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疑惑のコピートレード〜詐欺として立証が難しいけど、やっぱりXデーはやってきた〜amazingtickコピトレ一斉ロスカット事件

事件は、日本の株式相場史上最大となる下げ幅4451円安を記録した8/5の夜(NY市場の8/5なので日本時間では8/6でした)に起こりました。

今まで、全コピトレ主が毎日ほぼプラスの利益を出し、月利10%を超える利益を出し続けたamazingtickのコピトレ主が、全員ほぼ同時に「取引に失敗して資金をほぼ全損」したのです。

前回の記事で、公開時には疑惑のA社としていましたが、この疑惑のA社というのはamazingtickのことだったので、前回の記事のタイトルにもamazingtickの名前を追記していますので、ご興味ある方はこちらの記事も読んでみてください。

さて、このamazingtickが怪しかった件は、前回の記事の通りなので、僕自身は、随分前に怪しいと思い、資金をほぼ全額引き上げ、動向を知るために1万円だけ様子を見ていました。

前回の記事の通り、今年の11月にライセンス取得が決まったという(間違いなく怪しい)ニュースが発表されて、ボーナスキャンペーンが発表されたので、Xデーのリミットは11月より前にほぼ決定したわけですが、実際、いつ、どんなXデーがくるのかいくつか想定していました。

前提としては、ブローカー(amazingtick)とコピトレ主はグルで最終的には、フォロワーの口座残高をゼロにして全額を手に入れるというものです。

ちなみに・・・

よくTITANやExness、HFMなどの大手ブローカーのコピトレで、ブローカーとコピトレ主がグルだとは考えづらい場合でも、コピトレ主が意図的にロスカットを指せる取引をして、資金をゼロにする詐欺だと言っている人がいますが、これらの場合、詐欺ではなく、単純に取引に失敗している(ナンピン系のEAを動かしているだけなど)に過ぎません。ブローカーとグルでない場合、資金が取引手数料(主にスプレッド)からのキックバックしかないので、同値で両建てをして、できるだけ損をさせずにスプレッド分だけ損をさせる取引を繰り返すなどしてロットを大きくしていかない限り、一気に資金を溶かすような取引をしても、手数料自体はたいしたことないので、コピトレ主にはそれほど多くの金は入ってきません。意図的にロスカットを発生させて得をできるのは、ブローカーがグルで市場を通さないノミ取引(ユーザの損=ブローカーの利益)の場合のみです。

パターン1:突然、ブローカー(amazingtick)がアクセスできなくなるか、出金を拒否し始めて、終了

海外の詐欺ブローカーでは、入金促進担当(今回でいうコピトレ主)はロスカットさせずにブローカーが飛ぶことが多いようです。
この場合、コピトレ主は被害者の体でフォロワーとともにブローカーが酷いと吠え続けながらフェイドアウト。

そもそも、ブローカーは海外のブローカーという体(おそらく実態は海外にはない)で、日本の金融庁の認可なしなので、海外のFX会社が破綻したという形を取るものです。

ただ、このパターンの場合、ブローカーの再利用は事実上できません。
ブローカー自体を用意するには、それなりの準備と資金が必要なので、再利用できないこのパターンは避けたいだろうなと思いました。

パターン2:一斉ににコピトレ主がロスカットして資金がゼロになる

日本ではこのパターンが圧倒的に多いです。ブローカーとは関係なく、コピトレ主がただ失敗したと見せるパターンです。

人間なので、もちろん失敗することはあります。それがたまたま大きな損失を出す取引をしてしまったという体です。実際、詐欺ではないコピトレでも、資金がゼロになってしまう取引をしてしまうことはあるので、ある意味自然です。

ブローカーは無関係を装えるので、他にコピトレ主を建てて、何度でも行えます。FOREXLANDのコピトレは、ほぼamazingtickと同じ手法でフォロワーを集めている類似のパターンですが、何度かコピトレ主が同時に複数飛ぶという事象が繰り返されていて、ブローカー自体は健在のまま運営を続けています。

amazingtickは、直前まで出金もスムーズに行われている中で、パターン2が起こりました。あらたにコピトレ主をたてるか、今回のコピトレ主が反省して、損金を取り返すために立ち上がるというストーリーで、ブローカー自体は再利用するのであれば、今回の取引の残りカスの出金は実施されるでしょう。

単純にブローカーはちゃんと運営されていて、それを使っていたコピトレ主の一部(といっても実際には全部ですが)が取引に失敗しただけという見え方にするというものです。

そのために、おそらく、大きく相場が動くときを待っていたんじゃないでしょうか。不謹慎ですが、日銀の為替介入みたいですね。

日本人があまり起きていない時間帯で、大きく相場が動くタイミングであれば、多くのコピトレ主が強制ロスカットされたとしても、違和感はそれほどありません。という意味では、今回の史上最大のマイナスを記録した夜のNY取引時間というのは絶好のタイミングだったのでしょう。

この取引自体、市場を介していないと思うので(でないとブローカー側がもうからない)確認していませんが、疑惑のスキャルピング同様、市場の価格とは全く連動していない取引が捏造された可能性もあります。もしくは後付で、ある程度、市場価格に合わせて取引をしたことにしているかもしれません。

ちょうど1年前に同様のXデーが訪れたAssasinFXの場合には、出金遅延が発生するようになり、その後、コピトレ主が一斉に飛んで、最終的には、ブローカー自体がアクセスできなくなってなくなりましたので、パターン1とパターン2の組み合わせでした。

AssasinFXと今回のamazingtickのケースは、かなり類似している部分が多いですが、amazingtickの方がブラッシュアップされていた感があります。

詐欺の立証はできるのか?

