EVLT中上級者向け9Weeks筋肥大プログラムを終えて
今回は翔さん(Sho Fitness)が考案された「中上級者向け9Weeks筋肥大プログラム」を実施した結果と感想を書いていきます。
感想は下記をメインに書いていますので、購入を悩んでいる方の参考になればと思います。
・普段からBIG3+オーバヘッドプレスばかりしている人間が、本プログラムで記録の伸びに期待できるのか?
・筋肥大の効果と実感
・本プログラムをトレーナー目線から見る
・トレーニーとしてプログラムを終えて感じたこと
本プログラムの目的
筋肉を全身バランスよく大きくしたい、BIG3 の重量も伸ばしたい人にぴったりです。 怪我を防ぎつつ、効率よく強く大きくなるためのプログラムです。
パワーリフティングプログラムではなく、あくまで筋肥大を主な目的としていますが、BIG3 を高頻度で行うので、BIG3 の重量を伸ばすプログラムとしても使えます。 パワーリフティングプログラムとの最大の違いは、1 回の MAX 重量を伸ばしていくのではなく、5-6 回程度の使用重量を伸ばしていく点です。
プログラム実施前 タローの参考記録
9/12時点 体重 75.5kg
スクワット 155kg (Advanced)
ベンチプレス 120kg (Advanced)
コンベンショナルデットリフト 177.5kg (Intermediate〜Advanced)
オーバヘッドプレス 76kg (Advanced)
BIG3 合計 452.5kg
本プログラムを始める条件の「全ての種目でNOVICE以上」をクリア
参考:https://exrx.net/Testing/WeightLifting/StrengthStandards
まずはプログラムを行った結果報告です。
本プログラムを行った結果と感想
9/12 1RM → 11/19 AMRAP(RM換算による測定)
◯スクワット
155kg → 157kg(+2kg) 140kg 4rep @10
◯ベンチプレス
120kg → 121kg(+1kg) 105kg 5rep @9
◯デットリフト
177.5kg → 179kg(+1.25kg) 160kg 4rep @9.5
◯オーバヘッドプレス
76kg → 77kg(+1kg) 65kg 6rep @10
※OHPのみRM換算表では非現実的な数値が出るので参考程度
BIG4 合計 5.25kgアップとなりました。
「あれ、たったこれだけしか伸びないの?」と思う方もいるかも知れませんが、トレーニング環境やそれまでの取り組みなど、「個人の背景因子」で大きく変わると考えていて、僕の場合は
・普段からBIG3+OHPのトレーニング主体
→BIG3をやり込んでいる分、短い期間で極端に右肩上がりになることは考えにくい
・本プログラム実施前のBIG3強化プログラムで大きく記録を更新していた
→コロナの自粛期間後にBIG3の1RMを測定(7月初旬)
→9週間のBIG3強化プログラムを実施後の測定(9/12)
自粛明け7月 → 9/12→ 11/18
◯スクワット
145kg → 155kg(+10kg)→ 157kg
◯ベンチプレス
112.5kg → 120kg(+7.5kg)→ 121kg
◯デットリフト
170kg → 177.5kg(7.5kg)→179kg
上記のように、本プログラム実施前に大きく1RMを伸ばすことに成功している分、更に記録(RM換算値)が伸びたことは大き過ぎるぐらいの成果だと思います。
※BIG3強化プログラムでは、大前提コロナ自粛期間中に落ちた記録が「戻った+少し伸びた」マイナススタートなので振れ幅は大きく見えます。
なので、普段からBIG3+OHPばかりしていても、記録を伸ばすことが期待できるプログラムであると感じました。
筋肥大の効果と実感〜本プログラムを開始する経緯〜
結果面では先にBIG3の重量を見ましたが、
筋肥大を主な目的としていますが、BIG3 を高頻度で行うので、BIG3 の重量を伸ばすプログラムとしても使えます。
そもそも「筋肥大が主目的」のプログラムなので、筋肥大についての感想を書いていきます。
少し個人的な内容も含みますが、参考にして頂けると幸いです。
◯本プログラムを開始しようと思った経緯
