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スクラムフェスニセコのカメラマン雑記

去年とは大きく形を変えたスクラムフェスニセコに参加してきました。
前の週にスクフェスニセコ運営メンバーで前職の先輩のやまもとさんと飲みに行ったときに、「カメラマン必要だったらやりますよー」と言ったら本当にやることになった人です。けっして運営メンバーではないただの一般参加者によるレポートです。
トップ写真は客室から撮影した羊蹄山です。

オープニング

去年のスクラムフェス札幌から大きく方向転換するにあたって何をやる/やらないようにしたのかという話や、運営も参加者同様楽しむことができるように考え抜いた結果の形式であることを話していました。去年のスクラムフェス札幌にボランティアスタッフとして参加していても運営側に疲れが見えていて余裕のなさが伝わってきていたので、すごくいい方向に舵を切ったように感じました。
また、ちょっとしたお土産が貰えるビンゴが用意されていて、近くの参加者同士で挨拶をするアイスブレイクを挟んでコミュニケーションを活発にする工夫がありとても面白かったです。Markさんにすごく似ている上半身が黒く4本足で歩いている生き物が会場にいたので、あれはきっとクマだったんでしょうね…

オープニングで丸つけて以降更新してなかったビンゴ君…

Akiさんのkeynote

全体の話はaki.mさんのブログで触れられているので個人的な感想が入る箇所だけピックアップします。

自己紹介

アジャイル札幌のメンバーから「人と関わることで得られる経験を大切にする」をテーマにお願いされていた keynote という導入で話が始まりました。
Akiさんの自己紹介の中で、スクラムに熱中していた時期や反対にスクラムに対して斜に構える時期があったという話もあり、非忠誠の誓いの考え方を大切にしているという話を聞いて、Akiさんというすごい人と印象から人間味を感じた話でした。

アジャイル札幌のすごさ

そこから今回のスクラムフェスニセコが開かれた経緯として、去年のスクラムフェス札幌で起きたアンチハラスメントに対するフィードバックに対する話がありました。センシティブな内容なので触れるのに躊躇いがありつつも「部屋の中の大きな象」のように無視しちゃいけない話題で、Akiさんが運営メンバーも楽しんでほしいし、参加者/運営と分断された関係になってほしくないという思いを話していました。私も去年ボランティアスタッフとして参加していて、もう少しできることがあったのでは?など考えていた時期もあったので、この話を聞いていて色々な感情が沸いていました。
その後アジャイル札幌のメンバーが一度立ち止まって、自分たちが大切にしたいことをゼロから積み上げなおし、好評だった北海道ギフトなど含めやめる判断をした勇気がすごいという話をしていて、一参加者として思っていたことだけにすごく共感できる話をしていました。

コミュニティへのかかわり方

コミュニティのすごさについて話した後、Akiさんが「英語を話せないことは行かない理由にはならない」ということでGlobal Scrum Gathering 2023 Amsterdamに行き川口さんたちに色々助けられたエピソードを聞いて、同じ理由で海外旅行に踏み切れてない自分にグサッと刺さりました。
本題は初参加の人が話の輪に入りやすいように声をかけてあげるだけでも意味があると話していました。私もアジャイルコミュニティで知人ができるまですごく不安で話しかけてくれる人のありがたみを知っていたので染み入ってました。また、合う合わないとかもあるのでコミュニティとの距離感はうまく調整していいという話もありました。

