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何かをやってる時にしか、何者かにはなれない

 みんな、春休みをどう過ごしてるだろう。僕は来週、人生で初めてのバイトをするつもり。これまで叶わずに来たことだ。今までしようとすればいくらでも機会はあったはずだが、勉学と就活にさえぎられていた。
 どれにしろこの休みを過ぎれば僕はもう大学生じゃない。振返っても空虚で、得るもののない大学生活にしてしまったことを後悔している。

 夏休みにしたってそうだけど、長い休みって辛い。どうやればあらゆることに有益に時間を使えるか思い悩むが、自由な時間が余りに沢山あるだけに大変。
 絵を描いたり、小説を書いたり、歌を詠んだり、やりたいことは数えきれないが、そのどれも手につかない。気づいたらスマホをいじってるだけだとか、紙に筆を立てて立止まってるとか、そういう瞬間ばかりに出くわす──これほどの悲劇があるか?
 お風呂の中ですら体を拭いた後、しばしば立ったり座ったりしたまま静止してることがある。僕たちは、やむを得ず多くの時間を失ってしまう。

 その瞬間、何者でもなくなる。英語で言うところのnobodyになる。

 常に違う行動ををとり続けるのは、非常に労力のかかる仕事なわけ。
 人間ってさ、何かをやってる時でしか何者かになれないと思うんだよ。今までに成し遂げたことを思い出しても何にもならない。むしろこれから何をすべきか常に考えていなければならない。それに取り組んでいる最中がもっとも大切。実際の行動をしている時、人は初めて語り得る物を持てる。
 自慢なんて始めたら人間として終わりだから。
 誰かがある人をすごいとか天才と呼んでるのだって、そう考えて観ると概念を捉えて誉めているだけなんだな。別に意味のあることじゃない。ただの名声に過ぎない。まして、そのすごいとか誉められる人たちにも何者でもなくなる瞬間があると思うと、結局同じ悩みを持つ人間なのだ。いつか消え行く塵に変わるところはない。

 だから「君の特技、長所は?」と訊かれても答えられない。人に誇るべきものなんて僕には何もないと心から思ってるし、僕が人よりも優れてることがあったとしても上位互換あふれてるからさー、誇るに足りないんだよ!!
 平凡か、下手すればそれ以下って所にいつも自分を位置付けてる。

 毎週決まった日に必ずこれをする、ってのも苦手。
 できることなら毎日やる方がずっと楽だし効果的なはずなのだ。だが、やることを選び、迷う間にその時間はもう失われている。失われた時間はもはや帰ってこない。僕はそれを一番恥ずかしいと思う。
 小説書くのも大変だ。やっぱりさ、連載始めるのに後々の話まで書いて貯めるのって失敗だな! 本当はほんの冒頭だけに推敲の時間を費やすのがいいはずなんだ。けどあまりに未投稿の文章を保存したままだと、実際にネット上に投稿するのに物憂くなってしまうからな。
(作品の形にすらなってない、書きかけのデータがどれだけ放置されてることか。公開したら面白いのかな?)

 勇者代理もそうだったけど、まじで完結するのかどうか心配になってきたわ…(魔法少女デス・ゲームは打ちきりだ、本当に申し訳ない)。日本未来誌も設定ばかりは莫大に膨らんできてるけどあれを読者に分かる形で伝えるのってすごくむずい。
 ここから分かる。歴史を一つのお話として語れる人って実に賢いと思うよ。だって実際の歴史ってもっと雑然としてるし、きちんとした因果関係なんて存在しないからな…。
 完全な自分事にはなってしまうけど、いくつか抄史シリーズを書いたお陰で歴史の性質をぼんやり理解できる気がするかもしれない。
 創作することが世界の把握に役立つとしたら、素敵なことじゃないか?

 改めて、毎日ブログや小説を投稿してる人々の偉大さを痛感する。毎日投稿した所で何になる…という迷いが僕にはあるけれども。