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「建設・不動産のデジタル化 〜FMBIMの活⽤〜」:その4 3.2.2 Society5.0 時代は、ビル内の状態を IoT センサーで把握し、AI で分析する時代
3.2.2 Society5.0 時代は、ビル内の状態を IoT センサーで把握し、AI で分析する時代
ビルの⽇常点検においても、BIM は⼤きな役割を担う可能性がある。
⽇常点検において、各種機器の運転状況などを把握し、5G(⾼速⼤容量時代)を活⽤して、各種センサーにより、数分おきのビッグデータを取得することができる。
① 空気の質の測定
② 床壁天井(空間)の状態(温度、振動、⾳)
③ 運⽤状態の把握
④ 損傷、故障の状態
⑤ インフラの状態
⑥ エネルギーの状態
といったものが、簡単に⼤量のデジタルデータとして取得できるため、そのデータを AI、IT を活⽤して分析することで、ユーザー・エクスペリエンス(UX)の最適化、ビルのエネルギーの効率化、最適化など、多様な活⽤を⾏うことができる。
Disruptive Technology という IoT センサーメーカーでは、約 2cm の温湿度センサー、タッチセンサー、⽔漏れセンサー、扉の開閉センサーを開発した。このセンサーは 15 年間メンテナンスなしで、5 分おきにデータを発信しつづけ、このデータを5GやWi-Fiネットワークで⾼速⼤容量にデータを集積する。データは、現状のエネルギー利⽤率の把握やオフィスワーカー⾃らが希望の温湿度コントロールにつなげることができるだけだなく、AI で分析させることで、無駄をなくしエネルギーコストの削減や効率化につなぐことができ、ユーザーの満⾜度を⾼めるだけでなく、実際のビルの管理コストを低減でき、地球温暖化対策につながるなど、3 ⽅よし(買い⼿よし売り⼿よし世間よし)の技術として活⽤が期待されている。
これを最も効果的に分析するためには、3 次元に加え、時間軸も含めた 4 次元データを活⽤することが前提となっている。そのためには、位置情報を把握するための BIMデータは必要不可⽋な建物のデジタルデータとなっている。
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(https://www.disruptive-technologies.com/smart-buildings))(1)
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(https://www.disruptive-technologies.com/smart-buildings))(2)
これ以外にも、各種センサーと BIM を活⽤した建物デジタルデータを連動させることによって、以下のような建物の状況を把握することが可能となる。
① 建物の構造的状態
② パイピングの状態
③ パワーの状態
④ 備蓄物の状態
⑤ 建物外部の状態
3.2.3 BCP でも役⽴つ建設デジタルデータ
平成の時代は、⼤きな震災や気候変動による洪⽔、⼤⾬、台⾵等の⾃然災害に⾒舞われた時代と⾔われる。しかし、気候変動の傾向は、温暖化の進展もあり、日に日に⼤きな影響を建設や都市、住宅地や農地に⼤きな被害をもたらす可能性が⼤きい。
時間⾬量50㎜を超える回数が、従来が1976年から 1985年では平均174回であったのに対し、 2004年〜2013年では、平均241回と約1.4倍にも⼤⾬の発⽣件数が増加している。さらに、局地化、集中化、激甚化しているのが、現在の降⾬状況である。
⾃然災害時における復興計画などでも、BIM は活⽤される。
安井建築設計事務所は BIM を⽤いて、東⽇本⼤震災で被害を受けた街をデジタル上で再現し、⼟地やインフラの情報と組合せ、どう復興すべきかをシミュレーションし、安全な街と実際の⼟地や建物の再編計画を策定するのに役⽴てている。
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ダイワハウス⼯業では、熊本⼤学と共同で、地震や台⾵などの⾃然災害時に提供する応急仮設住宅の配置計画で BIM を活⽤し、最適な配置を⾃動設計させ、迅速な対応を可能になるようなシステムを構築している。従来10⽇かかっていた設計期間が5⽇と半減させ、早急な災害復旧対策を実現している。実際、2019 年の千曲川氾濫対応で、わずか2⽇で設計を完成させ仮設⼯事を始めるなど、BIM利⽤で⼤きな効果をあげている。
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本書のタイトルを、あえて「建設・不動産のデジタル化〜FMBIMの活⽤〜」としたのは、建設・不動産の発注、所有、管理、経営の第⼀線にたつ多く…
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