人と人との関係性

ここからが本題で、人と人との関係性について上で「自分のことは自分で決めていい」という前置きをしつつ、感情との向き合い方の話になりました。
自身が感情に支配されているときはそれを認知するのは困難だけど、感情に目を向ける訓練をしているとEQが鍛えられ少しずつ認知しやすくなるということでした。そして、NVCの感情リストなど感情への解像度を上げて潜在的なニーズを知ることで感情に向き合えるようになるという話でした。こういうことをやり始めると自分探しの旅に出てしまうことがあるが、できるだけ日常の中でメタ認知をし続けてほしいということも話していました。こうした感情の発露から他人の話を受け入れられなくなることがあるが、「誰もが正しい、ただし全体からすると一部だけ正しい」「郡盲象を評す」という話にあるように自分なりの正義が入り込んでいることもあるとのことでした。
自分も感情的になっているときに、知識があると冷静になるまでの時間が短くなった感覚があるので、話としてはすごいわかると思いつつこれをうまく切り替えるのはまだまだ難しいなと感じました。
次に、関係性という話において相手のことを分かりたいと思い続けることが大事なのでは?と話していて、そう思えるようになるためには相手を憶測でとらえるのではなく接点を持ってみるとよいとのことでした。人との関係について今まさに課題を感じていたので、この話を聞いて様々な感情が沸いていてその場では受け止めきれませんでした。

OST

Akiさんの話の続き

aki.mさんのブログにほぼすべて書かれているので内容は割愛します。
印象深かった話として、コミュニティに参加すると顔見知りが多く内輪話もできるようなメインストリームにいる人たちと知り合いもすくない周縁化している人がどうしても生まれてしまう話がありました。周縁化している人たちから見ると疎外感などネガティブな感情が沸いてしまうことともあるけど、まずはその状況を認知したうえで周りに助けを求めてほしいとのことでした。私も参加したばかりの時は盛り上がれず疎外感を感じていたが、登壇したりボランティアスタッフをするなど自分なりにアクションすることで徐々に受け入れてもらえてると実感した経験があるのですごくわかるーと感じながら聞いていました。また、今の自分はメインストリーム寄りの立場になっているので、今度は手助けをできるようになりたいとも感じました。

自信はあとからついてくる

参加者の行動した後に自信が沸いた経験を話し合う会でした。参加者から以下のようなエピソードが出てきました。

  • 自分の今の状況を何らかの形で可視化できるようにする

  • わからないなりに実際にやってみること

  • 常に自信はなくて、理想の自分と比べたり頭で考えすぎて行動できなくなっている

  • 自分以外の誰かからの評価を受けて

私は前職で設計とか何もわからない状態でリアーキテクチャを主導することになり、自信がないながらもやり切った後に周りから変化があったという評価があってから自分を認められるようになったという話をしました。そのエピソードについて、Markさんから「この経験からの学びは何だったの?」と鋭い質問が飛んできて、まだまだ言語化できてないことに気づきました。エピソードだけ聞いていると根性論でやり切ったら自信がついたということになってしまうので、伝えたいことはそうじゃないけど何なのか今もまだ言葉にできず今の自分の宿題になってます。

意欲に満ちていない人へのアプローチ

カメラマン業をした後から合流しましたが、やることが大きすぎると行動できなくなってしまうので、小さく分けて具体的なアクションを取れるようにするのがいいのではないかと実践的な意見が出ていて盛り上がっていました。熱量の違いがある相手に対しての議論が多いようだったので、私は「熱量の向いてる方向の違いによって見え方が違っているのかも?」という問いかけをしました。お互いに情熱をもってやりたいことはあるけど優先順位の認識が違っていたためすれ違っていた過去の経験の話をして、必要性や優先順位など前提の認識を揃えることも大事という話をして参加者と楽しく議論できました。

kobaseさんの基調スポンサーセッション

会社紹介しなくてもいいと言われて個人の話をしますということでkobaseさん自身のコミュニティ歴の話になりました(スポンサーセッションとはいったい…)。kobaseさんも初参加からしばらくは声をかけることもできず知り合いがいないままだったという話やそこから一歩を踏み続けて今があるという話は本当に心に来る素晴らしいセッションでした。私はコミュニティのメインストリームにいるkobaseさんしか知らなかったのですごく驚いたのと、一歩を歩み続けるうちに偶然の出会いも増えてきたとiOSイベントで私と遭遇した話が出てきたときは後方腕組みおじさんになってうなづいてました。

