きなお笑いもまともに理解できない状態だったんですが、準々決勝のセルライトスパのネタ(歌と相撲で対決するやつ)はめっちゃ面白いと感じて救われたことがあり、それ以来勝手に謎の感謝をしています。ありがとう。
結局ワイルドカードはロングコートダディになり、個人的には順当かなという印象だったんですが、ネットだと結構「人気投票じゃん」的な(いつもの)声も多くてロコディでもそういうこと言われるんだ、とちょっと意外でした。まあでもそういうの言いたくなるくらい面白いコンビは確かにいっぱいいるんだなあというのも肌感覚としてわかったし、そういう熱量を全体から感じました。元々酒飲んでお笑いを見て泣くタイプの情緒の人間なので、久々にそういう空気に触れてM-1って最高に地獄で最高に感動的だなと思いました。
以下、マシュマロ返信です。
たろちんさんの記事を見てあいの里を一気見しました
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