乗りやすい馬について考えてみる②
乗りやすい馬について考えてみる①|Taro Kasahara @taraw2055 #note https://note.com/taraw2055/n/nd05c74f9d4d3
に引き続いて考えいきます。
乗りやすいを考えるために乗りにくいを考えてみる
乗りやすい馬=『意のままに操ることができる』
スクーターみたいな馬と書きましたが、『乗りやすい』をより分かりやすくするために『乗りにくい』状態を考えてみようと思います。
多くの人が通勤通学とか買い物に馬で行くわけではないと思いますので(笑)馬場馬術と障害馬術の競技フォーマットに当てはめて書いていきます。
馬場馬術でこれは困る
馬場馬術競技は20×60m(初級課目は20×40mの場合も)で区切られた競技場の中で決められた運動項目を各地点や地点を結ぶ区間で行い馬の動きの優雅さや滑らかさ、正確さを競う競技です。なので...
演技中馬のリズムが崩れる
これが1番困ります。
リズムが崩れるというのは速歩や駈歩の途中に馬の歩調が乱れたり勝手に下方の歩法(速歩から駈歩、駈歩から速歩などにおちる)に意図せずおちてしまうことです。ただ真っ直ぐに運動するわけでなく巻乗り等の図形を描く必要もありますからリズムが変わってしまうとその時点で演技ができなくなるわけです。
調教が進んでいない肉体、精神的にも未成熟な馬にとってリズムを保ちながら演技をすることは非常に難しいため新馬などが参加する初級クラスでは図形も大きく、要求される運動の切り替え(移行)も余裕を持たせたものになります。
中上級クラスになると踏歩変換やハーフパス、ピルーエットグランプリクラスになるとピアッフェ、パッサージュ(正確にはグランプリの手前のインターメディエイトクラスにも登場しますが)等の『技』としての採点も加わってきますが踏歩変換を行う際に速歩等に落ちてしまえば技は行えません。
障害馬術でこれは困る
障害物を配置されたコースを障害物の落下なく走りること、またより速いタイムでゴールを切ることなどを競う競技です。
障害物を飛び越える必要があるため見落としがちになるのですが...
(特に)障害物の前後でリズムが崩れる
ことが1番困ります。
コースを走ってるどの場面でも勝手に速くなったり遅くなられると安定して走行出来なくなるので非常に困るのですが、(特に)としたのは障害物を『飛び越える』という大きなアクションの前後が最もリズムが変わりやすい地点だからです。
例えば障害前でコンタクトをとった際にリズムが変わり速歩や常歩におちてしまうとうまく飛越出来る可能性が低くなりますし、極端に失敗した場合は拒止、反抗などの形で表れます。ですので障害前は駈歩のリズムがキープできるということが必要です。また1つ障害を飛び越えた後もコースは続きますし、決められたストライド数で向かわないと踏み切り地点が狂うように設定されているラインもありますので飛越後に再度リズムを取り戻すことが必要となります。
飛べる高さに関しては馬の飛越能力に依存しますが、初級クラスではリズムを保ちやすくするため余裕を持たせた障害の配置。そしてリズムを崩したとしても飛び越えられる障害の高さで行われます。
上級クラスでは高さに加えてリズムを変化させないと踏み切り地点が狂い落下を誘うようなラインや馬のリズムが変わりやすくなるような回転をコースに組み込み人馬に課題を与えます。
乗りにくい馬は勝手にリズムが変わりやすい馬
2つの競技フォーマットからこれは困るというところをピックアップして乗りにくい馬を考えてみました。
競技は違えど乗りやすい、乗りにくいは殆ど同じでコースや課目という表現の場は違えど調教で求めていくことにおいては共通となる部分が多くあります。
競馬においては著しく若い、馬術的に言うと調教進度の馬を使用するため、生まれ持って良いリズムで走ることが出来る馬はフットワークが良いなどと呼ばれより価値があるとされます(乗馬の世界でも一緒ですが)。より早い時期から競走に参加することができたり、競馬の際は展開に対応しやすい、無駄なく走ることができるのでスピードを保ちやすいなどアドバンテージがあると思います。
良血とされる競走馬達はリズムが良い馬が多いとも思います。
以上今回は乗りやすさにはリズムが大きく関わってるというお話でした。
まだまだ続くと思います(笑)
たろう。
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