乗りやすい馬を考えてみる⑤

こんにちはたろうです。
先日、ついにNintendo Switchを注文してしまいました。
どうしてもダビスタがやりたくてたまらず…。大学生以降、携帯ゲームすらやらなくなったのですが少し時間がある今、競馬の勉強しながら暇を潰せるならいいなぁと思い迷いに迷いつつポチりました。
…勉強とかいう高尚な目的を一番に出しましたが本当のところは職場の皆がやっていて楽しそうだから!なんですけどね笑

出荷されて届きそうなのでずっと待機しているのですが未だ来ず。
いたずらに待つのももったいないので乗りやすい馬を考えてみる書いてみようと思います!早く来ないかなー。

乗りやすい馬と乗りにくい馬の違いのおさらい

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前回このような図で表したのですが乗りやすい馬ほど⚙(歯車)をたくさん持っていて、あらゆる運動の切り替えをスムーズに行うことができる。反対に乗りにくい馬は持っている⚙が少なくスムーズに行うことができない。そしてこの運動の切り替えを移行と呼び、この移行の質が馬の乗りやすさつまり調教進度を決定するというところまで書かせて頂きました。

今回はその移行の質を高め⚙を増やしていく為に乗り手が気を付けるべき心構えや具体的な作業を中心に書いてみます。これは乗り手だけでなく指導を行う方にとっても着眼点として重要だと思いますので参考になれば幸いです。

1.馬は客体である(騎乗者の心構え)
これは僕がお世話になった指導者が仰っていた言葉の一つなのですが馬は『客体』つまり馬は常に『受け身』の存在であるということです。
騎乗者がはたらきかけなければ自分から何かをすることはありません。おそらくゆっくりどこかで休んでいたいと思っているはずです笑
この『自分から何かをすることはない』という客体を『自分から進んで何かをするようにする』主体に変えていくということが調教であるとも言えます。
https://note.com/taraw2055/n/n4cb721f67db3
少し前の↑記事で書きましたが馬は自分の鏡ですので勤勉な騎乗者が乗る馬は勤勉に、怠惰な騎乗者が乗る馬は勝手に常歩におちてしまうというような習慣がつきます。馬に自分がして欲しいことを進んでやってもらうためには馬以上の勤勉さが騎乗者には必要と言えます。馬の中にはどんどん何かをしようとして慌てる馬もいるのですが、そういう馬に対して勤勉さを欠くと勝手に走り出してコントロールが効きませーん!みたいな馬に仕上がってしまいます。
移行の質を向上させていくためにはこの勤勉さが非常に重要になってきますので最初に書きました。それを踏まえたうえで実際の作業を行っていくと良いかと思います。

2.常歩に移行する前のちょこちょこゆっくり速歩(以下CYT)の時間を長めにとる
最も簡単にできて効果的だと思う作業がこの
『CYTの時間を長めにとる』だと僕は思います。(Choko2 Yukkuri Trotの略)
速歩→常歩の移行をより細かくとらえて尋常速歩→ちょこちょこゆっくり速歩→常歩という形で移行を行います。

軽速歩で運動しているのであれば常歩に落ちるぎりぎりの短縮した歩幅まで軽速歩を行いそれから常歩への移行を行います。もし正反憧の方が速歩の維持が容易で馬に合っているのであればそれでも構いません。
馬が自ら常歩に落とした場合はもう一度CYTに戻り騎乗者主導で移行を行ってください。