僕自身は「怪我をせずに、健康に強く楽しく」をテーマにトレーニングをしており、「筋肥大が目的」ではなく「トレーニングが楽しいからトレーニングをする」が目的なので、トレーニングで得られる「筋肥大」にはあまり興味がありません。
ではなぜ、筋肥大メインである本プログラムを始めたかというと、9月に「第1回トレラボカップ(運営ジムでのBIG4の記録測定会)」を行い、自分の中での高重量を挙げる楽しさを覚えました。
高重量を挙げる上で様々な要素が必要ですが、9/12の試技を振り返ると「基礎筋量が足りていない」と感じ、「今後重量が伸びたとしても、今のままでは必ず怪我をする」と感じたからです。
そのために「筋肥大」をテーマに取り組む必要があり、信頼の置ける翔さんのプログラムということで実施しました。
それから9週間の過程を終えて大きな怪我も無く、周囲の人からは
・少し肩幅大きくなりましたよね
・全体的にゴツくなりましたね
など、プログラムを行っているのを知っている前提としても、そのようにお声掛け頂く機会は増えました。
僕は写真を撮って自分の体の変化を見ることはしていませんが、実際に「1年ほど増えなかった体重が1.3kg増えた」ことが大きな変化と進歩でした。
身長178cmに見合って体重が増えないことが悩みでしたが、9月時点で75.5kgから11月の測定日に76.8kgだったので、体重の増加と共に筋肥大の効果もあったかと思います。
写真など形に残して比較するものはありませんが、体重を増やしながら筋肥大を目指すことが期待できると感じたので、僕のようなパワーリフティング初心者の方や、健康的にトレーニング+筋肥大にも興味があるという方は取り組む価値はあると思います。
〜本プログラムをトレーナー目線から見た感想〜
僕自身は、筋肥大を専門とするトレーナーではないので、主に「メニュー構成から見る怪我のリスク」などの観点から書いていきます。
◯まさに中上級者にオススメできるプログラム
プログラム公開日から遅れてスタートし、
・換算RMが〇〇kg伸びた
・体つきが大きく変わった
などのレビューを見たのである程度予測は付きましたが、総合的に「とても良いメニュー構成」だと思いました。
その最大の理由が「ベーシックな種目以外の選択肢がほぼ無い」ことです。
ベーシックな種目とは「BIG3+オーバヘッドプレス」のバーベルを使った「体を強くするための基本種目」と僕は考えており、翔さんが勧められているように「基本的にはメニュー選択欄の中から第一種目を選択すること」で、毎回BIG3かオーバヘッドプレスが入ります。
他にも補助種目として例えますが、
・ブルガリアンスクワット
・懸垂
・ルーマニアンデットリフト
・荷重腕立て伏せ
など、関節の安定性向上、筋の柔軟性改善などの種目が用意され、ケガ予防の観点からもバランスの良いトレーニングができると感じました。
その点からも、本来は挙上重量が増えると共に怪我も増えやすいですが、様々な補助種目で足りない点をうまくカバーしている印象があり、まさに中上級者にオススメできるプログラムだと言えます。
◯【注意】メニューに従うのと、思考停止することは違う
プログラムのメリットでもあり、デメリットでもあるのが「決まったことを行う」です。
本プログラムは環境に応じて、ある程度幅広くメニューを選択することが可能ですが、「自分の弱点部位の強化を選択する判断力」があるとメリット面が最大に活きてくると思います。
ここでの「弱点部位」は筋肉の大きさでなく「今自分に必要な種目」です。
僕を例に挙げますが、
学生時代のスポーツ後遺症により肩関節がボロボロで、どんなに関節に負担の少ないフォームを心がけてもサイドレイズは高確率でインピンジメントを起こします。
これを「メニューに入ってるからやり続けるんだ!」と思考停止すると、状況が悪化しプログラムの継続どころか、長期的にトレーニングを休まなければならない怪我に繋がるかも知れません。
なので、肩関節周囲筋を安定させるメニュー(RKCプランクやフェイスプル)に変更することで、肩を痛めることもなくプログラムを終了することができました。
補助種目の役割は「怪我をしないためのコンディショニング」として選択できると、今後のトレーニングの幅も増え、より怪我のリスクを減らしながらトレーニングを楽しめると思います。
〜トレーニーとしてプログラム終了後の感想〜
