フィリピン通信大手グローブテレコム(GLO)、2024年第1四半期 (1Q24)好決算〜オンライン決済サービス事業GCashが収益に大きく貢献

フィリピンの通信会社グローブテレコム(GLO)は、2024年第1四半期 (1Q24) の決算で予想を上回る好成績を収めました。特に、オンライン決済サービス事業のMynt (GCash)が収益に大きく貢献しています。

業績ハイライト

  • 1Q24のコア利益は58億ペソとなり、前年同期比13%増、前期比41%増となりました。これはアナリストの予想を上回るものでした。もMynt (GCash)が9億6,100万ペソと最大の貢献者となっています。

  • 売上は、前年同期比3%増の411億ペソとなりました。モバイルデータ収入は前年同期比10%増となっており、これは、より高額なプランへの移行 が奏功したものです。

  • 家庭向けブロードバンド収入は、7四半期連続の緩やかな減少の後、前期比で横ばいの61億ペソとなりました。加入者数は、GFiber Prepaidが2023年第3四半期に開始されてからプラスに転じていますが、競合他社に遅れをとっています。しかし、プリペイド方式の光回線にはまだ大きな未開拓市場があることから、今後ネット有線加入者数がさらに増加することが予想されます。一方、固定通信セグメントでは、法人向けデータ通信の10%増により、収入は横ばいとなっています。

ABキャピタルアナリストの見解

  • GLOに対するO/P (アウトパフォーム) レーティングを継続し、アナリストコンセンサス以上の2,800ペソ/株の目標株価を提示しています。Mynt (Gcash) が 1Q24 の利益の約 14% を占めており、今後テレコム業界の主要なけん引役になると予想しています。Mynt はまた、GLO の収益の多様化にも貢献しています。

  • これまであまり注目されていなかった通信セクターですが、最近になって投資家の関心を集め、年初来で市場をアウトパフォームしています。TELの2024年第1四半期の予想を上回る好調な業績がセクターラリーを促したようで、GLOや CNVRG もそれに続くように好調な業績を発表しています。注目すべきは、先月頃から外国人投資家が徐々にこのセクターに注目し始めており、TELとGLOには純買い越しが見られています。アナリストによるレーティングは、3社とも買い推奨となっており、CNVRG がコンセンサス目標株価 (50%増の14.19ペソ/株) に対してのupside ポテンシャルが高く、次いで TEL (16%増の1,695ペソ/株)、GLO (14%増の2,180ペソ/株) と続いています。

まとめ

フィリピンの通信会社GLOは、特に金融事業のMynt (GCash) の好調な業績により、2024年第1四半期に予想を上回る好成績を収めました。また、アナリストは引き続きGLOを買い推奨しており、今後さらなる業績拡大が期待されています。

本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20240516のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。

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