教室について──なぜ彼らは黙りこくれないか?

 高校の時、俺は基本ぼっちだった。
 誰かと自分から口を利いたことなんて、マジでない。
 回りがあまりに違いすぎた、というのはある。支援学級と普通のクラスを往来してた頃から、普通のクラスにもっぱら通うようになってからというもの、自分と他人の違いは肌身に感じられるようになった。

 そう、普通の奴らだ。なぜ彼らは一々叱られなければ黙れないんだろう。支援学級とは違って大勢だから、一人二人不真面目な人間がいるのも仕方ないけれど、それが十人くらいいそうなのが困った。
 小学の時から高校まで、本当に教室が似た雰囲気だったんだよね。どいつもこいつも(基本、悪い意味で)間の抜けた連中ばかりで。

 なぜあいつらは下ネタで盛上がれるのか? 下らない雑談で笑い合えるのか? トイレに付いていくよう要求するのか? その全てが理解不能だった。
 それくらい僕は几帳面だし、生真面目で頭の固い人間なのだ。自分でも困っちゃうくらいにね。

 勿論真面目な話とかでは黙るんだけどね。浅はか過ぎる。そんな奴らが俺より友達もよくて生活充実してるんだろうな…って思うと腸(はらわた)にえくり返んよ~。

 心の中でそうやってみんなを見くびってたんだと思う。あの頃の俺は誰かとこっちから話そうと言う態度がとても身に付いてなかった。これには性格以上に障害の問題もあったんだろうけど、やはりいじめの経験がすごくこたえているのは…ある。
 こういうひねくれた性格のせいで高校では一人も友達なんて出来なかったよ…。
 みんながうらやむ青春なんて、俺には到来しなかった…ぐすん。

 授業中にしゃべる奴らは大学でも以前といるし、連中への嫌悪感はいまだ厳然として残っちゃいる。

 そんな感情はさておき、最近はようやく誰かと打解けようと言う気分にはなってきた。例えばlineで通話するとかさ。少しずつ成長は感じられてきてて。人と話すことの楽しさも実感されてきたしな。(話すことは実はそんなに苦手ではない)

 でもやっぱり一歩踏み出すのが怖い。一歩踏み出そうとしないから人づきあいも進展しない。他にしたいことがある、という言訳とか、あるいはどうでもいいスマホの使方に貴重な時間は消えてしまう。