外資に入って本当の英語力とは何かを考える

昨年、10年ほど勤めた会社を退職し、外資系製薬会社に転職をしました。

転職に関しては色々書くことがあるのですが、英語について。今回は前職でベルギー駐在のときと、現職で外資系に勤めているときで感じる必要な英語力について考えたいと思います。

先に結論を言うと

英語以外の能力を身につけてこそ、真のコミュニケーションとなる
1 推測する力:世の中、キレイな英語だけでない
2 価値を提供する力:英語を話せること自体に価値がなくなる
3 度胸:日本語アクセントは誰も気にしていない

そしてこの記事はこんな人にオススメです

英語を勉強しているが何を目標にすればいいか考えている人
英語の伸びに悩んでいる人。スピーキング、リスニングに悩んでいる人
外資系で英語をバリバリ使うレベルに興味がある人

まず私の英語のレベルについてですが

TOEIC955(2019年11月)・英検1級(2019年11月)

日本で一般的には英語ができるというカテゴリーになると思います。

ただ私は日本生まれ・日本育ち、帰国子女でもなければ、海外に初めて行ったのは20歳を超えてからです。

ということで、最初から英語ができる様になったわけではありません。

なんならハネムーンでハワイに行った際には、英語ができなくて散々な目に遭いました・・・

普通のレベルの英語力から外資系でバリバリ英語を使うレベルまで上げてきましたが、ほぼオンライン英会話のおかげ。


そして勉強の甲斐あり、前職では2年に1人しか行けない駐在の権利もいただきました。

駐在先はベルギーのフランダース地方。現地人は英語ネイティブではありませんが、オランダ語圏ということもあり、かなりレベルが高い英語力です。

そしてベルギーでの仕事は英語母語語圏との仕事も多く、今から思うといわゆるキレイな英語に触れていることが多かったですね。

その後、ベルギーから帰国して色々あって転職をします。

転職先は外資系製薬メーカー。上司は中国人。私からするとこれかれが英語を使った仕事の本番という感じです。

外資での英語とは

果たして日系企業で英語で仕事をするということと、外資で仕事をすることでどういう違いが見られるか、考えてみたいと思います。

1. 世の中、キレイな英語だけでない

まずは感じたことは、多種多様な人種のアクセント。まず理解するのに苦労します。

上司は中国人、上司の上司はスリランカ人。

同僚はインド人、オーストラリア人、韓国人など。

本国と話をするときはイギリス人、アメリカ人が出てきます。

そこでリスニングで玉砕します。

特に中国人、インド人のアクセントに慣れませんでした。

例えば、中国人の上司はSpecをスパイク、heightをヘイトと発音します。

最初は何を言っているのか、わかりませんでした。

インド英語は有名ですが、thやwの発音が特徴的で苦労します。そして早口。

しかし、これこそが本当の英語を国際語として使うということですね。

イギリス人・アメリカ人が話す英語だけが英語ではありません(大事!)。

むしろ、それ以外のノンネイティブの英語の方が圧倒的に割合としては大きく、それらを理解できるかというところにこそ、国際語としての意味があるのではないでしょうか。

普通に英語を勉強していると、まずは純正英語にしか触れないと思います。

教科書はアメリカ英語ベースですし、Netflixでわざわざインド映画を見ない限りインド英語は聞かないと思います。

ましてや中国人が話す英語は、中国人の友達でも作らない限りは巡り合えないのでは。。。

これらの各国のアクセントを理解できるようになることは大きな違いを生みます。

ではどうやってか理解するかというと、それは推測する力です。

ヘイトと聞いてheightと瞬時に推測する力です。もはや、これは英語ではないです。

相手が言っていることをそのまま脳に入れるのではなく、言い間違いがあることを前提にして汲んであげる。

そうすれば「あぁー、たぶんheightのことだな」と思う様になります。

この境地に来ると、あまり気を張らなくても理解できるようになります。

2 価値を提供する力:英語を話せること自体に価値がなくなる

そして、英語を話せること自体には意味がなくなっていきます。

日系企業ではそもそも英語を話せる人自体が少ないので、ただただ英語を話せるということだけで、会社での存在意義が上がると思います。

しかし、外資ではレベルの差こそあれど、ほとんどの人が英語を話せると考えていいでしょう。

そうなってくると、英語を話せることで自分の力を発揮できなくなってきます。

というか、むしろ外資での日本人のポジションは日本市場を管轄することなので、日本語でのコミュニケーションがしっかりできることの方が重要。

ですので「英語を話したいから」という理由だけで、外資に転職するのは危険。

専門性を持った上で、英語を掛け合わせることが最も大事。

3 度胸:日本語アクセントは誰も気にしていない

1と関連しますが、英語のアクセントなんて誰も気にしていません。

TwitterやYouTubeでは日本の芸能人が英語を話している場面に関して、やれ「発音が汚い」「文法が合っていない」などのツッコミを入れる人がいますが、仕事の上ではこれは二の次。

まずは、伝えたいことを伝える。これができないのなら、どんなに発音が上手でも意味ゼロ。そもそも上のようなツッコミを入れる人は「日本語でさえ」そういうことができているだろうか?

むしろ、外資だとフランス語なまりの英語を聞くと、おしゃれーと感じてしまうほど。日本人のコテコテしたアクセントも堂々と話せば、かっこよく聞こえるものです。

ただ1点注意として、話す側の意識としては、発音や文法の向上を疎かにしていいいというわけではありません。

発音が壊滅的だと、多くの場合、聞く人にだいぶ負担をかけています。伝わればいいというのは事実ですが、最低限のレベルに到達しようという向上心は忘れてはいけません。

まとめ

日系と外資、両方とも英語は重要な能力であることは変わりませんが、求められることはだいぶ異なってきます。

「英語が好き・得意」というだけではいずれにしても、天井が知れています。

自分が何を求められているかを意識して、日々勉強していくことが必要ですね。

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