第14回 2年間無職で公認会計士試験に挑戦して挫折した末に思うこと
みなさんこんにちは。たろ坊です。
本日は私が前職を退職して無職で2年間人生をかけて挑戦して1次試験(短答式)も合格することができず、挫折した公認会計士試験についてお話いたします。(この記事は3300字あります)
1.目指したきっかけ
私がこの試験に興味を持ったきっかけは、私の職場の先輩(慶応大卒)が会計士を目指して退職したことが挙げられます。
その方は1年半という驚異的な速さで退職後に合格をしておりました。私もその人を見て挑戦してみたいと思ったのがきっかけです。
また、地方公務員として働く中で、働き方に違和感を持つことがあったのも理由になります。
上司からのハラスメントや仕事の振り方で体調を壊して休職する若手の同期や先輩を見て、「自分はこのまま公務員で良いのか」と考えるようになっていました。自分の専門スキルを身に着けることが必要ではないかと考えたこともきっかけです。
公認会計士には二年間程度勉強すれば受かるという話もあったため挑戦をしました。
しかしながら、勉強を始めて思いましたがとてもとても甘い考えでした。
2.退職後1年目の生活
退職前から簿記2級の勉強はしていました(3級も少しかじる程度)。
その時期から少しずつ公認会計士講座を受講していましたが、範囲が膨大であり、仕事終わりに授業1~2時間を見ることで精いっぱいでした。
退職してからはまとまった時間を費やして夏ごろ8月末までに短答式試験試験用の講座を見終えたと記憶しています。
公認会計士試験短答式のテキストや講義は想像を超えて膨大です。そのため、塾に入学後にそもそも授業を受けきる前に脱落する人が一定数いることはあまり知られていません。
正直、焦っていて早く一通りの全範囲を終わらせなければと思っていました。1つ1つの授業を大事にせず、復習をしっかりしなかったことにより、理解や定着度が低く、復習もおろそかになっていました。
公認会計士試験のような専門的な試験は大学入試の試験とは「全く」違います。
英語のような科目は小学生から触れていることや、国語についても母語であることで一部あやふやでもテクニックで乗り越えられる部分があると思います。
しかしながら、この試験の知識のすべてが「初めて」の『学問知識』であり、すこしでも基礎があやふやだと応用や所見の問題に対応できないことを私は身に染みて実感しました。
「浪人時代や公務員試験で試験慣れしてるから大丈夫」と思っていましたが、公認会計士試験に対する認識が本当に考えの甘かったと思っています。膨大な量により復習や勉強計画をしなければ復習もうまく行うことが難しかったです。
一年目に1回目の受験をしましたが、ほとんど何もわからずに終わったと記憶してます。
この時の勉強時間は一日8から10時間程度でした。気持ちを改めて2年目に突入しました。
3.退職後2年目の生活
翌年度にはしっかりと『理解』を重視した勉強をした結果、暗記科目である監査論や会社法、財務会計論の理論は安定して点数を取れるようになってきました。
しかしながら、財務会計論の簿記と管理会計論については、なかなか苦手意識がぬけませんでした。それでもなんとか仕分けをする理論的な背景からしっかりと計算が解けるよう、理論と計算のリンクを意識した勉強を心がけていました。
この時期は食べる時も移動時間もできる限り勉強をしており、1日12時間くらい勉強していました。
正直メンタル的にかなりしんどい時期もあり生活リズムが不安定であり、勉強に取り組めない日もありました。また、満腹では眠くなるため食事の量も減らしていました。
19歳の浪人の時期、22歳の公務員試験の時期など勉強をしてきましたが、人生で1番の時間と密度を上げて過去1番で勉強と向き合ったと自覚してます。(浪人の時期は桔梗になってます笑)
無職、貯金も少ない、相談相手もいないなどドラゴンボールでいう『精神と時の部屋』のように勉強と向き合う中で頭がおかしくなる感覚はありましたその中でも前に進もうと努力をしていました。それに伴うストレスは計り知れず夢でも勉強をしているくらいでした。
当時勉強記録をつけていましたが、ある時からつけることをやめて勉強をしていました。
時間が経つにつれて無職の期間がなくなればなるほどよりしんどくなっていくのが実感していました。
4.予備校に入る前に知って欲しい公認会計士試験についての実情
公認会計士試験は2つの試験を合格することで時間に合格になります。
短答式試験はマーク式試験です。こちらで1万人から1000人弱が合格をします。その後の論文式試験では1000人に昨年度受験した方も含めて3割程度が合格すると言われています。
私みたいな中途は半端な気持ちですと全く歯が立ちません。
全てを捨てて死に物狂いで、大学生が学生生活をなげうって初めて受かる試験だと感じました。
会計士試験の財務会計論(簿記)は大学試験で例えると英語の点数配分と同じく、財務会計論は500点の中の200点を占めており、この科目が試験突破の鍵になります。ここで感じたことを一言書きます。
一次試験のボーダーラインが7割越えの現在の試験の合格率が必要な中で、1つでも苦手科目があると合格することはとてもとても難しいと感じました。
全て7割越えで、二つの科目は飛び抜けてる必要がある(8割から9割)と言う感覚です。
私が受けた最終年度についてはボーダーラインが73%から75%になっており、370点程度必要で、近年ではかなり高くなっておりました。
管理会計論が最後まで得意にすることができず、私は12月の試験この時点で心と身体の自分の限界を感じて試験をあきらめました。
参考までに最後の試験はこんな感じでした。
5.試験に挑戦&失敗して思うこと
直近の試験である令和6年度6月の試験ではボーダーラインが7.5~8割程度にあがり、すべてを8割取らなければいけない試験になっています。(苦手科目は一つも許されません、、、、)
これを踏まえると各予備校に入塾する前に『本当にこのいばらの道を進むべきか?ほかの仕事や選択肢はないか』しっかり見極めることが私の受験時より必要な気もします。
今公認会計士試験に挑戦をしようとする方、挑戦中の方に声をとても大きくして言いたいことがあります。まずは簿記3級、2級、1級をしっかりと受けて簿記(工業も)に苦手意識が1ミリもないことをしっかり確認して、準備をしてから受験することを進めます。
たしかに、この試験では企業法、監査論、敬さんの理論科目など暗記科目の全体の割合は大きいです。とはいっても計算科目が4割程度出題します。
計算無くして突破は難しいです(現在は不可能です)
もし、会計士に挑戦したい方は簿記、2級で出てくる工業簿記をまずやってみましょう。お金をかけなくても無料で講座も今は多くあります。(CPAラーニングなど)
この試験で私の認識の甘さ、厳しい受験の認識不足を改めて実感しました。
しかしながら、ここで心を折らずに、転職活動に切り替えて3か月をかけ経理職への転職を何とか成功させました。無職で2年間家族や大切な方に心配をかけましたが、何とか生きています。
私の通っていた簿記のスクールでは論文式試験に何度も(3回以上)挑戦する方や、長い年月をかける方をたくさん見てきました。とても尊敬しています。
私が思うのは資格試験に合格する事は人生の一部にすぎません。
私はこの試験には失敗しましたが、この経験があったからこそ転職活動があり、新たな職場で働いています。公認会計士試験を「続ける選択」も、「やめる選択」も私は正解だと思います。
何かこの記事が皆さんの役立てば幸いです。
本日もありがとうございました。
2024.5.14 たろ坊
2024.6.2 加筆修正
2024.7.15 加筆修正