3.CYTをする時の注意点
⑴背中の動きを保って馬のリズムをくずさないようにする

この作業の一番のポイントがリズムを崩さないです。
実際にやってみると分かるのですが大雑把にしか動いていない馬にとっては難しい作業で、動き方が分からなくなって常歩に落ちてしまったり勝手に停止してしまいます。また背中が敏感であったり馬体が未成熟な馬の場合、背中を反らせてしまうことでリズムを崩す場合もあります。
うまく作業できるのであれば正反憧でも良いのですが個人的にはツーポイントやハーフシートで行うことがオススメです。CYTする際に最も多く出る問題が背中が止まることです。ツーポイントやハーフシートで背中を開放してあげながら行うと馬も動きやすいですし混乱を防ぐことができます。上級レベルの馬場馬術ライダーも運動中ツーポイントを入れて背中をリラックスさせたり動きを取り戻したりという作業を取り入れます。それくらい馬の背中の動きを保つことは重要です。
また、脚やシートでの推進の扶助を使いっぱなしにしないことに注意してください。脚やシート等の扶助を使いっぱなしでこの作業を行うと扶助を使用していないとリズムを保てない馬になってしまいます。馬の動きに同調して動く以外の合図は極力使用しないで行い、馬がリズムを崩したり勝手に常歩に落ちた時だけ使用し、CYT出来てる間はまた同調というように要求を下げてあげると『リズムを保ってる間はOK』ということが馬に伝わり、馬の主体性を生むきっかけになります。

⑵柔らかくコンタクトを保つ
CYTの間も柔らかくコンタクトを保つよう心がけてください。もしコンタクトをとることで馬がストップしたり常歩に落ちたりするのであれば手綱の引っ張りすぎか手綱の作用が原因で背中がストップしてしまったのかもしれません。その場合はリズムを保つことを優先して作業を行うべきですしリズム崩さない加減で手綱を使うと良いと思います。
また、コンタクトを保つことがリズムを保つことに繋がってくる場合もあります(矛盾するような書き方ですが)ので馬の様子を見ながら馬がより受け入れやすい方法を選ぶと良いと思います。
柔らかくコンタクトを保つように心がけて調教された馬は人間が保とうとしなくても自らコンタクトを求めてきます。これについてはまたいつか書きたいと思います。

⑶出来上がりをしっかりイメージする
CYTの作業は決してゆっくりの速歩を続けることに目的があるわけではないということを頭に入れながら作業をすることが非常に大事になります。
あくまで表の⚙を増やす為、つまり質の良い移行を行うために作業をします。
いくらスムーズだからといって馬場馬術の競技会でツーポイントはできませんし最終的には正反憧をとっていても馬が十分に動くことができ、そしてスムーズな移行をいつでもできる馬に調教することを目標とするべきです。
ですので馬がリズムやコンタクトを保てるようになったと感じた時には尋常速歩→常歩をスムーズに行ってみたり、正反憧でトライしてみたりすると良いと思います。

⑷馬にとって難しい運動だということを理解する
馬にとってリズムと姿勢を保ちながらゆっくり運動を行うことは人間の体幹トレーニングや柔軟体操と同じような難しさやしんどさがあります。⚙を増やす作業というのは騎乗者の勤勉さだけでなく馬にとっても忍耐がいることですし、理解だけでなく肉体的な進歩も達成されないとできないことでもあります。
また勤勉さとしつこいは違います(笑)ので見た目は地味ですがこのように負担がかかる作業であるということを理解した上で馬を励ましながらしつこく行い過ぎないこと、また上手くできた後は気持ち良い運動を入れてあげることがとても大事です。

ちょっと長くなりましたが...
⚙を増やし良い移行をするための作業として最も簡単と思われるものを紹介させて頂きました。
乗っていてしんどくなってくると一気に常歩にして休憩!馬上ではそんな気持ちになることが多いものですが皆様はどうでしょうか?
自分が休憩の意識で馬に接していればおそらく馬は常に常歩をしたがる馬になります。でも勤勉さを少し発揮して常歩をする前の少しの時間を有効に使えば⚙を増やし馬の調教を前に進めることができます。

次回は他の歩法で⚙を増やしていく作業を書ければと思います。(もう大体わかると思いますが)

常歩は休憩じゃない!!

そう指導する場面は多いですし勿論、常歩中にやるべきことはたくさんありますが、常歩に落ちるその前にCYT!
そして頑張ってくれた馬を褒めてあげながら人馬気分よく常歩とか良くないですか?

あっ!!Nintendo Switch来たっぽい!!!!!
また次回お会いしましょう!!!!

たろう。




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