前項はトレーナー目線で解説しましたが、次は純粋 なトレーニーとして実施した感想です。
◯途中で挫折しかけたが、最後までやりきってよかった
タイトル通りプログラムの途中で挫折しそうになりましたが、皆が順風満帆に遂行出来るわけはないと思うので、参考にしてもらえたらと思います。
まず筋トレ(BIG3メイン)を普段から行っているタイプを
①限界まで追い込むタイプ
②追い込まず余力を残して終わるタイプ
③6レップ以上のハイレップ要素が入るのが苦手(嫌い)なタイプ
に分けてみます。
本プログラムでは「RPE」で管理するため、①の場合は「物足りない」「やった感が少ない」と感じるかも知れませんが、僕は②③タイプでRPE管理でもレップ数が多いメニューは「かなりキツイ」です。
RPEに基づいてのトレーニングは別のプログラムを行っていたこともあり、初めての方より慣れていると思いますが、1〜3週目のハイボリューム期間は想像以上の疲労を感じました。
「何にそんな疲労を感じたのか?」というと、単純な心肺機能面や精神面の影響が大きいと思います。
普段からハイレップに慣れていないと、1セットの終わりまでが長く感じたり、残りのセットを逆算するとしんどさがよぎります。
そうすると、本来のトレーニングではフォーム撮影をして、様々な注意点を意識しつつ少し余裕を持ってセットを終了しますが、ハイレップに慣れていない分しんどいから「数をこなすこと」が目的になってしまい、うまくトレーニングを楽しめなかったことが反省点です。
3週目終了後には、疲労による体重減少も見られたので、プログラムから少し逸れて勝手に3日間の完全休養を取りました。
完全な自己判断ですが、再開後はうまく疲労も抜け、自分の体調に合わせて柔軟に対応したことは自分でも正解だと思いました。
※こんなこと書いてますが後にハイレップの恩恵は大きく受けました。
なので元々BIG3を「5レップベース+追い込まない」でやっている場合は「始めの3週間はかなりキツい」と覚悟を持って挑んでもらうほうが良いです。
ただプログラム後半では、レップ数が減り重量が増えるのでかなり楽にこなせます。
そして後半になると、最初の3週間を乗り越えたことで、今までとは体力面で大きな違いを感じました。
具体的に感じた違いは、
スクワット・デッドリフトの最終セットやレップの後半で「疲れてくると腹圧がうまく入りにくい」といった悩みがあったのですが、明らかに改善されて最後まで動作が安定しやすい感覚がありました。
動作が安定するのはケガ予防にとても大切なので、しんどい分大きな収穫が得られました。
その他にも地力が付いたなとも感じ、AMRAPの測定は1RMから計算して行うので、〇〇kgを◯回挙げれば更新すると予めわかります。
特に7週目は、AMRAPに近い重量でトレーニングすることから、先の展開が何となく想像がつき、正直測定前までは「すべての種目がマイナス記録になる可能性が高い」と思っていましたが、蓋を開けてみればすべて更新でき、測定週にうまくピークを合わせているプログラムだなと感心しました。
※8週目でしっかりと疲労を抜きつつ(ディロード)、フォームの感覚を忘れない絶妙な設定でした。
「トレーニングに気合と根性は必要ない」と思っている僕でもなんとか終えることが出来たので、皆さんからすると言うほどしんどくないと感じるかも知れません!
プログラムの感想を書いているとものすごく長くなりましたが、最後にまとめると「めちゃくちゃしんどいけど、乗り越えた先にはしっかりと恩恵があるオススメプログラム」です。
まだ中上級者の重量設定に到達していない場合は負荷が大きすぎるので、RPEに慣れる意味でも「初〜中級者向けプログラム」が良いと思います。
パワーリフター向けのプログラムを作られているそうなので、次のプログラムも楽しみです!
最後にちょっとだけ宣伝。
僕はトレーナーとして「トレーニングで怪我をしないフォーム」を追い求めています。
実際に2つの
・BIG3強化プログラム
・中上級者向けプログラム
を終えて、大きく記録更新しながら怪我無く乗り越えることが出来ました。
そのフォームの元となる理論と実践をnote上で公開しています。
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