見出し画像

ホスピタリティ能力がない

私は、葬儀屋でバイトをすることが叶わなかったので、
近所にある「就労継続支援B型」の施設の求人に応募した。

「就労継続支援」とは、身体や心に障害や難病を持つ人が、
就労の機会を得られる場所として提供されている、
障害福祉サービスのひとつだ。

「就労継続支援」にはA型とB型の2種類あるそうで、

A型は一般企業で働くのは難しくても、
ある程度の支援があれば働ける人向けで、
労働に対して『雇用契約』を結ぶため、
最低賃金が保障されている。

B型は雇用契約を結ばない分、その人の障害の特性を考慮して、
無理のないペースで働いた分を『工賃』として
報酬が得られるという仕組みらしい。


身体障害者である元夫の、社会復帰へのヒントが得られるのではないのか?

という思いもあって、近所にある「就労継続支援B型」施設に
1ヶ月前に応募したのだが、何も返事がなく、
ダメだったんだろうと思っていた所、

昨日電話が来て「明日面接はどうか?」と言われたのだ。

1ヶ月も音沙汰がなく、いきなり明日?と思ったが、
近所だったし、何より暇だったしで、断る理由もなかったので、
履歴書を持って面接に行ってきたのだ。

結論から言うと、私がここで働くというのは、到底無理だということだ。

この施設はいろんな事情を持った人達が来ている。その人たちに、
「どうして欲しいのか」「何が分からないのか」それを
敏感に察することが仕事のメインになるだろう。

応募要項には「動画制作ができれば歓迎」みたいな事が書いてあったので、
なぜ、動画?とは思ったが、軽い気持ちで応募してみたが、
そんなスキルは重要ではない。

気配りや思いやりをもって接する事ができる『ホスピタリティ能力』だ。

私にはその『ホスピタリティ能力』がない。
だから、身体障害者の元夫とガチで喧嘩してるんだと思う。

しかし、元夫がここに通えば、引きこもっている状態から、
社会生活を取り戻すきっかけにはなるのでは?と
言われると疑問だ。

そもそも、こういう場に来て、話し相手や自分の居場所を見つけようと
前向きな気持ちになることすら、無理な状態。

この施設ではメダカを飼育したり、ワインのラベルを貼ったりという
緩やかな軽作業を主にしているが、
仕事人間だった元夫がこれをやりたがるとも思えない。

結局、元夫の社会復帰へのヒントは得られず、
ただ自分にはホスピタリティ能力がないのだと悟った面接だった。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?