記者の名刺整理術

「記者時代の名刺の整理方法を教えて」と、会社の同期に頼まれて先日小一時間話した。名刺管理ソフトを使っているわけでもなく、極めてアナログな方法だけど、意外と驚かれることも多かった。話したことを思い出してみる。

【1】日付やエピソードを記す

これはどの業種でも基本かもしれない。大きなイベントで沢山の人に会うと誰が誰だか分からなくなるので、何の話をしたか連想で思い出せるように記しておくといい。「●●の発表日」「●●さんの部下」「●●に興味あり」など。その場で書くと怪しいので、覚えきれないときはトイレに行くなどしていた

【2】車のナンバーと車種を控える

もし相手が車で来ていた時は、見送る時にナンバーと車種を控えていた。駐車場にその車があるかを見れば、まだ職場に残っているかが分かる(もちろん煙に巻くために別の場所に停める人もいる)。これが捜査関係者だと、いつもより帰宅が遅い日が続いている時に「帳場が立っている」(=事件が動いている)のではと勘繰ることもできる。

【3】採用年次を聞き出す

「××の時は現場でしたか?」「ってことは●●さんと同期ですか?」などと話していくと、採用年次が分かる。なぜ年次が大切かといえば、公務員は特に年次ごとの横のつながりが強く、仲間意識やライバル意識を持っているからだ。共通の知り合いを作ると「この前あいつと飲んでさ…」「あいつは昔こんな失敗をして…」なんて話を聞けたりする。

【4】前ポスト、前々ポストを尋ねる

相手が4月や10月の定期異動で移ってきた直後などは聞きやすい。「どんなことやられてたんですか?」「じゃあ畑は●●なんですねぇ」など。年功序列のお堅い組織の場合、出世ルートがだいたい決まっているので、これまでのポストを聞いておくことで、その人が次にどの部署に配属されるか、占えたりもする。

【5】名刺ホルダーは組織別にまとめる

名刺ホルダーは、1ページ10枚入れられるバインダー式のものを使っていた。部署別に、局長→部長→課長→補佐→係長と、上から下に役職順に並ぶようにしておくと状況によって誰に連絡を取るべきかすぐにわかるので便利。

【6】競合他社とは必ず名刺交換する

現場で張り番になった時など、顔を合わせる競合他社とは必ず名刺交換する。名前で記事検索をかければ、いつから記事を書いているか(=何年目か)専門は何なのか(=何か握っているのか、応援で来ているだけか)など分かるので、その現場に他社がどれだけリソースを割いているか逆算できる。

思い出したのはざっとこんなところ。名刺自体の整理というよりは、名刺からどこまで情報を得られるか、といった話かな?

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