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染。
その男の心にはなんの色もない、けれど他人の心の色についてはとても物知り。
その男はきっとたくさんの色に触れて、触れすぎて自分の色を見失っている。
傲岸不遜に周りの色と接するその男はきっと他の色が羨ましいのではなく自分と同じ色がこの世界に存在しないかひたすら探している。
少し不器用で少し器用。
少し意地っ張りで少し寂しがり屋。
正反対の性格を両方かけ備えるその男の類義なんてこの世界に本当にあるのだろうか。
そもそも色のない男の類義をどう探すんだろうか。
そんなことを考えているだけで僕は君の色に染まってしまいそう。
色のない君が色のある人間を染める瞬間はもしかすると
どの絵の具よりも綺麗なのかもしれない。