【読書録No.1】辺境の老騎士1~炊きプランの卵まぜの破壊力~
作中に出てくる食べ物、「炊きプランの卵まぜ」。
おそらく、私たちの世界で言う卵かけご飯のことだと思う。
食べ方を知らない騎士おじさん二人(一人は名家に長く仕えた騎士、もう一人は領主様でもあるやんごとなきご身分の騎士なので、卵かけご飯なんて食べたことなかったんだろうな)に、「これは食べ物じゃない、飲み物なんだ!」と食べ方を教える盗賊の青年。
喉をするすると通るなめらかさと美味しさに、「うまい!」と感激しながら、がつがつかき込んでいくおじさん二人。
こんなん夜中に読んじゃったらさぁ!!
もう次の日の朝、卵かけご飯食べるやん!!(食べた。)
「辺境の老騎士」、1巻。
購入したもののなかなか読破できておらず、数年本棚に眠っていた本の一つ(他にもそういう本はある。めっちゃある。)。読めていなかったのは、私の集中力と体力がポンコツなせいです。作品に全く罪はありません。
年末からお正月休み、そして最近の平日の就寝前の時間を使ってコツコツ読み進め、昨夜ついに読み切ったのが嬉しかったのと、とても面白かったので、忘れないようにメモを。
死に場所を探す旅に出た、老騎士のファンタジー×グルメな物語。
主人公の老騎士バルド・ローエンが、旅の中で立ち寄る町で、毎回何かしら美味しそうな食べ物をこれまた美味しそうに食べるので、夜中に読むと辛い。飯テロ。
もう、メニュー名だけでお腹空く。
「コルルロースの臓物の煮込み」とか。
「騎士魚の大皿」とか。
「カルナッツのかまど焼き」とか。
「燻し焼き酒」とか。
あ~~~うまそ~~~~。
何かわかんないけど、うまそ~~~~。
この物語の世界の料理だから、当然聞いたこともない食材の名前がごく当たり前に出てくるけれども、なんとなく「あー、私たちの世界で言うと、あれかなー?」という感じで伝わってくる不思議。
見た目、香り、舌触り、食感、味、味変してみての味…。
バルドがひと口ひと口、食べることを楽しんで料理を味わっているのを見ると、食べること自体にもっと集中して、美味しく食べなきゃなぁなんて思ってしまう。ニコニコ見ながらとか、スマホ触りながらとかじゃなくて。
訪れる町や村の空気、人々の暮らし、文化、価値観、言葉、民族も色々な形があって。
私たちの世界とは異なる、確かな一つの「世界」があると、まざまざと感じさせられた。
町があれば、それを治める領主、そこに生きる民がいる。
人外の民族には、独自の信仰や価値観がある。
人間同士だからといってわかり合えるとは限らず、人外の民族と心通うところもある。
作者様は、創造主なのか…?神…?
どうやら、5巻で完結のよう。
今ある積ん読を解消したら(いつになるかは…うん…)、2巻に手を出そうか。
明日の朝も、卵かけご飯にしよう。