Day2開始前の軽い運動

kobaseさん主催の軽い運動ゲーム(名前を忘れました…)に途中まで参加しました。ゲームは参加者で円になって以下の簡単なアクションをテンポよくやっていって詰まった人が脱落していくというルールでした。

  • 決まった方向の1つ隣の人に掛け声を出しながらバトンを渡す

  • 反対方向にバトンを返す

  • (本番から追加)1人飛ばしでバトンを渡す

本番が始まって早い段階でゲームマスターのkobaseさんが脱落するアクシデントもありましたが、参加者同士が和気あいあいと交流していてとても良かったです。

ワークショップ&コーチズクリニック

Akiさんのコーチズクリニック

Akiさんは最初にメタ認知を促すのとソリューションの話のどちらを話す場にしたいか聞いてくれて、今回は課題を何とかしたい思いが強かったのでソリューションについてお願いをしました。お題は、チームの中にあるコミュニケーションで気疲れしてしまう問題で、感情的なコミュニケーションが発生する相手に対してチームメンバー含め受け止めきれずにいるのをなんとかしたいというテーマでした。keynote でも出てきたEQの話やNVCの感情リストなど知識があるかどうかで受け止め方が変わるかもしれないので、チームで学んでみる話など具体的なアクションについて話ができました。30分という短い間でも背中を押してもらって前へ進めそうな気持ちになりすごく充実した時間でした。

感情のベンチレーションをやってみよう

やまもとさん主催のワークショップで、感情的になっている人と冷静に議論できるようになるために一旦感じていることを全部吐き出してもらうテクニックについて議論しました。感情をそのまま受け取る必要はないので適度に受け流していくのがいいと前置きを置いたうえで、相手が不完全燃焼にならないように状況に応じて薪をくべるようなことをやることもあると話していて、バランスが難しいという話をしていました。

kobaseさんのNVC共感トランプを使ったワークショップ

こちらもカメラマン業が落ち着いたタイミングで合流しましたが、本家ルールでワークショップするところだったのでちょうどよかったです。えつおさんの感情が動いたエピソードに対して手持ちのカードから当てはまりそうなカードを出していき、えつおさんが出たカードから近しいものを選んでいく形でした。やってみると微妙に当てはまるかも?みたいなものを出すか悩んだり、出てきたカードから自分だったらこれを選ぶかな?と考えて、えつおさんが選んだカードと比べてみるなど感情のとらえ方の違いが出て面白かったです。

クロージング

まずは参加者で集合写真を撮るカメラマン業をしてました。
道内参加者が半数だったり初参加もかなり多かったなど統計の話があり、その後アジャイル札幌の方が大切にしていることの話で締めくくりました。
ニセコと遠くの地でも初参加の方が多くいたことへの驚きがありながら、コミュニケーションが充実していてとても満足できるフェスでした。

カメラマン的な感想

会場の照明は安定していましたが、プロジェクターの投影に人が重なると顔が真っ暗になってしまうので撮影角度を調整しながら撮影していました。ISO感度を上げてノイズが出ないよう調整していましたが、今度はシャッタースピードが足りず手ブレ写真がそこそこ出てしまったので、まだまだ調整が甘かったようです、RSGTに向けて修行しなおしてきます…
カメラマンとしての活動量は、Day1が5000歩、Day2が8000歩とかなりの省エネで過ごせました、適宜休憩しながらゆるゆると撮影してたのでカメラマン自体の負担はまったくなかったです。

まとめ

イベントが全体的にセッション型ではなく参加型だったので、途中で抜けて休憩したり自然発生的に集まっているグループと雑談するなどとてもリラックスして参加できました。個人的にはおやつ休憩しやすい場所がたくさんあり、ワークショップの邪魔にならないよう気を付ける必要がなく過ごせたのが大きいように感じました。
テーマはコミュニケーションに関することが多く、仕事でコミュニケーションに課題を感じていた今の自分にすごく刺さる内容が多く満足できる交流になりました。

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