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「建設・不動産のデジタル化 〜FMBIMの活⽤〜」:その13 4. FM-Integrationの導入
4. FM-Integrationの導入
以上のような考え方の背景を持って、ある病院での実例で開発したシステムをご紹介する。病院が最も必要としているFM 分野は、障害情報やLCC(ライフサイクルコスト)情報などの維持管理分野になる。
病院は市民の命を守るための安全な施設でなければならない。緊急事態に即応するシステムでなければならない。私たちが開発しているFM 活動のためにFMBIMを用いた システムを「FM-Integration」 と呼ぶ。
このシステムの特徴は、BIM からFM の基本情報をIFC データ(IFC: Industry Foundation Classesの略。IFCで定義した、たとえば「ドア」については、だれでも「ドア」と認識でいるような共通の特性を定義したもの。オープンなCADデータモデルのファイル形式をいう。)でFM-Integration へテキストマイニング(後述)を使い自動変換し、FM データベースを構築する仕組み。また、基本的なFM データベースとBIM のIFC ビューアー(IFCはAutodesk RevitやARCHICADといったBIMツールがなくても、ビューアーがあればデータの構成や形状を確認でき、ソフトに依存しないので扱いやすい。逆にBIMソフトはIFCに対応するものが多い。)を組み合わせたWeb システム。 IFC ビューアーは、施設の全体的なイメージとして把握するもの。障害が起こった際にその場で対処する人は総務などの建築を知らない素人でもわかる仕組みとして、IFCビューアーが必要となる。また、施設の安全な運用にはメンテナンス活動が不可欠となるが、BIMモデルを用いて部品や機械の位置を把握することが重要。
メンテナンスの従事者は施設の詳細を熟知しているが、故障した場合は、すぐに処理する部品や機械の故障履歴、設置の状態、および保証の程度など即座に確認しなければならない。その際、携帯端末などでFM-Integrationを使って、管理対象を特定し、関連資料や関係者情報を抽出することができる。
注)IFCモデル:IFC(Industry Foundation Classes)とは、建物を構成する全てのオブジェクト(たとえばドア、窓、壁などのような要素)のシステム的な表現方法の仕様をさす。IFCモデルは3Dデータであるため、当然、形状に関する情報(面積・体積や重心位置など)を保有している。
建物全体のデータとしては、次の情報を伝えられる。
・建築の階層(プロジェクト、敷地、建物、階、要素)
・要素タイプ(壁、スラブ、柱、梁、屋根、階段、ゾーン)
・ジオメトリ
・レイヤーシステム
・標準および(アプリケーション依存の)カスタムIFCプロパティ(材質、色、断面、防火など)
・接続 など
IFCは構成要素単位で管理するため、構成要素ごとの表示・非表示の機能や条件変更・編集しやすいのが特長
個々の建築構成部品の持つ情報についてもソフトをまたいで伝えられる。機器情報なども付加できるため、建物の竣工後に、維持管理にも活用できるようになる。(引用:BIMナビ)
注)BEMS: Building Energy Management Systemの略。ビル管理システムのこと。
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