法律の専門家ではないので、あくまで素人が考えていることではありますが、詐欺として立証するのは、おそらく不可能に近いと思います。

一般的に、詐欺は、欺罔・錯誤・交付行為・財産移転が構成要件で、さらに、これらすべての因果関係を立証する必要がありますが、なかなか立証できないことが多いです。

今回のケースでいうと、金融庁の登録業者であったかどうかを除いても(これはみなさん誤った認識が多いですが、金融庁の登録がない=怪しい業者だということではありません)今回のケースを単純化すると、

「ユーザがコピトレに申込み、コピトレ主が取引に失敗した」

だけになります。

この取引に失敗したことが、わざとしたことなのか、ちゃんと儲けようとしてやったのに、たまたま失敗してしまったのかは、外側からみたら全く判断がつきません。それをわざとやったんだと証明することは至難の業です。これこそが今回の事件の立件が難しいポイントです。

そもそも、ブローカーとコピトレ主がグルで、毎日儲かっていたように見えていた取引もインチキで、最終的に金を丸ごと詐取するために、損をする取引をわざとやって、その金をだまし取ったということを証明しないといけないのです。

しかも、海外のブローカーという体なので、捜査も難しく、実際コピトレ主が誰なのかを突き止めることすらできるのかどうか。

考えられる糸口としては、例えば、コピトレ主のXのアカウントは有料のものを払っているので、Xに警察から開示請求を出せば、支払い情報が開示されますし、アクセス元のIPアドレスも開示されるとは思いますが、ここまで準備している詐欺集団であれば、使用されているクレジットカードも辿れるものを使っているとは思えず、IPアドレスにしても、自分たちにつながるおようなものは使っていないと考えられます。

あとは、ころころ変わっていた国内の収納代行会社ですが、こちらは口座からすぐに名義人までは辿れると思いますが、そこから先の金の流れが追えるかどうか。

前にも記事にしましたが、日本人が日本の金融庁に登録のない海外のFXブローカーに口座を開設して取引をしても、違法ではありません。ただし、誰も助けてくれません。まさに自己責任の世界です。

今回のケースは、「ユーザが海外のFXブローカーのコピートレードに申し込んで、コピトレ主が取引に失敗し、資金を失った」だけに見えるのです。

実際には、このブローカーもコピトレ主もグルで、Xデーには、取引に失敗して全額を失う予定で、それまでの間、儲かっているように見せていただけなのですが、そこの因果関係も含めて被害者が証明できなければ、やはり、「ユーザが海外のFXブローカーのコピートレードに申し込んで、コピトレ主が取引に失敗し、資金を失った」だけでしかないんです。

間違いなく、すでに資金はマネーロンダリングされているので、奇跡的にこの詐欺グループの正体が判明して、詐欺も立証でき、有罪にすることができたとしても、失ったお金がもどってくるかというと、おそらく、戻ってくることはないでしょう。

ここから寄ってくるのは、「お金を取り返しましょう」という言葉を合言葉にしたような人たちです。

訴えましょうという弁護士、これは、依頼料目当てです。実際に戻ってくる確率は低いです。

投資で取り返しましょうというEAやコピトレ、投資系の業者。
これらの中には、問題ない業者もあると思いますが、一度詐欺に引っかかった人は、引っかかりやすい人なので、詐欺師にとって格好の獲物ですので、詐欺師もたくさん混ざっていると思います。

ないと思いますが、くれぐれも今までのコピトレ主が、「反省して取り返すので、もう一回信じてください」とか言っても信じてはいけませんよ。

今後の報道はどうなるかというと、おそらく、マスコミの記者は、この構造が理解できないので、仮に報道されるとしても、ステレオタイプに、「金融庁無認可のFX会社」に申し込んだ人たちが訴えているという程度の報道になり、世間的には、「金融庁無認可のFX会社」=違法業者なのだから、自業自得だよな(自業自得であるのは間違いないのですが)で終わるんじゃないでしょうか。

あるとして、SNS(=交流サイト、この呼び方自体が終わってます)を通じて、他人の取引をコピーする取引で儲けられると誘われ、「金融庁無認可のFX会社」に入金した人たちが、資金を失ったという感じでしょうか。

NETFLIXの地面師たちの続編で、FX詐欺師たちとでもして、全体を映像作品化してくれないですかね?w

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