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裏社長室(第11回配信)を見て、考えたこと、感じたこと。

隔週水曜20時配信、緒乃ワサビさんの「裏社長室」(第11回)の感想等です。

テーマは「2023年」。2023年も間もなく終わりですね。

長い休みには大体、岐阜に帰省をしています。今年は既に冬休みに入っていて、26日のうちに帰省を済ませました。岐阜の家でこの配信を見るのは初めてです。

冬休みといえば、若い頃…そんな前でもないか、は、12月23日がお休みでした。カレンダー次第では、1月年始よりも12月後半に休みを膨らませた方が効率よく休暇を増やせたこともあり、逆に言えばそんな年は、新年あける頃には、既に意気消沈していました。ぶっちゃけ、なんもおめでたくない。なんなら

「あけまして、くやしいのう。」

くらいのもの。大阪のことは、今でこそ大好きですが、大阪で働いていた頃は出稼ぎ意識が強くて、仕事のために大阪に戻らなければいけないのが、とにかく憂鬱でした。
今はそれが東京になり、岐阜との距離は倍になり、かつてよりさらに働くという行為も嫌になり、くやしさはひとしおです。

          *

話が逸れました。裏社長室の11回の配信は、すべてリアルタイムで視聴しました。それどころか、ほぼ毎回おたよりを送っているというハマりっぷり。

とっかかりは何だったかな、と考えました。そして、いろいろと思い出しました。

東京に出てきてまだ何ヶ月、という2020年11月頃、秋葉原へ行ったときに、白昼夢の青写真を購入しました。

パッケージを見て、ちょっとモニョりますけど、「なんか随分絵とか(昔に比べて)進化してるけど、このかわいい子が、そういうことするん?」という、強い興味が湧きました。

何年も、いわゆる美少女ゲームから離れている時期でした。その日も本当に偶然、ゲームショップに入りました。
あの偶然がなければ?

作品は、素晴らしい完成度でした。特に印象に残ったのは、凛と有島のCase1。

なあなあな空気に負け、変わり映えのしない毎日を繰り返し、そんな暮らしにこころ満たされるものはなく、ただ渇きだけが増していく。

しかし立ち上がる気力は知らず失われ、何かを変える努力もしないくせに、おれはこういうもの、という諦念の中に生きつつある自分。

凛に出会う前の、有島そのもの。ああまで悲惨ではないにせよ、どこか現状、思うところのある自分自身に、グサグサと刺さってきました。何というか、魂を激しく揺さぶられました。

その日の晩に、夢を見ました。私ではない造形をした私と、誰か、おそらく女性。というか、脳内で3次元処理された、凛。凛に似ていなくても、私が凛と認識していた、誰か女性。
日本のような、外国のような、夕焼けの海と浜辺。

私でない私は、怒っているのか、悲しんでいるのか、わからないけれど、涙を流しながら海に向かって叫んでいました。でも、声は出ていない。聞こえない。それも悲しくて、やっぱり叫びました。

おかしな夢を見ることで、記憶と感情を浄化しなければいけないほどの揺さぶりを、作品から受けていたのだろう、といったことを覚えています。

           *

それでも日々の移ろいの中で、私自身いつまでも慣れぬ東京の暮らしでいろいろとあった中で、その存在を忘れかけていた、ある日のことでした。

Twitterで、「白昼夢の青写真」の展示会とトークショーを開催する旨の告知を見つけました。

ああ、あの作品だ、と思いました。そもそも、ゲームクリエイターの方々のクローズドなイベントに参加する機会などなかなかありません。
ましてやあの作品を作った方々のトークショー。
行ってみたいなぁ、という強い好奇心が湧きました。

           *

2022年9月3日。自分がおっさんではないと思っていたわけでは決してないけれど、想像以上におっさん化しとるやんけ、と思いました。社会の中で、という意味でです。

というのも、ラプラシアンの皆様方が、みんな若かったのです。たぶん、自分の中のむかしの、美少女ゲームブーム当時のクリエイターの方々は、私とそんなに年も違わなかったはずです。というか、私の方が若いくらいかも。
そこから全然、アップデートしていなかったんですね。

なんだか、めちゃくちゃ恥ずかしくなって、「場違いだ。早く帰らねば。いい年して、おれは何をしているんだ。」と、ちょっと思ってました。

ところが、当たっちゃうんですね。
会の最後にNintendo Switch版の販促用の、サイン入りポスターの抽選が行われたのですが、いの一番の当選者に私が。こそこそ帰りたかったのですが、名乗り出ないわけにもいかずで、おずおずと。。

他方で皆さんの、「しまった!なんかおっさん当ててもうた!」感。流れる微妙な空気。

でも、アフターコロナに差し掛かる時期で、久々のイベント、私としては初めて参加するタイプのイベント、みたいな高揚感もあって、楽しかったです。

家に帰ってきてから、緒乃さんのFAN BOXに登録したはずです。ゲームもイベントも楽しかったし、コラムもきっと面白いはずだ、と思ったのでしょう。そのあたりをいま、久しぶりに思い出しました。

どう定義したら良いのか、というのはあります(コンテンツの提供を有償で受けるという点では、特定の作家の作品の単行本を電子書籍で買い続けることと何が違うのか?と言われれば、よく分からない。)けど、「このタイプ」の有料コンテンツに加入したのは、緒乃さんが最初でした。

私が仮に、料理屋とかタクシーの運転手とか、サービスへの対価として、直にお客さんからお金を貰う、というスタイルの仕事をしていればまた別でしょうが、そうではありません。

良くも悪くも、仕事への対価としてお金を貰うという生々しさを薄めた形態……まあ、平たくいえば雇用主から事前に定められた額を給与として受け取る、という働き方しかしたことがないので、ある意味お金を出す、ということに対して若干センシティブというか、やはり、有料と無料とでは心理的なハードルが違います。

それこそさっき書いた、「作品を買うのと何が違うんだ?」を突き詰めていくとようわからんのですが、なんとなくこの点で、クリエイター・緒乃ワサビさんは特別だな、という思いはあります。

なので、今にして思えば、当時のFAN BOX加入への呼び水となった、この22年9月のイベントが一番の転機だったのかな、と感じています。

その後は、今年の旧オフ会や朗読劇にも参加しました。朗読劇が終わり、裏社長室が始まる頃、私は、何か楽しいことを見つけたい、という理由で、白昼夢の青写真の二次創作を始めて、この場(note)で何やらかんやら書くようになりました。

当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、全てはやはり面白そうだとか、好奇心だとかが起点になっているのですね。

決して、要不要ではないのです。だから、SR400を手放してはいけないのです。

そんな縁の端緒を、2023年の年の瀬に思い出しました。
他にいろいろ、面白い、興味深いお話はありましたが、今回はこのあたりで。
それでは、よいお年を。

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