PM季報01 ーもどかしくも、思いは伝わらないー
こんばんは。瑞田多理です。
この夏から実はフリーのエンジニアになっていました。初受託業務は開発のマネジメントです。お前はエンジニアなのかマネージャーなのかというツッコミが飛んできそうですが、
エンジニアだからできるマネジメントもあるし、
エンジニアだからできなかったマネジメントもある
という話……を、季報としてまとめておきたいと思います。そろそろ今の現場とも、おさらばになりそうなので。
これからPMを志すエンジニアのパンくずと慣れれば幸いです。
ナンバリングはしていますが、思い出した順に起票するので、ステップアップ的な意味合いはないです。
では、どうぞ。今日のテーマは「コミュニケーションエラー」です。伝わらない思い、もどかしさの中で答えを模索した僕らは、何を見出すことができるでしょうか。
パターン1:伝達忘れ。
プロジェクトマネージャーの職務は、「情報を止めない」ことに尽きるというのが、今のところの実感です。
要件が降ってくる。レビューの結果が返ってくる。ご指摘、お気持ち、お怒り……そう言った諸々の情報を良い感じにフィルタリングして(いつかのテーマにします)適切な担当者に、適切なタイミングで伝える。それがPMが、何を置いてもやるべき事です。
この内「適切なタイミング」というのがくせ者で……タイミングを誤ると、作業者が混乱したり、覚えきれなくなったりして作業効率が落ちる事がままあります。なのでできるだけ良い時期に渡したいのですが、PMも人間なので、情報を持っている内にPM自身がその情報を忘れてしまったりします。PMが忘れた情報は、もうどこにも残っていません。後ほど先方からの怒られによって発覚するまで……。
対策としては「情報伝達を非同期化すること」だと思っています。
なにも対面でのコミュニケーションだけが伝達ではありません。チャットに投げたり、プロジェクト管理ツールがあればそこに起票だけしておいて、「あとで読んでおいて」と言っておけばOKです。
タスクの開始日が設定できるならなお良しです。作業者は開始日が来るまで、そのタスクのことを忘れておくことができて、然るべき日に思い出すことができます。
パターン2:伝達した気になっている。
情報をたくさん持っていると、どれを、だれに伝えたのかが分からなくなることがあります。特に社外の人が関わってくると悲惨です。「社内会議で共有したはず……」とか、「このチャットで共有したはず……」とか、「え、あの人から伝わっているはずでは……」とかいった『言ったつもり』が発生します。作業者からすれば聞いてないわけですから、当然追加作業は突っぱねられます。あるいは費用のネゴが入ります。エグいです。
対策としては「情報の伝達経路を一元化すること」を採択しています。
複数の方向から情報が飛んでくる状況は、作業者も混乱しますし、PMとしてもどこに投げるのかを選択するコストが発生するので望ましくありません。統合しましょう。目の前のプロジェクト管理ツールはお飾りではないはずです。
タスク化する類いでもない共有についても、できるだけ一元化したいところです。複数のチャットチャンネルがある場合にはできるだけ一カ所に。また、個別チャットは絶対に使いません。同じ理由で社外の人間に電話での口頭伝達など論外。「聞いてません」ととぼけられたら終わりです。
パターン3:伝達したが相手の理解が間違っている。
特に外国の方と仕事をするときに起こりがちなエラーです。こちらの意図したとおりに伝わっていないまま作業が進んでいて、完了報告だけは着々と上がってくるので安心していたら、レビューの日に火を噴くというパターンです。死ぬかと思いました。
対策としては「理解を引き出すまで対話する」……というのは理想論で、今のところの現実的な解は「レビューの頻度を上げる」ことです。
方向修正をするタイミングを増やすことで、最終的な品質担保から大きく逸れないようにするというものです。
決して、外国の方が悪いわけではありません。言葉の壁は厳然としてあるし、そもそも情報を伝えられないのはPMの責任です。それに、日本人同士でも発生しうるし。
レビューは重要です。回数を増やせれば品質は確実に上がります。レビュワーが合理的であれば……。(この辺もいつかのテーマにします)
おわりに ーきっと伝える思いー
以上を意識した結果、火だるまだったプロジェクトがそれなりに回るようになりました。少なくとも開発の火を消す用意は出来ました。企画側の山火事は……まぁいいや。
PMの一番重要な仕事であるコミュニケーションについて、エラーのパターンと方法を書きました。
誰かにこの情報が伝わって、役に立てば幸いです。
それでは。またいずれ。
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