Побитый интеллигент / Буеракの感想
https://open.spotify.com/track/7tvvtpWwbfMMVp1kjtrp2d?si=5990e7544bca4429
ロシア語詞の意味するところはよくわからないが、インテリとか、知性を鼻にかける人だとか、そういったものがテーマになっているらしい。作中の主人公は怒りっぽいты=君をたしなめつつ、お茶を飲みながら二人で本の話をするよう誘導する。
主人公がインテリなのか、相手が(堕落した)インテリなのか、それはDeepL翻訳の力では謎のままだった。もしかしたら二人ともインテリなのかもしれない。
ともかく、もし少なくとも相手がインテリなのだとしたら、私は昨今のTwitterの状況を思い出す。一部の大学教授がイデオロギーにハマって、Twitter上の議論に熱中して、何やらかやら炎上してしまっている光景を思い出す。
状況によって、知性はいとも簡単に後ろ側に引き下がってしまう。いや、理性さえも、何処かに吹き飛ばしてしまう「議論好き」がインターネットには沢山いる……
高音部と低音部で掛け合うようなAメロが、簡素なドラムの上に乗って走っていく。歌声は能天気ともくたびれているともつかない。どこかアイロニカルな雰囲気がする。まあ、アイロニーだとしても、品とウィットのある皮肉なのだろう。怒りっぽいтыのソレはもっと直接的なのかもしれないが。
Buerakの音楽は、こう、厳しいシベリアの11月のような低音と、それに飽き飽きしてしまった中音と、華麗に目を反らし、はぐらかしてしまう高音が上手く混ざり合っている。
社会批判みたいな題材のトゲトゲしさを、なんとなく上品な雰囲気と、侘びしいチャーミングな歌声で、うまいこと誤魔化している。いかにも「ポストパンク」だ!
結果として楽曲は、婉曲的で、なんともいえない妙味を帯びてくる。肩をすくめて、首をかしげて、両手を上に挙げるような、それでいて真の部分に真面目さの残った、そんな作風なのである。
まあ、一言でいえば、いじらしくって味のある音楽だ。ぜひ聞いてみては。
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