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「建設・不動産のデジタル化 〜FMBIMの活⽤〜」:その12 Ⅲ. SMART BIM for FM(FMBIM活用事例:病院を例示して)
Ⅲ. SMART BIM for FM(FMBIM活用事例:病院を例示して)
1. FMはSDGsのフレームワーク
FM活動はさまざまな形で定義されるが、不動産管理、施設管理、空間管理、環境管理、データ管理などに大別できる。不動産管理は主に企業のコストと資産活動に関連し、施設管理は施設の維持と保全活動に関連し、スペース管理は施設のスペース機能の効率的な使用に関連する活動であり、データ管理は膨大な量の施設データに対しそれを評価および判断する活動などに分類できる。これらの業務から生じる情報は、さまざまな社会貢献のテーマに収束することを目的としている。
FM活動の目標は、社会貢献であり、言い換えれば、SDGSのフレームワークのメカニズムであると考えられる。データ管理はFM活動の中心である。この分野は、他のFM活動の基礎となる要素であり、コストや環境をデジタル化して視覚化するための主要な分野となっている。施設の運営をデジタルに置き換えるデジタル・トランスフォーメーション(DX)と呼ぶことができる。
特に病院は空間や機能が複雑で、さまざまな要素が互いに絡み合っている。これらの空間や機能を情報に置き換えて、構造化し、目的を明確にする必要がある。その結果、同活動は運営コストを削減し、効率的な機能を備え、社会に貢献する堅牢なシステムを構築することができる。
そのためには、最初にBIMが必要となる。
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2. 病院に必要な情報
病院の長期的な運営は「療養環境のパフォーマンス低下」、「職員満足度の低下」、「患者満足度の低下」などの傾向としてあらわれてくる。これらの傾向は、空間機能の低下、デザインの陳腐化、医療機能の低下などのFM 管理上の障害に関する情報と見なさる。これらの空間や機能を支える情報は日常のメンテナンス情報にあり、種類別に分類することで必要な情報を抽出できる。
つまり、FM の観点からは、施設の運営に影響を与える「保全情報」と「事業運営情報」だ。 「保全情報」とは、入居後の評価、故障履歴、エネルギー消費量などの運用・メンテナンス情報であり、ライフサイクルを通じて継続的に蓄積される情報となる。事業運営情報には、金融、銀行、マーケティング、管理、政策/法律、および同じ業界に関する情報が含まれる。
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3. FM基本情報とは
FM には、経済的、物理的、機能的なコンテンツが含まれており、基本情報とサービス情報に分けられる。このうち、FM の基本情報は、建物の性質や空間などを把握するための面積や長さ、設備の数量などになる。
一方、FM サービス情報にはコスト情報、運用管理情報、市場情報などで構成される。修繕費用、清掃費用、点検費用などはコスト情報、機器の稼働率、医療機器への給水・電源情報などのエネルギー消費量などは運用管理情報、FM 活動とともに収集され、将来のビジネスニーズの変化に適応できる柔軟な環境を構築するための市場情報などがある。
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FM に必要な情報は、メンテナンスに実用的で、事業に大きな影響を与え、技術的なメリットがあり、施設の持続可能な運営に役立つ情報でなければならない。また、情報に価値があるとすれば、性能価値(空調状態の快適さを維持する情報、効率的な廃棄物処理のための情報など)とビジネス価値(競争優位性の高い情報)にある。
情報が正確で、使いやすく、可用性が高いことも重要で、パフォーマンスを向上させる役割も持っている。
たとえば、修理やメンテナンスのコストを削減する情報など、優れた市場価値を提供する場合、その価値は高く、パフォーマンスを向上させる価値がある。この情報を合理的に処理する仕組みをFMシステムと呼ぶ。
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