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花屍累々

「人は花だ」

僕は沢山の花を見るのが好き。

たとえそれがどんな形をしていようが、どんな匂いをしていようが、十人十色だと思う。

世の中には色々な花の蕾のような心臓が数しれずある。

今まで僕が出会ってきた花も数しれず。

今まで別れてきた花も同等ぐらいの数。

けれどどれも美しいものばかり。

むしろ花に汚い花などないと思っている。

皆さんにもきっと沢山のお花畑を持っていると思う。

もちろん花なので手入れも必要。

沢山水を与えない花もあれば、風や雨から身を守らないといけない花もある、時には枝や草が絡まり美しさを隠す花だってある。中には強く咲いているようで根が弱い花もある。

人もおなじ。

沢山の悲しみを知っている人もあれば、その悲しみで強くなった人もいる。本当の悩みが言えず相手を混乱させてしまう人だっている。中には強がって周りに心配をかけようとしない人もいる。

自分の目の前に広がるお花畑はとても不思議。

花が1つ減るだけで景色も変わってくる、けれどその景色もやがて見慣れてくる。

人もおなじ。

お別れをするのはとても辛い、けれどそれはきっとやがて思い出として残り、また新しい出会いがきっとある。

後ろを振り返れば別れを告げ自ら殺した屍のような花ばかりかもしれない。

けれど僕は花と出会って後悔したことなんて1度もない。

あの時は自分のお花畑できっと綺麗に咲いていたからこそ、今では死体の様な花も愛でることが出来る。

人は出会うべくして出会い、別れべくして別れる、でも後悔をしてしまうと死体のような花を愛でることすら出来ない。

人はどこまでも慈しむことは出来ないが花はどのまでも憎むことは出来ない。

本当に不思議。

人も花も同じものなのに。

美しいものなのに。





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